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プログラミング教育コラム

最終更新日:2022.12.26 
公開日:2022.12.21

  • 3Dプリンター
  • 初心者

初心者向け3Dプリンターの選び方|おすすめや必要なものなどを解説します

初心者向け3Dプリンターの選び方|おすすめや必要なものなどを解説します

3Dプリンターは、樹脂などの素材を使って立体的な制作物が作れるプリンターのことです。

 

3Dプリンターは企業が製品の試作品を作るのに使用するほか、個人でも手軽にフィギュアやアクセサリーなどを作るのにも使用されています。

 

現在では安価な家庭用3Dプリンターも登場しており、興味を持っている方も多いのではないでしょうか?

 

この記事では3Dプリンターの説明や、3Dプリンターの種類、初心者向けの3Dプリンターの選び方や商品の紹介などをおこなっていきます。

初心者向け|3Dプリンターとは?

初心者向け|3Dプリンターとは?

 

3Dプリンターとは、従来の平面の紙に文字などを印刷するプリンターとは異なり、デジタルデータをもとに、立体的な制作物を作ることができるプリンターのことを指します。

 

3Dプリンターを使うことで、個人でもスマホケースやアクセサリー・破損した家具の補修パーツといった、従来であれば制作するには特別なスキルが必要だったものも比較的簡単に作ることができます。

 

中には個人の趣味として使うだけでなくオリジナルのフィギュアやアクセサリーなどのグッズを3Dプリンターで作って販売している方もいるなど、3Dプリンターの使い方は多岐にわたります。

 

こういったデジタルデータをもとに、さまざまな機器で製品などを作成・加工することは「デジタルファブリケーション」と呼ばれています。

 

ファブリケーションは「製造」や「組み立て」といった意味で、文字通りデジタルを使ってものづくりをしていくことも指した言葉です。

3Dプリンターもこのデジタルファブリケーションの一つで、他にも「レーザーカッター」など多くの機器があります。

 

デジタルファブリケーション

  • 3Dプリンター
  • レーザーカッター
  • デジタル刺繍ミシン
  • ペーパーカッター
  • ロボットアーム など

政府はこのデジタルファブリケーションを推進しており、総務省の資料によると以下のような変化があるとしています。

  • 企業の製品開発の効率化
    試作品の作成がスピーディになり、研究開発の費用が抑えられ、価格を下げることができる。また、個人個人の好みに合った小規模な製品を作りやすくなる。

  • 個人のものづくりの普及
    機材やデータが個人でも手に入れることができ、これまでものづくりをしてこなかった人も参加しやすくなる。

  • インターネットを通じての展開
    個人で作った製品をアプリなどで簡単に販売できるようになる。また、製品のデータ自体をインターネットを通じて販売することも可能になる。

このように、商品の価格が低くなることや個人でも作品の制作・販売がしやすくなるなど、さまざまなメリットが見込まれています。

特に、これまで大規模な工場や研究施設など、企業でなければできなかったことも3Dプリンターがあれば個人でできるようになったことは大きな変化といえるでしょう。

 

今回は個人で扱う家庭用の3Dプリンターを中心に紹介していきます。

3Dプリンターの種類

3Dプリンターは使用目的や制作物の作り方などによって多くの種類があります。

 

使用目的は大きく分けて業務用と家庭用があり、以前は業務用の大型なものが多かったですが、近年では家庭用のコンパクトで低価格な3Dプリンターが多く登場しています。

 

次に制作物の作り方(造形方法)による種類を紹介します。

家庭用の3Dプリンターでは、

  • 熱溶解積層(FFF/FDM)方式
  • 光造形(SLA)方式

の2つの方式が主流となっていますので、紹介します。

熱溶解積層(FFF/FDM)方式

熱溶解積層とは、熱によって素材を溶かして積み重ねていくことで、制作物を形作っていく方式です。

FFF方式やFDM方式と呼ばれることがあります。

 

「フィラメント」と呼ばれるプラスチック素材を使うことが多いですが、中には金属を素材として使用する場合もあります。

 

また、チョコレートなどを素材にして、デジタルデータから食品を作るといったことも可能です。

 

初心者でも扱いやすく、プリンターも多く発売されていて、比較的安価といったメリットがあります。

光造形(SLA)方式

光造形は、「レジン」と呼ばれる素材にレーザーを当てることで形作る方式です。

 

レジンは光硬化樹脂という、光を当てることで固まる性質をもった素材で、そこにデジタルデータをもとにレーザーを当てていくことで、設計図通りの立体物を作ることができます。

 

素材の取り扱いが難しいことなど、安全面や管理面で慎重になる必要がありますが、熱溶解積層よりも表面が滑らかに仕上がるといったメリットがあります。

3Dプリンターと一緒に必要なものは?

3Dプリンターと一緒に必要なものは?

 

3Dプリンターは本体だけあっても制作物を作ることができず、一緒に必要となるものがあります。

 

3Dプリンター本体の他に必要なものとして、

  • パソコン
  • 3Dデータ
  • スライサーソフト
  • 素材

があります。それぞれ簡単に見ていきましょう。

パソコン

3Dプリンターは基本的にパソコンと一緒に使っていきます。

パソコンはこの後紹介する3Dデータや、3DCADといったソフトを作成・管理したり、そのデータを3Dプリンターに送信するために使用します。

 

データやソフトは基本的にはWindowsとMacどちらにも対応しています。

現在パソコンをお持ちでない方は3Dプリンターと一緒に購入を検討するといいでしょう。

3Dデータ

3Dデータとは、3Dプリンターで制作物を作る際の設計図のようなものです。

3Dプリンターでは素材をこの設計図通りになるように形作っていきます。

 

3Dデータを用意するには

  • すでにあるデータを入手する
  • 自分で作る

といった方法があります。

 

すでにあるデータを入手する

インターネット上には3Dプリンター用のデータを公開しているWebサイトがあります。

サイトには有料・無料それぞれありますので、自分が作りたいデータを探してみるといいでしょう。

 

また、3Dデータは公的な機関が公開している場合もあり、「国土地理院」のサイトでは日本地図などの3Dプリンター用のデータが無料で公開されています。

 

 

他にもダムや山、道路地図などのデータもありますので、3Dプリンターの練習にお住まいの地区のデータをダウンロードしてみるのもいいかもしれません。

自分で作る

自分で3Dデータを作ることもできます。

専用のソフトを使うためスキルが必要になりますが、自分が思い描くものを自由にかたちにすることができます。

 

3Dデータを作るソフトは「3DCGツール」や「3DCAD(スリーディーキャド)」といったものがあります。

 

3DCGツールは立体的なコンピューターグラフィック(CG)の作成ができるソフトのことです。

CGアニメ映画のキャラクターや、3Dゲームのキャラクターなどはこういった3DCGツールで作成されています。

 

3DCAD(スリーディーキャド)とは、正確な寸法で設計ができるソフトのことです。

自動車の部品や建築物の設計などに使われることがよくあります。

 

3DCGツールや3DCADは有料のものも無料のものもあり、3Dプリンターに付属している場合もあります。

付属していない場合でもまずは無料のソフトから試してみるといいでしょう。

スライサーソフト

今紹介した方法で作成した3Dデータは3Dプリンター専用のものではないため、そのままでは3Dプリンターで使用できない場合があります。

 

そういったときに、3Dデータを3Dプリンターに読み込ませることができる「スライサーソフト」を使って、3Dプリンター用にデータを変換する必要があります。

 

スライサーソフトも有料と無料のものがあり、こちらも3Dプリンターに付属している場合があります。

素材

素材とは、3Dプリンターで作るものの基となる材料のことです。

 

3Dプリンターの種類によって異なっており、熱溶解積層方式の場合は「フィラメント」と呼ばれる、プラスチックや金属などを使います。

光造形方式では「レジン」と呼ばれる液体状の樹脂を使います。

 

購入する3Dプリンターがどの素材に対応しているかを確認しておくようにしましょう。

初心者向け3Dプリンターの選び方

初心者向け3Dプリンターの選び方

 

ここでは初心者の方へ向けて、家庭用の3Dプリンターを選ぶ際のポイントを紹介します。

 

ここでは、

  • 目的から選ぶ
  • 価格から選ぶ
  • 扱いやすさから選ぶ

の3つのポイントについて見ていきます。

目的から選ぶ

3Dプリンターを選ぶうえで目的を決めておくことが大事になります。

目的には「趣味用」「販売用」「子どもが使う用」などがあります。

 

趣味用でしたら価格が抑えられたり、コンパクトなものなど手軽に利用できることも大事になります。

販売用でしたら制作物の精度、制作物の耐久力、大量に作るための速度などが大事になってきます。

 

3Dプリンターの中には子どもが扱うことを想定した機器もあるため、子ども用に購入を検討している場合には選択肢に入れておくといいでしょう。

価格から選ぶ

家庭用の3Dプリンターには4万円前後のものから、20万から30万円といった高価なものまで価格の幅が広くあります。

 

高価格帯の3Dプリンターは全体的にできることが多く、低価格帯の3Dプリンターは特定の機能に秀でていることが多い傾向があります。

 

目的を決めた後は制作物の制度や造形のスピードなど、どの機能を大事にするか決めておくと、どの価格帯を選ぶかの助けとなるでしょう。

扱いやすさから選ぶ

3Dプリンターを選ぶうえでは、扱いやすさもポイントの一つです。

 

光造形方式の3Dプリンターの中には使用するごとに清掃が必要だったり、素材の管理に慎重さが求められるといった場合があります。

また、大きさや重さによっては置き場所や持ち運びに影響が出てきます。

 

一人で使うのか、家族みんなで使うかなども含めて、目的や価格とともに、扱いやすさも考慮して検討していくといいでしょう。

 

3Dプリンターを使ったものづくりができる、子ども向けプログラミング教室・LITALICOワンダーの各教室(※)には、教室に3Dプリンターが備え付けてあります。

興味がある方は、ぜひ一度体験しに来てください。(※サテライト校を除く)

初心者におすすめの3Dプリンターは?

この章では初心者におすすめの3Dプリンターを3つ紹介していきます。

 

 

出典:Amazon「ORIGINAL PRUSA MINI+」

 

「ORIGINAL PRUSA MINI+」はPrusa Research社が販売している熱溶解積層方式の3Dプリンターです。

 

本体は高さが37センチと小さめですが、作れるものの大きさは縦横奥行きともに18センチと今回紹介する3Dプリンターの中では一番大きくなっています。

 

本体には日本語のマニュアルや組み立ての工具などもセットになって、価格が7万円台と比較的安くなっています。

 

 

出典:Amazon「ダヴィンチ mini w+」

 

「ダヴィンチ mini w+」はXYZプリンティングが販売している、熱溶解積層方式の3Dプリンターです。

 

入門用として開発されており、本体は高さが39センチとコンパクトなサイズで、重量も7.7キロと扱いやすいサイズになっています。

4万円台と3Dプリンターの中ではかなり安価なため、初心者が購入しやすくなっています。

 

作れるものの大きさは縦横奥行きともに15センチと紹介した3Dプリンターの中では小さいため、自身の作りたいものの大きさを考慮して選んでいくといいでしょう。

 

 

出典:Amazon「ダヴィンチ Jr. Pro X+」

 

「ダヴィンチ Jr. Pro X+」はXYZプリンティング社が販売している、熱溶解積層方式の3Dプリンターです。

 

本体のサイズは高さが42センチとダヴィンチ mini w+よりも大きく重量も13キロとなっていますが、その分縦横奥行きともに17.5センチまでのものを作ることができます。

 

価格は10万円前後と紹介する中では高価な3Dプリンターとなっていますが、使える素材が多いなど作れるものの幅が広がるため、使用目的に合わせて選んでいきましょう。

3Dプリンター作品例ご紹介

ここではプログラミング教室LITALICOワンダーに通うお子さんの作品から、実際に3Dプリンターで作られた作品例などを紹介します。

 

初心者向け3Dプリンターの選び方|おすすめや必要なものなどを解説します

作品名:ロケリアン
作成者:ドク・ヒロマティー

学年:小学1年生

こちらの作品は、作者がイメージした世界を3Dプリンターを使って再現した作品です。
建物や山の3Dデータを一つ一つ作成し、そのデータを3Dプリンターで出力しています。

 

初心者向け3Dプリンターの選び方|おすすめや必要なものなどを解説します

作品名:カフェ
作成者:kina

学年:小学5年生

カフェを再現した3Dモデリングの段階の作品です。

カウンターテーブルや料理・ショーケースなど、細部まで観察して作られています。

 

3Dモデリングとは、3Dプリンターでつくるものの設計図を作成したり、CGアニメーションの作成などに用いられる作業のことです。

子どもにも3Dプリンターは扱える?

子どもにも3Dプリンターは扱える?

 

紹介した作品例は、小学生が自らのイメージを3DCGや3Dプリンターで具現化したものでした。

このように、3Dプリンターは子どもにも扱うことが可能です。

 

3Dプリンターは、子どもが「作りたい」と思ったものを形にすることができます。

 

従来であれば金型を作る必要があったりと、多くの時間や費用がかかっていたことが、3Dプリンターの登場でアイデアをすぐに形にすることが可能になりました。

 

そのため、自分の作りたいものを追及するために、作っては壊すというトライ&エラーがしやすくなり、子どもも失敗を気にせずにものづくりにチャレンジしやすい環境となっています。

 

3Dプリンターでものづくりを続けることで、パソコンや電子機器の扱いに慣れるだけではなく、アイデアを形にする「創造性」や、トライ&エラーを繰り返すことで「問題解決能力」など社会に出てからも役に立つスキルを身につけることにもつながります。

3Dプリンターを体験するには

 

LITALICOワンダーは「IT×ものづくり教室」を東京・千葉・埼玉・神奈川で展開しています。

LITALICOワンダーでは子どもが「作りたい」と思ったものを、自分の力で形にしていくために3Dプリンターをはじめ、ゲームやアプリのプログラミングや、ロボットを使ったプログラミングなど子ども一人ひとりにあわせた授業をおこなっています。

 

教室でおこなっているデジタルファブリケーションコースの無料体験では、3Dモデリングソフトで設計ができます。

「3Dプリンターに関する体験をしてみたい」「子どもに合うか試してみたい」といった方はぜひ一度お問い合わせください。

 

※無料体験では「3Dモデリング」を体験いただけます。実際に3Dプリンターで作品を出力する場合は別途有料[2,200円(税込)]です。また、都合により当日作品をお渡しできない場合もありますので詳しくは各教室にお問合せください。

【初心者向け】3Dプリンターについてまとめ

【初心者向け】3Dプリンターについてまとめ

 

3Dプリンターは、3Dデータを使って立体的な制作物が作れるデジタルファブリケーションの一つです。

 

企業が製品の開発を効率化できるだけでなく、個人でも自分が思い描いたものを簡単に作ることができるなど、ものづくりの形を大きく変えることが期待されています。

 

家庭用に小型で安価な3Dプリンターも多く販売されていて、初心者でも始めやすくなっています。

 

他にも3Dプリンターが体験できる教室などの場所もあるため、気になっている方は一度試してみてもいいでしょう。

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