最終更新日:2023.01.18
公開日:2021.06.20
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子どもにおすすめのプログラミング教材とは?おすすめの教材や学び方を紹介!
子どものうちからプログラミングに触れることで、論理的思考力などを育てるため、プログラミング学習は子どもの習い事として人気です。
しかし、「まずは家でプログラミングを学ばせたいが、どんな教材を選べばいいか分からない」という人も多いのではないでしょうか。
この記事では子ども向けのプログラミング教材や選び方、学び方まで詳しく紹介します。ぜひ参考にしてください。
子どもにもプログラミング教材は必要?
子どものプログラミング学習に興味があるものの、今なぜプログラミング学習が必要か分からない人もいるのではないでしょうか。
プログラミング学習は、小学校の成績に関わるというだけではありません。論理的思考力などを高め、将来の選択肢を増やすことができるため、子どもの将来にも必要な学習です。
ここではプログラミング学習がなぜ子どもに必要なのか、その理由を解説します。
2020年からプログラミングが必修に
2020年度から、小学校でプログラミング教育が必修になると聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。しかし、これは「プログラミング」という教科が新しくできるわけではありません。
文部科学省の「小学校プログラミング教育の手引」によると、小学校でのプログラミング教育の狙いは、プログラミング的思考の育成です。そのため、多くの教科でプログラミング学習が関わるようになります。
算数、理科、音楽、総合学習など複数の教科にプログラミング教育を取り入れる形で導入されています。たとえば、5年生の算数で正多角形をつくるためにプログラミングで作図するといった授業などが考えられます。
プログラミング学習では、作業手順、論理的思考力、アルゴリズムの基礎などの知識や学びなどが養われます。プログラミング自体が科目にはないので、プログラミングの知識や技術が成績に直接影響することは少ないでしょう。
しかし、学校外でプログラミングを学習しておけば、授業にスムーズに対応しやすくなります。各教科の理解度が高まるため、成績の向上に十分貢献すると考えることができるでしょう。
普段おとなしい子でも、プログラミング学習では積極的に発言できる子もいます。プログラミングが得意になれば、自信を持つことにもつながるでしょう。
子どもの論理的思考力を伸ばす
プログラミング教育は子どもの論理的思考力(ロジカルシンキング)やプログラミング的思考などの育成に役立つと考えられています。
論理的思考力とは、なぜそうなるのか、物事の因果関係を整理し、筋道を立てて考える力です。論理的思考力を身につけることで、自分の意見を分かりやすく、説得力を持たせて相手に伝えることができます。また、問題解決力の向上にも必要な力です。
プログラミング的思考とは、プログラムを適切に動かすために、情報を収集し、処理、整理、分析ができる力です。自分が意図するプログラムの形にするためには、必要な動作や命令を要素を分解し、組み合わせる必要があります。
プログラミング的思考は論理的思考力と似ていますが別ものです。論理的思考力の一部にプログラミング的思考が含まれています。
適切なプログラミング教材を効果的に利用すると、これらの能力が自然に育ちます。
論理的思考力とプログラミング的思考は、今後の学校での学習や受験、就職に役立つだけではありません。料理の献立や調理手順を考えるなど私生活にも役立ちます。
将来の選べる職業の幅が増える
プログラミングは、子どもが将来選ぶことのできる職業の選択肢を広げることにも役立ちます。
オックスフォード大学准教授のマイケル・オズボーン氏らは2013年に、その後20年で今アメリカにある半数近くの仕事がAIによって自動化することができる可能性があると発表して話題になりました。
また、ニューヨーク市立大学大学院センター教授のキャシー・デビッドソン氏は、2011年にアメリカの小学校に入学した子どもの65%は、その時点で存在していない仕事につくと予想しています。
これらの予想から、これまでの教育では人工知能の進化に対応できず、社会で活躍できる人材が育てられないのではと懸念の声が高まってきました。また、これまでなかった新しい仕事が多く登場することも予想されています。
このような背景から、大量の情報を適切に処理し、自立的に思考できる人材が求められています。プログラミング学習によって育まれる力は、これらの変化に対応する手段の一つになるでしょう。
子どもにおすすめのプログラミング教材
プログラミング教材はたくさんあり、どれを選べば良いか迷う人もいるのではないでしょうか。プログラミングを全く勉強していない子どもでも、楽しみつつ、プログラミングの理解を深めることができる教材がいろいろあります。次で、詳しく紹介します。
【幼児~小学生向け】Viscuit(ビスケット)
「Viscuit(ビスケット)」は、日本で開発され、子どもでも分かりやすい、ビジュアルプログラミング言語です。パソコンのブラウザやスマートフォンのアプリで簡単に操作できます。メガネと呼ばれる仕組みで、左右の違いから、画面の絵を動かせるようになっています。
単純なプログラムから、アニメーション、ゲームなど高度なものまで制作可能です。遊び方の幅が広いため、幼児から大人まで楽むことができます。
開発者が自分の子どものために開発したという背景があり、子どもにとって直感的な操作ができます。通常、コンピュータは厳密な指示や数字しか受け付けません。そのため、ちょっとした記述や手順の間違いで動かなくなってしまいます。しかしViscuitの場合は「右に少し動かす」のような曖昧な指示でも、動かすことができる点が特徴です。
魚や生き物が動き回るアニメーション、タッチすると音が出るアートや、宝探しゲームなどをつくることができます。他の人とデータを共有し、共同制作も可能です。
理解しやすい仕組みで、ひらがなが読めない子どもでも操作ができ、はじめてプログラミングに触れる子どもにおすすめできる教材です。
【小学生向け】Scratch(スクラッチ)
「Scratch(スクラッチ)」は子どものプログラミング教材として代表的な、ビジュアルプログラミング言語です。8歳から16歳向けにデザインされており、無料で利用可能です。パソコンやタブレットでプログラミングをし作品づくりができるだけでなく、スマートフォンでは作品の閲覧ができるようになっています。
ブロックを組み合わせ、複数の指示をつくることで、ジャンプのような複雑な動きをさせることができます。
専門的なコード記述や文法の知識がなくても、ゲームやアニメーションをつくることができます。
キャラクターの画像を回転させる、飛ばす、ヘルメットを被せるなどの操作も行えます。服の着せ替えゲームやアクションゲームのような複雑なゲームまでつくることが可能です。
子どもの自由なアイデアをプログラミング的思考で組み立てることができるよう工夫され、自分の考えを論理的に展開する力が養われます。工夫次第でより表現の幅が広がり、ゲーム開発だけではなく、ロボットプログラミングをすることも可能です。
【小学生向け】mBlock(エムブロック)
「mBlock(エムブロック)」はSTEAM教育用(スティーム教育用)に開発されたプログラミングソフトです。STEAM教育とは科学・技術・工学・芸術・数学の頭文字を合わせたものです。これらの分野を横断的に学びつつ、独創性を育てる要素を取り入れています。
mBlockの操作はScratchと同様、ブロックで指示を出して複雑な動きに対応できる仕組みです。mBlockはSTEAMに対応できるよう、ビジュアルプログラミング、Python、ロボットプログラミング、AI学習、データ分析などのニーズに対応したつくりになっています。
ロボットプログラミングのためには、Codey Rocky(コーディーロッキー)やmBot(エムボット)という、別売のロボットを購入する必要があります。特にCodey Rockyは既に完成しているため、ロボットプログラミングを手軽にはじめるツールとしておすすめです。また、AIによる機械学習を利用しており、AI学習のきっかけにも利用可能です。
プログラミング初心者から、上級者まで十分に楽しめるでしょう。
子ども向けプログラミング教材の選び方
子ども向けプログラミング教材はたくさんの種類があります。これまでプログラミングに触れてこなかった場合、どうやって選べばいいか分からない保護者さまもいるでしょう。ここでは子ども向けプログラミング教材を選ぶポイントを紹介します。
お絵描きが好きならViscuit(ビスケット)
「Viscuit」はソフトウェア内で描いた絵を直感的な操作で動かすことができます。お絵かきが好きな子どもであれば、自分で描いた絵を自由に動かせることに喜び、プログラミングに興味を持つきっかけになるかもしれません。
Viscuitは小学校入学前の子どもでも動かせるようになっており、文字が読めなくても操作できる仕組みになっています。小さな子どものころからプログラミングに触れせたい場合は、Viscuitからはじめてみるのがおすすめです。
使いやすいプログラミング言語ながら、小学生でも十分に楽しめるのではないでしょうか。
ゲームが好きならScratch(スクラッチ)
ゲームをつくってみたいという子どもにおすすめできるのが「Scratch」です。Scratchはシンプルな操作ながら、自由度が高く、工夫次第で大人も驚くようなゲームが制作できます。
簡単なゲームなら初心者でもつくることができます。そのため、徐々にステップアップを楽しむことができ、飽きずに続けやすいことが特徴です。Scratchはプログラミング学習で小学校に導入されているケースもあるため、学校授業の事前対策としてもいいでしょう。
YouTubeでは、子どもがScratchでつくった「脱出ゲーム」や「シューティングゲーム」を実際にプレイしている様子なども公開されています。シューティングゲームでは武器の持ちかえや敵のレベル設定までされており、小学生がつくったとは思えないほどのクオリティの高さに驚くでしょう。
小学生以上でどのようなプログラミング教材を使えば良いか迷っている場合は、Scratchがおすすめです。
STEAM教育ならmBlock(エムブロック)
STEAM教育を子どもにさせたいなら、STEAM教育のための教材である「mBlock」がおすすめです。STEAM教育はアメリカでオバマ大統領が演説したことをきっかけに注目が集まり、海外の教育機関では多く導入されていますが、日本での導入は十分に進んでいるとはいえません。
Scratchと似た操作方法ですが、ロボットと連携し、ロボットプログラミングだけでなく、AIについて学習することまで楽しめます。
mBlockのロボットプログラミングでは障害物を避ける、黒い線に沿って走るような操作などのプログラムをつくることができます。ロボットが好きなお子さんにはmBlockがおすすめできます。
子ども向けプログラミング教材の学び方
プログラミング教材は新しいものも多く、大人がまだ馴染みがない場合もありますよね。では、何をどう使って何を学べばいいかよく分からない人でも取り入れることができる、子ども向けプログラミング教材の学び方について解説します。
動画や本で学ぶ
プログラミング教材の中には、動画や本で詳しい使い方やできることを紹介しているものがたくさんあります。
上記で紹介した3種類のプログラミング教材については、YouTubeなどで操作方法を説明している人も多いです。指南書として書籍も多く発売されています。「プログラミング学習はさせたいけど、お金はあまりかけたくない」という場合、動画や書籍の力を借りて、自宅での独学は不可能ではありません。
ただし、YouTubeの動画の中にはプログラミングのプロではなく、素人の場合もあるため、信頼できる内容かどうか精査する必要があります。
また、書籍の場合は書籍内でつまづいたり、書籍の内容にプラスして何らかのプログラムをしたいと思った際、お子さんまたは保護者さまが調べるなどして解決することになります。
保護者さまが教える
子どもにプログラミング教材を渡しただけでは、保護者さまの思うような学習は進まないことが多くあります。すぐに飽きてしまう、つまづいたまま放置してしまう可能性もあるでしょう。特に小さな子どもであれば、自学自習はより困難なため、保護者さまの助力が欠かせません。
保護者さまにプログラミングの心得がなくても、本や動画で保護者さまも学習できるため、知識が0の状態からでも、プログラミングを教えることができます。
勉強に時間がかかる、子どもと喧嘩になる可能性があるなどのデメリットもありますが、一緒に学んだ経験は思い出にもなるでしょう。
プログラミング教室に通う
プログラミング教育を高いレベルで教えたい、正しい内容のプログラミング教育を受けてほしいという場合は、プログラミング教室へ通わせることがおすすめです。
この記事で紹介した3つのプログラミング教材は、プログラミング教室で使い方を教えてもらえることも多く、間違った覚え方をする心配もありません。分からないことがあれば、スタッフに質問もできます。そのため、ご家庭だけの自己学習と比べると効率よく学習を進めることができるというメリットがあります。
同世代の子どもたちとも学べる教室もあり、子ども同士で楽しみながら学習を進めやすい点もポイントです。
LITALICOワンダーでは子どもが楽しくプログラミング教材を学ぶことができる
子どもが楽しく学べるプログラミング教室をお探しであれば、LITALICOワンダー(リタリコワンダー)をご検討ください。
LITALICOワンダーなら上記で紹介した、ViscuitやScratchのような教材に対応した教育を行います。子どもの自由な創造力を大切にしているため、STEAM教育に興味がある人にもLITALICOワンダーはおすすめです。
創造力が湧きやすいよう、自由な空間で質の高いスタッフが子どもの学習をサポートし、パソコンに触れたことがないような子どもでも、楽しく学習を進められるカリキュラムをお子さん一人ひとりに合わせて組んでもらうことができます。
複数のコースが用意されているため、幅広い年代で学習が進めやすいです。子どもの特徴に合わせ、学習スピードも調整するため、無理なく学習を進められます。ものづくりが好きな子どもにもおすすめです。
「教室に通うことが難しい」という場合は、オンラインコースもあり、移動による感染症リスクが不安な人や遠方で教室がない人でも受講可能です。
子どもに質の高いプログラミング学習を受けさせたい、とお考えであれば、まずはLITALICOワンダーの無料体験授業にぜひご参加ください。
子どもにプログラミング教材を与えてみよう
この記事では子どものプログラミング学習の必要性やおすすめの教材や教材の選び方、学習の進め方まで解説しました。
プログラミング学習はハードルが高いと思われがちですが、無料で学習できるツールも多く、本や動画もあるため、自宅で学習を進めることも可能です。
しかし、より高いレベルでプログラミング学習を行いたい場合や挫折、指導が不安な場合は、プログラミング教室で学ぶ方法がおすすめです。LITALICOワンダーは、子どもの個性やスキルに合わせたオーダーメイドのカリキュラムで、無理なく学習を進められます。
子どもにプログラミング学習を受けさせたい場合、無料のツールを導入してやってみる、無料体験授業に行ってみるというところからはじめてみてはいかがでしょうか。
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監修 LITALICOワンダー編集部(りたりこわんだー へんしゅうぶ)
監修
LITALICOワンダー編集部(りたりこわんだー へんしゅうぶ)LITALICOワンダー編集部では、ITやものづくり、子どもの教育などに関するさまざまな記事を発信します。LITALICOワンダーは、新年長さん〜高校生のお子さんを対象にしたIT×ものづくり教室です。