最終更新日:2021.08.02
公開日:2021.07.14
- プログラミング教育必修化
高校生もプログラミング教育が必修化に|必修化の経緯と内容について解説
小学校では2020年度から、中学校でも2021年度からプログラミング教育が必修になりました。
2022年度からは、とうとう高校でもプログラミングに関する学習「情報Ⅰ」が必修化されることになりました。
高校生が学校でどのようなプログラミングをするのか、具体的に知りたい方もいるのではないでしょうか。
この記事では、高校で必修化となるプログラミング教育について解説します。
2022年度から高等学校でもプログラミング教育が必修化される
ここでは、高校の授業でなぜプログラミング教育が必要なのか、どのように取り入れられるのか、プログラミング教育の必修化について解説します。
今回の必修化により、大学入試共通テストでも「情報」が試験科目として導入されることが決まりましたので、きちんと確認しておきましょう。
なぜプログラミングは必修化されるのか
近年、IT分野の発展が急速であることは、みなさまも感じられているのではないでしょうか。特に人工知能(AI)の進化には目を見張るものがあります。
高校の授業内容の見直しや教科・科目などの新設について議論される際、新しい時代に必要となる資質や能力を身につけるために何が必要かを考える必要があります。
「プログラミング教育」は、ITについて理解する技能を身につけ、適切に活用することができる力を養うために必要だと判断されたこともあり、必修化となりました。
小学校で、自ら考える力やプログラミング的思考を学び、中学校でコンピュータの基本的な仕組みや情報処理の基本を学び、高校ではプログラミングを子ども自身の力でできるようになることを目標にしています。
「情報」という授業を通して、情報について理解し技能を身につけ、適切に活用できる力を養います。
必修化までの流れ
プログラミングが高校教育で必修化される前は、「社会と情報」と「情報の科学」のどちらかを選択する形でした。
「社会と情報」は、 情報の活用と表現や、情報社会の課題と情報モラルについて学ぶもので、プログラミングは含まれません。
対して「情報の科学」は情報に関する科学的な理解、問題解決とコンピュータの活用など簡単なプログラミングの内容を含んだものでした。
選択制の結果、8割近くの高校がプログラミングを避け「社会と情報」を選ぶという結果となっていました。
そこで、周知・徹底が2018年度、移行期間が2019~2021年度、全面実施が2022年度というスケジュールで、教育指導要領が改定されました。
このような流れで、プログラミング的思考や情報を正しく使う方法や手順を全員が学ぶことができるように、「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」という科目がつくられました。
「情報Ⅰ」が必修科目となる
2022年度、高等学校でのプログラミング教育が必修になりその教育内容が拡充されました。
情報Ⅰは必修科目になり、高校生全員が授業を受けることになりました。これにより高校生全員が、プログラミング教育を受けるようになります。
詳しい内容は後ほど説明しますが、「情報Ⅰ」ではプログラミング、シミュレーション、モデル化、情報セキュリティ、ネットワーク、データベースの基礎を学習します。
情報モラルを身につけ、情報社会との関わりについて考えます。
「情報Ⅱ」は選択科目
情報Ⅰと異なり、情報Ⅱは選択科目で必ずしも全員が受ける教科ではありません。
こちらも詳しい学習内容に関しては、後ほど説明しますが、情報Ⅱは数学Bと連携して学習することにより、さらに深く統計的な考え方を深めることができます。
情報Ⅱは、情報Ⅰで学んだことを基礎として発展させ、コンテンツを創造する力だけでなく、情報システム、ビッグデータなど人工知能やネットワーク技術なども学習します。
大学入試共通テストでも「情報」が導入される
2025年1月から大学入試共通テストの科目に「情報」が加わることが決まりました。
情報処理学会の会長である江村克己氏によると、以前から「情報Ⅰの学習内容は、文系理系問わずどの職業に就く子どもにも必要な知識」と前向きな意見を示していました。
2016年に公表された高大接続システム改革会議でも、「情報」については「適切な出題科目を設定し、情報と情報技術を問題の発見と解決に活用する諸能力を評価する」 と記載されています。
「情報Ⅰ」の授業内容とは?
「情報Ⅰ」の学習内容は、
・情報社会の問題解決
・コミュニケーションと情報デザイン
・コンピュータとプログラミング
・情報通信ネットワークとデータの活用
に分かれています。
ここでは、情報Ⅰの授業内容について詳しく説明します。
情報社会の問題解決
「情報社会の問題解決」は、情報Ⅰの導入部分です。情報を科学的にとらえた見方や考え方に触れ、情報技術の適切な使い方を学習し、情報モラルに配慮しながら社会に主体的に参画することを目指します。
問題の発見から情報収集、計画の立案・実行、計画のふり返り、問題の解決までの流れについて学習します。
問題を発見し、解決する方法については、中学校で学習するプログラミング教育の内容にも含まれるため、その力をさらに発展させる授業になるでしょう。
コミュニケーションと情報デザイン
「コミュニケーションと情報デザイン」では、情報のデジタル化、コミュニケーションとメディアの関係、デジタルデータの特性やアナログデータとの違いなどについて学習します。
メディアの特性やコミュニケーション手段、情報技術を活用した効率的なコミュニケーション方法など、情報伝達やコミュニケーション方法も学習範囲に含まれます。
コンピュータとプログラミング
「コンピュータとプログラミング」では、コンピュータの仕組みなどについて学習します。アルゴリズムやフローチャート、順次、分岐、反復、変数などを活用した基本的なプログラミングはもちろん、配列、乱数、関数、APIなどの応用プログラミングなども学習範囲に含まれます。
モデル化とシミュレーションについても学習しますが、シミュレーションはExcelの活用も可能です。
情報通信ネットワークとデータの活用
「情報通信ネットワークとデータの活用」では、ネットワークの仕組みや通信規格、暗号について学習します。
データの蓄積や管理を行うデータベース、探したい文章や単語を見つけ出すテキストマイニングなども学習範囲に含まれます。
情報ネットワークを管理して運用する力や、データベースを可視化して分析するための力を養成することを目指します。
「情報Ⅱ」の授業内容とは
「情報Ⅱ」は選択制で、もっと深くプログラミング教育について勉強したい生徒が選択する授業です。
「情報Ⅰ」で学習したことを将来より活かすことができるようにするための内容であるため、どんな仕事に就くとしても積極的に学習しておきたいことばかりです。
前の見出しと同じように、情報Ⅱの授業内容についても詳しく説明します。
情報社会の発達と社会や人への影響
「情報社会の発達と社会や人への影響」では、情報技術がどのような発展を遂げているのか、情報に関する法律や制度を学習します。
情報社会について討論するなど、グループワークも取り入れながら学習を進めます。
インターネットやスマホの普及率が増え情報セキュリティ技術の必要性が増したことや、情報セキュリティに関連する法律が整備されていることを理解できるような授業内容です。
情報Ⅰで学習するレベルから発展させたもので、「情報技術を使って具体的な問題をどのように発見し解決するのか」について活動の中で考える力を養います。
コミュニケーションとコンテンツ
「コミュニケーションとコンテンツ」では、情報技術を活用した多様なコミュニケーションの形態やメディアについて学習します。
コンテンツ制作に関するユーザーインターフェースやアクセシビリティをはじめ、コンテンツの発信方法やユーザーの反応をどのように得るのかなど、情報デザインに配慮したコンテンツ制作を総合的に学習します。
情報とデータサイエンス
「情報とデータサイエンス」では、ビッグデータの扱い方とデータサイエンスが社会に果たす役割について学習します。
「大量のデータをどのように扱い分析するのか」といったことや、回帰や主成分、分類、クラスタリングなどそれぞれの分析方法についても学習範囲に含まれます。
機械学習や人工知能の応用など、これからの社会に求められるデータサイエンスの基礎を学ぶことができる内容です。
情報システムとプログラミング
「情報システムとプログラミング」は、情報システム全体を俯瞰し、情報の流れや処理の仕組みを学習します。
情報セキュリティを確保するための技術や、情報システムの分析や設計なども学習内容に含まれます。
分割して制作したシステムの統合や動作テストなど、具体的に学ぶことができます。
情報と情報技術を活用した問題発見・解決の探求
「情報通信ネットワークとデータの活用」では、ネットワークの仕組みや通信規格、暗号について学習します。
データの蓄積や管理を行うデータベース、探したい文章や単語を見つけ出すテキストマイニングなども学習範囲に含まれます。
情報ネットワークを管理して運用する力や、データベースを可視化して分析するための力を養成することを目指します。
小中学校で学ぶプログラミング教育との違い
小学校・中学校で学習するプログラミング教育と、高校でのプログラミング教育には大きな違いがあります。
・一つの科目として扱われること
・情報科学の基礎を総合的に学習すること
などが大きな違いといえるでしょう。
ここでは、具体的にどのような違いがあるのか解説します。
一つの科目として扱われる
小・中学校のプログラミング教育必修化は、プログラミングという科目の新設を必須とするものではありません。小学校では理科や算数、総合的な学習の時間などの既存教科内で学習し、中学校では「技術・家庭」の技術分野の中で授業が行われます。
簡単にいうと、小・中学校ではプログラミング技術を身につけるというよりも、プログラミングを通して身につく思考法や、情報技術・情報社会の基礎知識を学習します。
しかし、高校では1つの科目としてより専門的に学習します。小学校、中学校で学習した情報の基礎を使って、プログラミングに触れることになります。
小・中学校と9年間で学習した情報知識や思考法を活かし、高校では本格的にプログラミングを行うことになります。
こうした状況から、日本のIT分野での競争力低下を懸念する声が高まっています。
たしかに、海外と比較すると国家レベルのSTEM教育の浸透は遅れていますが、民間の教育関連企業などでは、積極的にサービス展開を進めています。
具体的な取り組みとしては、民間企業が子ども向けのワークショップを開いたり、親子で体験できる授業を週末に計画したりするなど、STEM教育に早い段階から触れることができる環境をつくっています。
情報科学の基礎を総合的に学ぶ
高校の情報の授業では、小中学校で身につけたプログラミング的思考や情報技術の基礎内容を、より具体的に深い内容で学習します。
例えば、将来より情報化された社会で生きていく子どもたちが身につけておいたほうがいい知識を学ぶことができます。データベース、人工知能、シミュレーション、アルゴリズムの基礎など、より具体的で実務的な技術を学習します。
今の子どもたちが、将来社会に出たときに情報社会のさまざまな問題を発見し、自ら考えて解決することができる能力の育成を目指しています。
これまで日本の教育は座学が一般的でした。しかしプログラミング教育では授業にディベートを取り入れたり、生徒が能動的に参加できるアクティブラーニング方式などを取り入れることで、目まぐるしく変化する世の中で活躍できる人材の育成を図っています。
2021年度からは中学校でもプログラミング教育が本格化し、STEM教育がさらなる広がりを見せると予想されます。
高校生で本格的にプログラミング教育を受けるならLITALICOワンダーへ
高校ではプログラムの作成も行われますが、あくまでも情報という教科の一環であり、高校生が常にプログラミングに触れるわけではありません。
コンピュータやプログラミングに興味があったり、プログラミング技術をしっかりと身につけたりしたいのであれば、プログラミング教室に通うといいでしょう。
LITALICOワンダー(リタリコワンダー)は、高校生が通うことのできるプログラミング教室の中では珍しく、1人ひとりの個性や興味に合わせて目標設定やカリキュラムづくりをしてもらうことが可能な個別指導(〜1:4)のスクールです。
そのため、初心者から上級者までどのレベルの高校生でも入会可能です。
経験豊富なスタッフやプロのクリエイターからアドバイスを受ける環境があり、プログラミングに興味がある高校生におすすめです。
高校のプログラミング教育は小中学校よりも専門的になる
情報技術がより身近になり、コンピュータと共に生きる現代の人間には情報についての知識は必須と言えます。
その状況に対応すべく、高校でも情報の授業の一環としてプログラミング教育が必修となりました。さらに、大学入試共通テストでも「情報」が導入されることが決まりました。
学習する内容は小中学校の授業よりも専門的になり、実際にプログラミングも行います。
LITALICOワンダーでは、高校生が楽しんでプログラミングを学ぶ環境が整っています。ご自宅からのオンライン授業形式も可能ですので、コンピュータやプログラミングに興味をもっているのであれば、ぜひ無料の体験授業にご参加ください。
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監修 LITALICOワンダー編集部(りたりこわんだー へんしゅうぶ)
監修
LITALICOワンダー編集部(りたりこわんだー へんしゅうぶ)LITALICOワンダー編集部では、ITやものづくり、子どもの教育などに関するさまざまな記事を発信します。LITALICOワンダーは、新年長さん〜高校生のお子さんを対象にしたIT×ものづくり教室です。