最終更新日:2021.08.02
公開日:2021.07.05
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プログラミングが楽しいと感じる理由とは?子どもでも楽しく学ぶことができる方法
プログラミングが小学校から必修化されるなど、近年プログラミングへの注目度は高まっています。そのため、「プログラミングをはじめてみたい」「子どもにも習わせたい」と思う保護者さまも多いのではないでしょうか。
その一方で、「楽しく続けることができるか」「難しくてついていけないんじゃないか」など、不安に感じる人もいるかもしれません。そこで、プログラミングを楽しいと感じる場面やその理由、子どもでも楽しく学ぶことができる方法についてご紹介します。
プログラミングを楽しいと感じる場面や理由
プログラミングに限らず、学習は楽しくなければ続きません。特に子どもの場合は、それが顕著に現れます。プログラミングを学ぶ人たちが、どんな場面で楽しいと感じるのか、その理由と合わせて見ていきましょう。
狙い通りにプログラムが動く
世の中には、思い通りにならないことがたくさんありますよね。特に、人の感情は心理学をもってしても、なかなか思ったように動かすことはできないものです。
しかし、プログラミングは違います。正しいプログラミングを行えば、コンピューターは自分が考えた通りに動いてくれます。自由自在に動かすことができるので、違う動かし方を試したり、「もっと知りたい、学びたい」と好奇心を刺激することにもつながります。
このように、狙った通りにコンピューターが動くことは、プログラミングの楽しみの1つです。
つくりたいものをつくることができる
プログラミングは思った通りに動かすことができるので、それを応用すれば、ゲームやアプリをつくり出すことも可能です。「こんなアプリがあれば便利なのに」「こんなゲームをやってみたい」というアイデアをすぐに形にすることができます。WebサービスやWebサイトをつくって集客し、ビジネスにするというのもおもしろいかもしれません。
多くの場合、新しいことをはじめるためには、下積みや調査・検証の必要があります。しかし、プログラミングにおいては、正しくプログラミングさえできれば、すぐに思ったものをつくり上げることができます。つくりたいものを自分の手でつくれることは、喜びや楽しみにつながるでしょう。
他の人にも使ってもらえる
自分がつくったサイトやサービス、アプリなどを、他の人に見てもらったり、使ってもらったりすることで楽しさを感じる人もたくさんいます。自分が欲しいと思うアプリをつくり、それが多くの人に受け入れられ、役に立っていることがわかると達成感に包まれます。
中には、自作したアプリをSNSで公開している人も。「おもしろい!」「私もつくってみたい!」というような反応があると嬉しいですよね。いい反応は作品づくりのモチベーションアップにつながります。
このように、自分の作品を誰かが楽しんでくれたり、社会のためになることにやりがいを感じられるでしょう。
プログラミングを楽しめる人の特徴
人それぞれ得意・不得意があるように、プログラミングを楽しめる人とそうではない人がいます。プログラミングを楽しいと感じる人はどういう人なのか、その特徴についてご紹介します。自分やお子さんに当てはめて考えてみてください。
考えることが好きな人
プログラミングは、単純にコードを打ち込んでいく時間より、考える時間の方が長い場合もあります。作業に取り掛かる前に、「どう操作したらどのように動作するか」など、ある程度の構想を練ってからプログラムを組まなければなりません。そのため、考えることが苦ではなく、好きで楽しいと感じる人は、プログラミングも楽しいと感じやすいでしょう。
何度も試行錯誤しながらも、自分で考えたプログラムが想像した通りに動きだしたときの喜びはひとしおです。同時に、「最後までやりきった」という達成感に満たされるでしょう。
調べることが好きな人
実は、プログラミングは調べることの連続です。わからない部分やエラーが出た時には、自分で書籍やインターネットを使って調べて、解決しなければなりません。つまずくたびに、分からない部分について調べなければならないので、調べることを面倒に思う人にとっては、楽しくないと感じるかもしれません。
「最初のうちだけじゃないの?」と思われがちですが、プロのプログラマーでも調べることは必須事項です。どれだけ知識が豊富だったとしても、アップデートによって新しい機能が追加されることもあります。調べながら、問題を解決していくことに喜びを感じるという人であれば、楽しくプログラミングができるでしょう。
自分でつくりたいものがある人
自分でつくりたいものがある人は、目標が明確なので楽しく感じられるでしょう。反対に、「やらないといけないから」という義務感でプログラミングをはじめようとすると、楽しくもありませんし、大きな成長も見込めません。
プログラミングでは好きなゲームやアプリなどを作ることができるので、それが動機ではじめる人も多いでしょう。しかし最初のうちは、学校の勉強のように覚えることが多いので、モチベーションを保てずに挫折してしまう人もいます。プログラミングを楽しく進めたいという人は、自分でつくりたいものや達成したいことを設定し、それを意識しながら学習するのがポイントです。
プログラミングが楽しくないと感じる理由
やりがいの多いプログラミングですが、一方で楽しくないと思う人も一定数存在します。プログラミングでは細かい作業が必要なので、楽しくないと感じると続けるのが困難です。なぜ、楽しくないと感じるのか、その理由をみていきましょう。
パソコン初心者にとっては、はじめるハードルが高い
はじめる前から「プログラミングって難しそう」と苦手意識を持っていないでしょうか。どんなことからはじめればいいのか分からない人からみれば、まさに未知の世界です。
とくに、普段あまりパソコンを使わない初心者にとっては、パソコンの操作や環境設定などを覚えることからはじめないといけないので、ハードルが高く感じてしまいます。タイピングが苦手な人は、入力自体が苦痛に感じることもあるかもしれません。そのため、プログラミングをはじめる前に、パソコン操作で挫折してしまう人もいるのです。パソコンの操作でつまずいてしまうと、当然プログラミングの学習も楽しむことができなくなってしまいます。
一度つまずくと自己解決が難しい
プログラミングの学習をしていると、解決法が分からないことも多々あります。その度に何が間違っているか調べながら解決する必要があるのですが、ここでつまずく人も多いのです。
例えば1人でプログラミングの学習を進めていると誰かに聞くことができず、自分で解決しなければなりません。「気がつけば解決するために何時間も費やしてしまった」ということも起こり得ます。時間をかけて答えを導き出したことに達成感を感じるのであれば問題ないのですが、長時間の調べもので疲れ切ってしまい、楽しくないと感じてしまう人もいるようです。
楽しみを感じることができるまでに時間が必要
プログラミングでは、自分の思い通りの作品をつくることができることが大きな楽しみです。それが多くの人の手に渡り、誰かの生活を豊かにすることにつながれば、大きなやりがいも感じます。
しかし、活躍しているプログラマーが、すぐにプログラミングができるようになったかというと、多くの場合そうではありません。プログラミングでは、環境設定や基本的なルール、文法などを覚える必要があり、最初はあまり楽しさを感じられないことも多いのです。自分がつくったプログラミングで、コンピューターを思ったように動かし、楽しみを感じるようになるまでは時間が必要です。そのため、「楽しい!」と思える前に挫折してしまう人も少なくありません。
子どもが楽しくプログラミングを続けることができる方法
大人になってからプログラミングをはじめると、時間がなかったり、難しそうという苦手意識が芽生えやすくなってしまうため、「ゲームをつくることが面白そう」と思える子どものうちからプログラミングをはじめるのがおすすめです。ここでは、子どもが楽しくプログラミングを続けることができる方法についてご紹介します。
ビジュアルプログラミング言語からはじめる
プログラミングといえば、文字でコードを打つイメージが強いですよね。しかし、キーボード操作に慣れていなかったり、ローマ字入力ができなかったりする子どももたくさんいます。そのような場合はコードを打つこと自体が難しいでしょう。
そこで、便利なのが子ども向けにつくられた「ビジュアルプログラミング言語」です。ビジュアルプログラミング言語では、ドラッグ&ドロップなどのマウス操作でプログラムを組むことができます。難しいコードの入力が必要ないため、はじめやすいことが特徴です。直感的な操作で子どもも自由にプログラミングを楽しむことができます。
直感的に操作できるものを選ぶ
ビジュアルプログラミング言語で動くソフトやアプリはいくつかあります。そのなかでも、直感的に操作できるものを選びましょう。パソコンに慣れていない子どもにとっては、マウスでプログラムを組み立てていくほうが操作しやすいです。
なかには、ブロックのように組み合わせながらプログラミングを行うソフトもあります。まるでおもちゃやゲームのように遊びながら操作できるので、楽しんで基礎力をつけることが可能です。日本語に対応しているソフトなら、1人でプログラミングを進めていくこともできます。プログラミングを楽しむためにも、本人の興味があるものを選ぶと続けやすいでしょう。
適切にサポートする
子ども向けのプログラミングソフトを導入しても、最初のうちは1人で進めることは難しいかもしれません。そのため、適度なサポートが必要です。プログラミングをはじめるための環境設定などは、大人が手伝ってあげましょう。
また、プログラミング開始後も分からない場面でつまずくことが続くと、挫折するきっかけになってしまいます。しばらく考えても答えが見つからないようであれば、そっとヒントをあげましょう。ただし、最初からすべて教えてしまうと達成感を感じにくくなってしまうので注意が必要です。時には子どもに考えさせることも大切なので、適度な距離感を保つようにしましょう。
つくった作品を発表する場や公開する場を設ける
自分でつくった作品を発表する場や、公開する場があると目標になります。発表に向けてモチベーションも上がるので、壁にぶつかっても乗り越えようと努力でき、挫折しにくくなるでしょう。そして、自分の作品を見てもらったり、誰かに遊んでもらったりすることで、達成感ややりがいを感じられます。これまでより、さらにつくる楽しさも感じられるようになるでしょう。
また、自分だけではなく、他の人の作品を見ることは、とてもいい刺激になります。「この動きが面白い」「自分ならこうしてみたい」など、今後の創作活動へのヒントにもなります。
子どもが楽しくプログラミング学習するためにおすすめのソフト・アプリ
子どもが楽しくプログラミング学習をするためには、ソフト・アプリ選びが大切です。その子にあったツールでなければ、難しくて挫折してしまったり、飽きてしまったりします。ここでは、おすすめのソフト・アプリを3つご紹介します。
Scratch(スクラッチ)
Scratchは、MIT(マサチューセッツ工科大学)メディア・ラボでつくられた子ども向けのプログラミングソフトです。フリーソフトであり、かつブラウザで操作できるので導入しやすいのがポイントです。先ほどご紹介したビジュアルプログラミング言語なので、小学生でも簡単に操作できる特徴があります。
Scratchでは、「音をならす」「10歩動かす」などの指示ブロックを組み合わせて、コンピューターに指示を送ります。まるでゲームのように組み立てていくだけなので、難しいコードの入力も不要です。直感的に操作するだけで、思い通りにコンピューターが動いてくれるので、子どもたちもすぐに楽しさを感じることができます。
LITALICOワンダーでもScratchを授業に取り入れており、プログラミングの楽しさを教えています。
Viscuit(ビスケット)
Viscuitは日本で開発されたビジュアルプログラミング言語で、スマホやタブレットなど、さまざまな端末で使うことができます。しかも対象年齢は4歳以上となっていて、小学生だけではなく未就学児も使用できるプログラミング教材です。
操作はScratchよりもさらに直感的になっていて、「メガネ」と呼ばれる仕組みを利用してプログラミングを行います。具体的には、描いた絵を画面上に置いて、その前後の動きを指定するものです。
簡単なアニメーションやゲームを作ることができるので、LITALICOワンダーでも授業に取り入れている教材の1つです。はじめて挑戦するプログラミング学習にも適しています。
Unity(ユニティ)
パソコンの操作やプログラミングに慣れてきたら、次のステップへ。キーボードのタイピングでテキストコーディングに取り組みましょう。そこでおすすめなのが、Unityというゲーム開発ツールです。Unityは、ゲームを制作するための有名なツールです。主にプログラミング言語C#でゲームを制作し、VRコンテンツやスマートフォンアプリまで開発できます。
さらに、スマホなどでできる簡単な2Dゲームはもちろんのこと、テレビゲームにあるような3Dゲームもつくることができます。Scratchと比べても、できることが格段に増えます。「ゲームをつくってみたい」というお子さんは、プログラミングの基礎を身につけたあとに挑戦すると、学習の成果も実感できて楽しむことができるでしょう。LITALICOワンダーでも、Unityを授業に取り入れています。
子どもがプログラミングを学ぶおすすめの方法
プログラミングを学ぶには、いろいろな方法があります。しかし子どもに合った方法でなければ挫折してしまう可能性があります。そこで、子どもがプログラミングを学ぶおすすめの方法をご紹介します。
解説本で学ぶ
近年、子ども向けのプログラミング学習用の解説本も増えてきました。絵や図などが多く、視覚的にわかりやすいのが特徴です。解説本で学ぶメリットは、書店に行けば手軽に購入でき、すぐにはじめられることです。
しかし、プログラミングをはじめるための環境設定は、参考書を見ながら自分でやる必要があるため、子どもには少しハードルが高いかもしれません。保護者がサポートできれば問題ありませんが、保護者もパソコンに不慣れだと環境設定の場面で挫折してしまいがちです。分からない場面に出くわしたときに、自分で調べる能力やサポートしてくれる人がいないと難しいでしょう。
プログラミング学習ソフトやアプリで学ぶ
プログラミング学習において、ソフトやアプリを活用する人も増えています。その理由は、気軽にプログラミング学習をはじめることができるためです。ほとんどの場合、初心者が挫折しやすい環境設定をする必要がなく、パソコンに不慣れでも安心して取り組むことができます。ゲーム感覚でプログラミングを学ぶことができるので、子どもも楽しく続けることができることが強みです。
ただし、学習ソフトやアプリの選び方に注意が必要です。ソフトやアプリによって、学ぶことができる内容やレベルはある程度決まっているため、子どもの目的やレベルに合ったものを選ぶことが重要です。
プログラミング教室で学ぶ
プログラミング教室であれば、プログラミングをはじめるための環境設定や技術面でのサポートが受けられます。保護者がサポートできれば問題ないのですが、プログラミングの知識がないと子どもに教えるのは難しいかもしれません。プログラミング教室では、専門の講師がサポートするので、分からないことが出てきてもすぐに質問することができます。分からないことが多くて挫折してしまうという心配がないのも、プログラミング教室で学ぶ大きなメリットです。
そして、教室では通う日数が決まっているので習慣化しやすく、モチベーションも維持しやすくなります。また、教室内で作品の発表会や他の生徒との交流が設けられている教室もあり、1人で学習するよりもいい刺激を受けることができます。近くにプログラミング教室がない場合は、オンラインで授業を行っている教室を探してみるのもおすすめです。
まとめ
プログラミングを楽しいと思えるためには、挫折しやすくなる環境を取り除き、適切なサポートを受けられる環境が理想的です。プログラミング教室では、必要な場面で適度なサポートを受けて学習できるので、楽しみながら通うことができます。
LITALICOワンダーでは、新年長さんからはじめることができるプログラミングやロボット製作など多彩なコースをご用意しています。まずは、無料体験授業でプログラミングにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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監修 LITALICOワンダー編集部(りたりこわんだー へんしゅうぶ)
監修
LITALICOワンダー編集部(りたりこわんだー へんしゅうぶ)LITALICOワンダー編集部では、ITやものづくり、子どもの教育などに関するさまざまな記事を発信します。LITALICOワンダーは、新年長さん〜高校生のお子さんを対象にしたIT×ものづくり教室です。