公開日:2022.11.30
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子どもの自己肯定感とは?高める方法やメリットを解説します
よく聞く「自己肯定感」という言葉がありますが、子育てをしていて子どもの自己肯定感について、考えたことはありませんか?
自己肯定感が高い子どもは、日々の暮らしやすさや、将来生きやすくなるといったプラスの影響があるといわれています。
幼少期の過ごし方や親からかけられた言葉が、自己肯定感に影響するとされていますが、どのような関わり方をするといいのか悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、子どもの自己肯定感とは何か、子どもの自己肯定感を高める方法をお伝えします。
子どもの自己肯定感とは?
自己肯定感とは、その言葉の通り「ありのままの自分を肯定できる感覚」のことです。
いい面も悪い面も含めて自分自身に満足し、自分自身に価値があると認め、自分のことを大切な存在だと思える感覚です。
同志社大学の「子どもの自己肯定感に及ぼす影響要因に関する実証研究」によると、「親・親戚との関係」「学校での生活」「友人の有無」のいずれもが自己肯定感に影響していると発表されています。
大人も子どもも、周りの人と関わりながら生活をしています。
自分のことを肯定的に思えるときもあれば、自分に否定的になることもあるでしょう。
親は、子どもがさまざまな機会を通して、自己肯定感を育んでいく過程を観察してみましょう。
子どもの行動や言動から、子どもの自己肯定感の高低の変化に触れ、自己肯定感を高める子育てを心がけていくことが大切です。
子どもの自己肯定感を高めるメリット
子どもの自己肯定感を高めることは、子どもにとって日々の暮らしやすさや、将来生きやすくなるようなプラスの影響があります。
具体的に、子どもの自己肯定感を高める3つのメリットについて見ていきましょう。
主体的に自信を持って行動できる
自己肯定感が高まっていると、ありのままの自分を受け入れられる状態なので、人からの評価を必要以上に気にせず、主体的にチャレンジしていくことができます。
幼少期に多くの達成感や成功体験を積むことで自信を持つことができれば、あらゆる出来事に対してやってみよう!と意欲的になれるでしょう。
年齢があがるにつれて、不得意なことに出会ったとしても、自分の得意なことを生かしていけばいいと自主的に考え、次のステップに進むこともできるでしょう。
失敗してもめげない前向きな思考
子どもは、幼稚園〜小学校の次は中学校と、学年や学期など生活環境の変化が多いです。
生活環境の変化に伴い、家庭だけでなく集団生活で過ごす時間も増えていきます。
集団生活では、慣れていない環境での挑戦や、ケンカや競争など、失敗を経験することも増えるでしょう。
自己肯定感が高まっていれば、失敗してもめげない前向きな思考ができることが多いです。
具体的には、はじめてやってみたことがうまくいかなかった、自分の思い通りにいかなかった出来事など、失敗してしまっても自分自身を否定せず「同じ失敗をしないためにどうしたらよいか」と前向きに振り返ることができます。
人間関係のストレスをためにくい
久芳美恵子らによる論文「自己肯定感と人とのかかわり」によると、『「今の自分が好きだ」と自己肯定できる者は、自己評価も肯定的であり、家族・教師・友人などのかかわりもよい。』とあります。
自己肯定感が高まっていれば、「人と違っていてもいい」と思える状態なので、自己の存在を大切に扱うことができます。
自分自身を大切にできている状態であれば、周りの人からの発言に対しても過剰にネガティブに捉えることなく、人間関係でストレスをため過ぎずに過ごせるでしょう。
子どもの自己肯定感が低いとどうなる?
流通経済大学・専任講師の小出真奈美らの「小学校低学年における児童の自己肯定感を高める授業の試み」の調査結果によると、「自分の存在を受け入れてもらえない」「大切にされない」「いじめられる」などの経験をした子どもたちは自己肯定感が低くなることが指摘されています。
子どもの自己肯定感が低いと以下のような状態が見られます。
自信がない、物事を決められない
自己肯定感が低いと、ありのままの自分を認めることができない状態のため、主体的に物事を決めて行動することに不安を感じます。
例えば「これやってみる?」「どこへ行きたい?」などといった問いかけをしても、否定されることや失敗を恐れ自分で決めきれないので、答えてもらえないといったこともあるでしょう。
あきめやすい、失敗を避けようとする
自己肯定感が低いときは「自分にはできない」とあきらめやすくなってしまうこともあります。
あきらめ癖が付いてしまうと「どうせ無理だから…」と挑戦することから逃げたり、失敗を避けようとします。
自分に対して否定的になると、さまざまな物事に対しても、否定的になりやすく意欲がなくなり、元気がなさそうにみえることもあるでしょう。
落ち込んだり、物事をネガティブに捉えてしまう
自己肯定感が低い子どもは、失敗したり怒られたときに自分を責めてしまい、必要以上に落ち込むことがあります。
子どもによっては、「自分はダメな人間だ…」と思い悩み、黙ってしゃべらなくなったりすることもあります。
子どもの自己肯定感を高める方法は?
子どもの自己肯定感は、何歳までに培われるのでしょうか?
また、どう高めていけばいいのでしょうか。
大人になってから自己肯定感を高めていくことはできるので、以下の自己肯定感を高める方法を試すことは何歳の子どもにとっても遅くないでしょう。
日頃の声かけや関わり方を意識して、子どもの自己肯定感を高めていきましょう。
話を聞いて肯定してあげる
自己肯定感を高めるには、子どものありのままの状態を肯定し受け入れることが大切です。
肯定していることを伝えたり、褒めたりするときには、具体的に細かくどの点がどうよかったのか伝えてあげるのがポイントです。
- この前よりうまくなっているよ、レベルアップしているね
- 「ありがとう」って言ってもらえてうれしいよ
- 友だちと楽しく〇〇したんだね
- 頑張ったから失敗ではないよ
上記の例であげたように、子どもの努力のプロセスを褒めてあげたり、できた瞬間に褒めてあげましょう。
プラスの声がけをしてあげることで、子どもの中で「自分は大切な存在」なんだと思えてくると、自己肯定感はどんどん伸びていきます。
自発的な行動を認め、そのような経験を積み重ねる
子どもは何が得意で、何ができるのか、1年前〜1ヶ月前〜昨日の子ども自身と比べて、どう成長しているのかを見てあげましょう。
成長に合わせて褒めるだけでなく、やっていいことやだめなことを教える機会も増えてくると思います。
子どもの成長には個人差はありますが、日々成長しています。
子どもとの会話で「認めてほしいところ」がどこかしっかり観察をして、褒めて認めてあげましょう。
家庭だけでなく集団生活で過ごす時間も増えることで、子どもの誰かのために役に立ったという達成感や、うれしい出来事が増えていけば自分を認められるので自己肯定感の向上につながります。
また、子どもにとって、できた!と思える機会を用意してあげることもおすすめです。
上手にできたときは「できたね!うれしいね」と共感し、一緒に喜んであげましょう。
親や周りの人に、気持ちを共感してもらうことで、子どもはますます自己肯定感を得やすくなるでしょう。
子どもの自己肯定感についてまとめ
子どもの自己肯定感とは、「ありのままの自分を肯定できる感覚」のことです。
いい面も悪い面も含めて自分自身に満足し、自分自身に価値があると認め、自分のことを大切な存在だと思える状態です。
自己肯定感の高低には変化があるので、子どもの自己肯定感が低くなっている状態のときは、親から積極的にアプローチして自己肯定感を高める子育てを心がけていくことが大切です。
子どもの自己肯定感を高めることは、子どもにとって日々の暮らしやすさや、将来生きやすくなるようなプラスの影響があるので、今回ご紹介したことで、合いそうなものがあれば、実践してみてください。
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