公開日:2021.05.26
- プログラミング教育必修化
- プログラミング教材
子どもにもタイピング練習は必要?練習方法やおすすめゲームを紹介!
2020年度から全国の小学校ではプログラミング教育が必修化されました。そのため、子どものプログラミング教育に関心をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
プログラミング学習を進めるにあたって身につけておきたいことのひとつに、タイピングの技術が挙げられます。タイピングには決められたポジションがあり、身につけると正しく、早く打つことができます。
一方で、間違えた方法を覚えてしまうと後で修正することが大変になります。できれば、子どもが誤ったタイピング方法を覚える前に正しい練習をさせましょう。
こちらの記事では子どものタイピング練習について、詳しく解説していきます。
子どもにもタイピング練習が必要な理由とは
子どもにタイピング練習が必要な理由をご存じですか?
- 1.プログラミング教育の必修化
- 2.将来の職業選択の幅を広げる
- 3.早期に正しいポジションを獲得する優位性
この記事では以上の3つのポイントから詳しくお伝えしていきます。
小学校のプログラミング学習でタイピングが行われる
2020年度から小学校でのプログラミング教育が必修となりました。その背景には、今後、人工知能(AI)の台頭、ビッグデータ活用などに代表されるITの技術革新が急速に進むという予想があります。
今の子どもたちが社会に出る頃には、世の中の価値観や社会における暮らしが大きく変わっていくでしょう。そうした変化に合わせて、子どもたちが就く仕事も大きく様変わりしていきます。
したがって、IT技術の革新が大幅に進んだ社会での生活に対応できるような教育が必要なのです。
実際の小学校におけるプログラミング学習の内容は、文字入力などの基本操作をベースに、プログラミング的思考を育成していくことを念頭に考えられています。
プログラミング的思考を育てるだけであればタイピングは必ずしも必要ではありませんが、プログラミング学習を進める上では、タイピング能力を身につけることが重要になります。
子どもが小学校でのプログラミング学習でつまづき、苦手意識を持つことのないように、備えておきたいところです。
将来IT化が進み生活が変わる
先程も簡単にお伝えしましたが、今後、社会のIT技術革新がさらに進めば、日常的にも、仕事の面でも、環境が大きく変わっていきます。
オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授らが2013年に公表した論文「雇用の未来」で職業に大きな変化が起こると予想して大きな話題になりました。
彼らの調査では、人事労務を担当する事務員、会計事務の担当者をはじめ、702の職種を取り上げて分析し、アメリカの47%の仕事が10~20年の間にAIでも行うことが可能になるという結果を示しました。
今の大人たちが受けてきた教育を基にした感覚で子どもに教育をすると、子どもの職業選択を狭めてしまう状況に陥る危険性があります。
すでに、多くの学校や職業でも、基本的なパソコン操作やタイピングが必須になっています。子どもの未来の職業の選択肢を狭めないためにも、タイピング技術の取得や、プログラミング学習は軽視しない方がいいでしょう。
正しいタイピングの仕方は疲れにくい
正しいタイピングができると、疲れにくく、苦手意識を持たずにパソコンに触れることができるようになります。
実際に、初心者にありがちな1本指でのタイピングを試してみると、効率が悪く手がすぐに疲労してしまうことが実感できるはずです。
不慣れな人のタイピングでは、キーボードを逐一確認しながら入力しますが、これもあまりよくありません。パソコンの画面とキーボードのあいだで、頻繁に目を動かすことは目の疲労につながります。また、キーボードを覗き込みながら入力すると、背筋が丸くなり、背中や肩に負担が掛かって疲労に繋がりやすくなります。
こうした問題点も、タイピング練習の練習を重ね、正しい指使い、姿勢でのキーボード入力を体得することで、改善できます。
子どもがタイピング練習をできるのはいつ頃?
ここからは保護者さまとして気になる「子どもはいつ頃からタイピング練習をすべきなのか?」という部分に焦点を当てて、タイピング練習のはじめどきと考えられる3つのポイントを詳しくお伝えしていきます。
ローマ字を習ったあと
キーボード入力方法の主流はローマ字入力です。さらに、プログラミングを行う際にはアルファベットでの入力が必須なことがほとんどです。
2020年度からの学習指導要領では、小学3年生からローマ字の読み方と書き方の学習が国語の授業でスタートします。この点から、ローマ字の読み書きに学校でも触れる小学3年生からタイピング練習をすると、子どもの抵抗感も少なく、効率的であると考えることができます。
キーボードに興味を示したら
子どもがパソコンやキーボードに興味を示した時もタイピング練習のはじめどきと考えられます。
適切な時期に練習をさせたいと保護者が思ったとしても、子どもは動いてくれないこともあるため、意欲を示した時は貴重なタイミングです。タイピングだけでなく、キーボード自体に慣れさせておくことも大切です。
早いうちからパソコンへの興味がある子どもであれば、ひらがなが読むことができるようになった段階でタイピング練習をはじめることもいいでしょう。
テキストプログラミングの勉強をしたくなったら
小さい子どもが取り組むプログラミング学習の場合、テキスト入力ではない形でプログラミングをするケースが多くあります。視覚的にプログラミングする方法は、簡単で楽しく、論理的思考や創造力を育むことができるという点で優れています。
しかし、実際の現場で開発、研究の際に使われるのは、テキスト入力で行われるプログラミングです。テキストプログラミング言語の習得を行うことで、現場でも活かすことのできる、実用的なプログラミングに触れることができ、3Dゲームや、スマホのアプリ、Webサイトのデザインなど、幅広い作品をつくることができるようになります。
テキストプログラミング言語に取り組むためにはタイピングスキルが必須です。子どもがテキストプログラミングに興味を持ち、学びたいという気持ちを持ったタイミングでタイピング練習をはじめれば、目的がはっきりしているので主体的に取り組んでくれるケースが多く、上達しやすいでしょう。
タイピング初心者が学習する順序
子どもがタイピングを学習をはじめたいとなった場合の効率的な順序をお伝えします。
- 1.指を置く位置を覚える
- 2.指の位置を確認しながら練習する
- 3.指の動かし方を反復練習
- 4.慣れてきたらゲームを活用して基礎を定着させる
この順番で進めていくとスムーズにタイピングスキルを取得しやすくなるでしょう。
まずはホームポジションを覚える
タイピングの基本となる指の配置ですが、左手の人差し指はFに、右手の人差し指はJに置きます。そこから、中指、薬指と順番に横へ指を並べた状態がホームポジションとなります。
文字を打つ前は必ずホームポジションに指を置き、打ち終わった後もホームポジションに戻るということを繰り返して慣れていきましょう。
指の位置を確認しながら練習をする
次にホームポジションの状態から、それぞれの指で押すキーを確認していきます。各キーごとで、押すべき指が決まっているので、身につけていきましょう。
人差し指で押すキーはどれか、中指で押すキーはどれかなのかと、1本ずつ指の位置を確認しながら担当する指を覚えていきます。
このように、正しい指使いを覚えると、効率よくタイピングできるようになります。
上記の工程を何度も繰り返す
ホームポジションと指の位置確認の2点は、タイピングの基礎となりますので、何度も繰り返して、確実に身につけていきましょう。
単調な作業のため、すぐに飽きてしまうかもしれません。どんなことでも最初から完璧に身につけることは難しいため、保護者さまも気長に構えて、少しずつ慣れさせていくことを心掛けましょう。
人気の無料ゲームを活用してタイピング練習の基礎を学ぶ
タイピングはできるようになるまで何度も練習が必要です。しかし、単調な作業のため、子どもが飽きやすいことも確かです。ブラウザ上で、楽しくタイピングを練習できる無料のゲームを4つ紹介しますので活用してくださいね。
めざせタイピングマスター
FMVキッズ「めざせタイピングマスター」(富士通パソコン)には以下のような特徴があります。
- 1.指ごとの練習、段ごとの練習ができる
- 2.最初からすべての指を使わなくてもできるため、タイピング練習をはじめたばかりの子どもにもおすすめ
- 3.タイピングの結果を前回と比較して分析できる
タイピング練習をはじめたばかりの時に、いきなりすべての指を使うゲームに挑戦すると、なかなか上手くいかずに、つまずく原因になりかねません。その点、こちらのゲームであれば、基礎の基礎から練習できるため挫折しにくくなります。しっかりと基礎を身につけることに、ピッタリのゲームということができるでしょう。
また、前回のタイピング結果との比較ができ、ミスタイプ数や苦手キーなどが分かるので効率的にタイピング学習を進めることができます。
こどもタイピング
無料タイピング練習サイト「こどもタイピング」で遊ぶことができるゲームには以下のような特徴があります。
- 1.子どもがはじめてタイピングを学ぶことを前提としたゲーム
- 2.キーボードの位置とタイプする指が彩色されて表示される
- 3.キーボードを見ないでタイピングするブラインドタッチの練習もできるる
タイピング練習をはじめたばかりの時は、慣れないこともあり、ついつい手元を何度も確認してしまいがちです。こちらのゲームでは、押すキーごとに指とキーボードの配置が画面上に色付きで表示されるため、とても分かりやすく、手元を確認する時間が短くなります。そのため、続けるうちに自然とブラインドタッチが身につきやすくなります。
e-typing(イータイピング)
「e-typing」には以下のような特徴があります。
- 1.タイプする指とキーボードの位置が表示される
- 2.ジャンルが多く、謎解きや百人一首もある
- 3.タイピング以外の勉強も同時にできる
e-typingは、ことわざ、四字熟語、歴史上の人物の名前などを題材にしたタイピング練習をしながら、国語、社会といった学校での勉強に役立つ知識も合わせて学ぶことができます。ビジネスや雑学など、大人でも楽しむことができるコンテンツが多数揃っているため、子どもと一緒に保護者さまも取り組むことができます。
寿司打(すしだ)
「寿司打」には以下の3つの特徴があります。
- 1.タイピングに慣れてきた子向け
- 2.指やキーボードの位置を覚えてからでないと難しい
- 3.ゲーム性が高く、飽きずに続けることが可能
ここまで紹介してきたツールはタイピングの基礎を固めるためのゲームですが、寿司打はやや上級者向けのゲームです。
課題となる単語が回転寿司の映像に合わせて流れてくるゲームで、タイピングの基本ができていることが前提となります。ゲーム性が高いため、タイピングに慣れてきた段階であれば、楽しみながらスキルの向上が図れます。難易度が変更可能で、上級者になっても楽しむことができます。
有料タイピングソフトを活用する
ここまでは無料のオンラインタイピングゲームをご紹介してきました。次はクオリティが高く、充実した2つの有料タイピングソフトをご紹介していきます。
きっずタイピング
「きっずタイピング」には以下のような特徴があります。
- 1.学校の先生が制作したソフト
- 2.タイピングを学びながら英単語の学習ができる
- 3.ゲームが充実しているので楽しみながらタイピング練習ができる
子どものことをよく知る学校の先生が制作したタイピングソフトです。タイピングを取得する上での必須スキルが細かく段階分けされており、各級の終わりでテストを挟むことで、一歩ずつ着実にタイピング能力が向上します。
特打®小学生(とくだ しょうがくせい)
人気のタイピング学習ソフトの小学生版「特打®小学生」(ソースネクスト)には以下のような特徴があります。
- 1.各学年に合わせた難易度設定
- 2.漢字の読みや英単語学習もできる
- 3.モンスターを倒すゲームがあり、楽しんで練習できる
小学校で習う全漢字の読み、児童英検1~3級の英単語学習もタイピング練習と同時に行うことができる総合学習ソフトです。息抜きになるゲームモードも用意されており、集中力が続きづらい子どもでも長時間タイピング練習に励んでくれることでしょう。Windowsのみ対応です。
子どもに楽しいプログラミング教育をするためにはLITALICOワンダーがおすすめ
ここまでは、自宅で子どもにタイピング練習をさせる方法についてご紹介してきました。しかし、練習するためのソフトがあっても、子どもにきちんと自宅練習させるには難しい部分もあり、時には喧嘩になってしまうなど、順調にいかないものです。
重要なことは、最初からタイピングを練習させるのではなく、まずは子どもにタイピングの必要性を感じさせ、興味を持たせることです。
子どもに楽しんでタイピングやプログラミングを学んでほしい、そんな方にはLITALICOワンダー(リタリコワンダー)がおすすめです。LITALICOワンダーであれば、独自のコンテンツと専門スタッフによる質の高い学習環境で、子どもが楽しくプログラミング、ロボット学習に取り組むことができます。また、楽しむ中で自然とタイピングやプログラミングのスキルを習得することができます。
タイピングは正しい練習方法で行うことがコツ
タイピングのさまざまな練習方法についてお伝えしてきました。タイピングの練習をするうえで大切になることは、正しい指の位置を覚え、繰り返し反復して覚えるという方法で一つずつステップアップを図ることです。
正しいタイピング技術を身につければ、タイピングが楽しくなるため、自然とスキルが向上していくことに繋がります。まだ子どもにタイピングを学ばせていないのであれば、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
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監修 LITALICOワンダー編集部(りたりこわんだー へんしゅうぶ)
監修
LITALICOワンダー編集部(りたりこわんだー へんしゅうぶ)LITALICOワンダー編集部では、ITやものづくり、子どもの教育などに関するさまざまな記事を発信します。LITALICOワンダーは、新年長さん〜高校生のお子さんを対象にしたIT×ものづくり教室です。