最終更新日:2021.03.29
公開日:2020.03.19
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プログラミング必修化目前!何が始まるの?自宅でできることは?
いよいよ2020年から、小学校の新学習指導要領にプログラミング教育が盛り込まれます。
「いきなり学校で始まってついていけるか不安…」
「事前に家でできることはない?」
と、ご不安に思われる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、春から始まる新学年に向け、
●プログラミング教育って結局何が始まるの?
●自宅でできることってある?
について、ご紹介します。首都圏を中心に展開するプログラミング教室、LITALICOワンダーの期間限定テキスト公開情報も。春からの新生活に向けたスタートダッシュにお役立てください。
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いよいよ始まるプログラミング教育!学校の授業では何をするの?
誤解されやすいのですが、「プログラミング」という科目が新設されるわけではありません。また、国語や算数のように、「何年生で」「どのように」学ぶのかという具体的な内容が設定されているわけでもありません。
では、学校で学ぶ「プログラミング」とは何なのでしょうか?
そのヒントになるのが、さまざまなプログラミング教育の実施事例です。文部科学省などが運営する「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル https://miraino-manabi.jp/」にある事例を一部ご紹介します。
●5年生・算数「正多角形をプログラムを使ってかこう」
……プログラミング環境のScratchを利用し、辺の長さと角度を指定することで、正多角形の作図にチャレンジする事例。
●6年生・理科「電気を無駄なく使うにはどうしたらよいかを考えよう」
……レゴ® WeDo 2.0を利用し、スイッチのオン・オフなどをプログラミングする事例。取り組む中で、身の回りには目的に応じて電気の働きを自動的に制御しているものがあることに気付きます。
プログラミング教育で育む「プログラミング的思考」とは
プログラミングといえば「PCに向かって専門的な言語を打ち込む」姿を想像しますが、前述の事例はいずれもそのイメージからはかけ離れています。それもそのはず、学校におけるプログラミング教育の第一のねらいは、プログラミング言語や技能の習得ではなく、「プログラミング的思考」を育成することなのです。
「プログラミング的思考」とは、「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」とされています。
端的には、「何をどうすれば自分の願いがかたちになるか」を、情報技術を活用しながらロジカルに考えることができる力であるといえるでしょう。プログラミングに取り組む中では、どうすれば意図した動作になるか考えたり、計画・実行・検証を繰り返したりします。これらの経験を通して「プログラミング的思考」を身に付けるのが、学校におけるプログラミング教育のねらいのひとつです。
新学習指導要領では、情報の収集・判断・処理・編集・創造・表現や情報モラルなど、「情報活用能力」の重要性が強調されています。プログラミング教育を通したプログラミング的思考の育成はあくまで「情報活用能力」を育むためものであり、単なる論理的思考力を育むためのものではないことにも注意が必要です。「小学校プログラミング教育の手引(第三版)」でも、「児童が『コンピュータを活用して』自らが考える動作の実現を目指して試行錯誤を繰り返す『体験』が重要」と記されています。
また、特定の教科のみで実施されているわけではないことにお気付きの方もいらっしゃるでしょう。学習指導要領では、「各教科等の特質を生かし,教科等横断的な視点から教育課程の編成を図る」という記述があります。これは、プログラミング教育が特定の教科で実施されるのではなく、算数や理科などの授業や、総合的な学習の中に取り入れられるということを意味しています。
まとめると、学校におけるプログラミング教育とは
●プログラミング言語や技能の習得ではなく、「プログラミング的思考」を育成することが第一のねらい
●「プログラミング的思考」とは、情報技術を活用しながら、自分が意図する一連の活動を実現するためにはどうすればよいかを論理的に考える力
●何を学ぶか、どの教科において学ぶかという具体的な学習内容は、各市町村の教育委員会やそれぞれの教育現場に委ねられている
ということになります。
自宅でできるプログラミングって?
かつてプログラミングは、プログラミング言語を習得して初めてできるようになる、専門技術のひとつでした。しかし、プログラミング教育が学校で必修化されることに伴い、小さいお子さんや初心者の方でも無理なく取り組めるようなプログラミングツールが増えています。中には工夫次第で自宅で取り組めたり、親子で楽しく一緒にできたりするものも。後半では、ご自宅でも楽しくプログラミングを体験する方法についてご紹介します。
Viscuit
Viscuit(ビスケット)は日本で開発されたビジュアルプログラミング言語です。「メガネ」とよばれるしくみを用いて、プログラミングの基本である「コンピュータに何をさせるか考える」ということを、実際に手を動かして体感することができます。
Viscuitの最大の魅力は文字を使わないこと。ひらがなが読めないお子さんでもお絵かき感覚で取り組むことができます。しくみは単純ですが、簡単なアニメーションから複雑なゲームまでさまざまなものをつくることができます。
公式サイト:https://www.viscuit.com/
※2020年10月以降に一部機能が有料化される予定です。詳しくはこちら(https://www.viscuit.com/2020/09/10/post-6461)
おすすめの年齢:年中さん以上
必要なもの:タブレット端末またはスマートフォン、インターネットにつながる環境
準備:アプリをダウンロードする
費用:無料
Scratch
Scratch(スクラッチ)は、MITメディアラボが開発したビジュアルプログラミング言語で、専門的な知識がなくてもアニメーションやゲームを制作することができるツールです。
プログラムをテキストで記述するのではなく、視覚的なオブジェクトを組み合わせてプログラミングするため、専門的なコードの知識がなくてもOK。PCのマウス操作やタブレット端末のタップ操作で制作できるため、キーボード入力に慣れていないお子さんでも無理なく取り組めます。
公式サイト:https://scratch.mit.edu/
おすすめの年齢:小学校1年生以上
必要なもの:PCまたはタブレット端末、インターネットにつながる環境
準備:不要(ブラウザで動作します)
費用:無料
LITALICOワンダー公式サイトでは、Scratchのアカウント登録の方法やどんなゲームを制作できるかをご紹介しています。
ビジュアルプログラミング言語のScratchはゲーム制作を通した創造的な学びに最適?使い方や学び方を解説!
Unity
LITALICOワンダーのゲーム&アプリエキスパートコースでも教材として取り扱っている「Unity」(ユニティ)。プロのクリエイターから一般ユーザーまで、多くの人に使われているゲーム開発環境です。C♯(シーシャープ)というプログラミング言語に対応しており、文字をキーボードでタイピングする場面が多いため、PC操作にある程度慣れている方がスムーズに取り組めます。
この環境の魅力は、なんといっても本格的な3Dゲームが制作できること。ゲームが大好きで、遊ぶ側からつくる側になりたい、そんなお子さんにおすすめです。
公式サイト:https://unity.com/ja
おすすめの年齢:小学校3年生以上
必要なもの:PC、インターネットにつながる環境
準備:Unity Hubをダウンロードし、Unityをインストールする
費用:無料 ※詳細は公式サイトでご確認ください。
Tinkercad
LITALICOワンダーのデジタルファブリケーションコースでも使用している「Tinkercad」。プログラミングツールではありませんが、デジタルなものづくりを体感するには最適です。直感的に3Dの造形をつくることができ、つくった作品は3Dプリンターで実際に出力することも可能。どうすれば思い通りのかたちをつくれるか、PCの画面上で試行錯誤を繰り返してみましょう。
公式サイト:https://www.tinkercad.com/
おすすめの年齢:小学校1年生以上
必要なもの:PC、インターネットにつながる環境
準備:不要(ブラウザで動作します)
費用:無料
自宅でプログラミングを続けるコツ
最後に、IT×ものづくり教室LITALICOワンダーが大切にしている「プログラミングを続けるコツ」をご紹介します。
つくりたいものからつくる
テキストの中には簡単なものも難しいものもありますが、まずはつくりたいものから始めましょう。自分が心からわくわくして夢中になれるものであれば、少し難しいものでもチャレンジを続けられるはずです。
わからないこと、できないことはあって当たり前
プロの人たちでさえ、新しい技術に挑戦するときはわからないことがたくさんあるので、調べたり別の方法を試したりを何度も繰り返します。たくさん調べて考えて、それでもできなかったら一度離れて「できることから始める」のもアリです。考えるパワーが溜まったら再開すればいいですし、もしかすると別の解決法を思いつくかもしれません。わからないこと、できないことへの対処方法を、自分なりに探してみることが大切です。
プログラミングの過程では、アイデアや方法を自分で考え出し、形にするための試行錯誤を繰り返します。それらの経験が、自分で答えをつくり出す力となり、子供もたちの未来の可能性を広げるとLITALICOワンダーは考えています。
LITALICOワンダーでは、お子さんひとりひとりの興味や関心を引き出しながら、さまざまなIT×ものづくりツールを活用して「何をどうすれば自分の願いがかたちになるか」を一緒に考える授業を行っています。ぜひ無料の体験授業でご体感ください。
無料体験授業を申し込む▶▶ https://wonder.litalico.jp/course/trial/
※Unity および関連の製品名は Unity Technologies またはその子会社の商標です。
※「Tinkercad」はAutodesk Inc.の商標または登録商標です。
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監修LITALICOワンダー サービス開発グループ 和田 沙央里(わだ さおり)
監修
LITALICOワンダー サービス開発グループ 和田 沙央里(わだ さおり)2014年3月株式会社LITALICOに入社。5歳〜高校生の子どもたちが通うIT×ものづくり教室「LITALICOワンダー」の立ち上げで渋谷教室の開設当初から約3年間、300名以上の通塾生徒にプログラミングの指導を続けた。2016年度は総務省「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」事業のプロジェクト責任者を務めた。現在はカリキュラム・教材開発に携わる。大学では発達心理学・教育心理学を専攻し、卒業後は都内の大手IT企業で金融系基幹システムの開発に従事、現職に至る。
著 :『使って遊べる!Scratchおもしろプログラミングレシピ』翔泳社
監修:『スラスラ読める UnityふりがなKidsプログラミング ゲームを作りながら楽しく学ぼう! 』インプレス社
監修:『子どもから大人までスラスラ読める JavaScriptふりがなKidsプログラミング ゲームを作りながら楽しく学ぼう! 』インプレス社