最終更新日:2023.11.14
公開日:2023.04.21
- デジタルクリエイター
デジタルクリエイターとはどんな仕事?必要なスキルや資格も
デジタル化が進む時代の中で、IT技術を使って制作物を作る「デジタルクリエイター」の仕事に注目する人が増えてきています。
一方で「そもそもデジタルクリエイターってどういう仕事?」や「どうやったらデジタルクリエイターになれるの?」「デジタルクリエイターにはどんなスキルが求められるの?」など、さまざまな疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回はデジタルクリエイターに当てはまる具体的な職種名や仕事内容についてご紹介します。また、デジタルクリエイターになる方法や必要な資格に関しても解説します。
デジタルクリエイターとは?
デジタルクリエイターとは、IT技術(ツールやソフトなど)を使って、CMやアニメーションCGなどのデジタルコンテンツを作る仕事(人)を指す言葉です。
仕事内容の幅は広く、イメージとしては「デジタルクリエイター」という大枠の中に、Webデザイナーや映像編集、グラフィックデザイナーやCGクリエイターなどの職種名が含まれていると考えると、わかりやすいかもしれません。
そのため、どのジャンルに携わるのかによって、仕事内容は大きく異なると考えましょう。
デジタルクリエイターの職種
デジタルクリエイターの職種例を紹介します。
Web系
- Webデザイナー
- コーダー
- エンジニア
- プログラマー
- ライター など
映像・サウンド系
- 映像編集
- ビデオグラファ―
- フォトグラファー
- サウンドクリエイター など
グラフィック・イラスト系
- イラストレーター
- グラフィックデザイナー
- CGクリエイター
- DTPデザイナー など
デジタルクリエイターの職種は幅広くありますが、共通しているのは「IT技術を活用したデジタルコンテンツの制作をしている」という点です。
また、会社によっては、似たような作業内容でも職種名が異なるパターンが見られます。
例えば、映像を編集する仕事は「映像編集」のほかに「動画編集」や「動画クリエイター」と呼ばれることもあります。
求人サイトで仕事を探すときは「デジタルクリエイター」と検索するよりも、携わりたい業務をなるべく明確にした上で、具体的な職種名で検索したほうがスムーズかもしれません。
デジタルクリエイターの年収
デジタルクリエイターの年収が気になる方へ向けて、厚生労働省の職業情報提供サイト「Job Tag」のデータを元にして、職種ごとの年収を以下の表にまとめました。
おおよその目安としてご覧ください。
また、職種だけでなく、会社や地域、実績やスキルによっても年収の差は生まれます。
デジタルクリエイターの職種はとくに、実績が重視される傾向が強いため、制作経験を積んだり、資格をとったりすることで年収アップも狙えます。
さらに、会社員として働いた後に、フリーランス(企業に所属せず、仕事単位で自由に契約を結ぶ人)のデジタルクリエイターとして独立して、さらに多くの年収を稼ぐ方もいます。
デジタルクリエイターの仕事内容
デジタルクリエイターの具体的な仕事内容は、携わる業界や会社によって異なります。
ここでは、デジタルクリエイターにあてはまる職種をピックアップして解説していきます。
ゲームプログラマー
ゲームプログラマーは、ゲームが仕様書通りに動くように、プログラムを組む仕事です。
例えば、キャラクターの動きや効果音、設定画面の表示など、ありとあらゆる工程をプログラミングしていきます。
また、1つのゲームが出来上がるまでには、何人もの人が関わります。そのため、基本的にはチームを作り、分業制で協力し合い完成を目指していきます。
ゲームプログラマーとして活躍できる主な就職先としては、ゲーム制作会社が挙げられます。
CGクリエイター
CGクリエイターは、CGを制作する人を表す総称です。
その中には、物体の形状を組み立て、色などをつける「モデラー」や、モデラーが作ったCGモデルを動かす「アニメーター」などが含まれます。
また、炎などの特殊効果をつける「エフェクトアーティスト」など、ほかにも種類があります。
表現力はもちろんのこと、CG制作に欠かせない専用ツールを使いこなす能力なども求められます。
CGクリエイターが活躍できる業界としては、ゲーム業界やアニメーション業界、映画業界や広告業界などが挙げられます。
映像編集(動画編集)
映像編集(動画編集)は、映像コンテンツをつくる上で必須となる職種です。
映像コンテンツとは、映画・CM・TV番組・アニメ・Web動画などのことです。
具体的には、映像を繋ぎ合わせたり、不要な部分をカットしたり、音声を入れて調整したりしながら、魅力的なコンテンツへと仕上げていきます。
会社によって名称が異なるためか、求人サイトには「動画編集スタッフ」や「映像クリエイター」など、さまざまな呼び名が記載されています。
Webデザイナー
Webデザイナーとは、Webサイトの見た目をデザインする仕事のことです。
また、ただデザインするだけでなく、クライアント(依頼者)の目的や希望に合わせて、テーマやコンセプトを考える業務までおこなうこともあります。
Webデザイナーに求められるものとしては、基本的なデザインの知識や、Illustrator・Photoshopなどのソフトを使うスキルなどが挙げられます。
さらに、コーディング(デザインをブラウザ上に反映させるために、プログラムを書く)ができると、より仕事の幅が広がるでしょう。
デジタルクリエイターになるには?
デジタルクリエイターになるには、どのような方法があるのかご紹介します。
未経験でもOKの会社に就職してスキルを磨く
デジタルクリエイターの求人案件の中には「未経験歓迎」や「未経験OK」と記載されているものも見られます。
このような会社に就職することで、スキルを磨きながらデジタルクリエイターとして働き、実務経験を積むことが可能です。
また、「お給料を貰いながら学べる」といううれしいメリットも得られます。
ただし、未経験からデジタルクリエイターとして就職できる会社は限られているため、選択肢を広げたい方は、ある程度のスキルを身につけてから、就職・転職活動をする方法も検討しましょう。
学習(独学・スクール)して副業から始める
デジタルクリエイターの中には、興味のある職種に必要なスキルを基礎から学び、その後、副業として活動する方もいらっしゃいます。
代表的な学習方法としては「独学」「スクールに通う」「通信講座(オンライン講座)を受ける」の3つが挙げられます。
独学
デジタルクリエイターに関係する書籍は、多数発売されています。
例えば、映像(動画)系の仕事をしたいのであれば、初心者向けに解説している本を読んだ後、実践的に手を動かして動画コンテンツを作りながら独学する方法があります。
徐々にステップアップしたら、デジタルクリエイターに関する簡単な仕事を副業として受けてみるのもよいでしょう。
また、WebデザインやWebサイトのプログラミングなども同様に、本や学習サイトを活用しつつ、スキルを磨けます。
しかし、学びたいスキルの難易度やその人の性格によっては、独学に限界を感じてしまう可能性も考えられます。
そのようなときは、スクールや通信講座で人から学ぶ方法も視野に入れましょう。
スクールに通う
プログラミングやグラフィックデザイン、CGなどのスキルを効率的に身につけたい方は、希望する分野に特化したスクールに通う方法も選択肢の一つです。
スクールによっては、卒業後の就職活動をサポートしているところもあるため「学習後に、デジタルクリエイターの仕事に就けるか不安」という方も安心して通えます。
まずは、自宅から通える範囲にデジタルクリエイター関連のスクールがあるかどうか調べて、見つかったら、資料を請求したり、説明会に参加したりしてみましょう。
通信講座(オンライン講座)を受ける
デジタルクリエイターのスキルは、通信講座でも身につけられます。
例えば「動画クリエイターコース」や「Web制作コース」「Webグラフィックコース」などの講座が挙げられます。
また、C言語やJavaなどのプログラミング言語に特化したコースや、未経験からアプリ開発に挑戦するコースなど種類はさまざまです。
通信講座の場合、パソコンとインターネット環境があれば、全国どこからでも学べます。
その一方、選べる講座の種類が多くなるため、料金やコース内容などを比較しつつ、自分と相性の良さそうなところを選ぶことが大切です。
デジタルクリエイターに必要なスキルや資格は?
デジタルクリエイターになりたい方へ、持っていると有利になりやすい資格や必要なスキルについて解説します。
ただし、デジタルクリエイターのなかのどの分野で働きたいのかによっても、求められる資格やスキルは異なることを知っておきましょう。
ウェブデザイン技能検定
ウェブデザイン技能検定は、Web業界で唯一の国家資格です。
Web制作における専門の知識や技能を問われる内容であるため、Webデザイナーを目指している方はもちろん、Web制作業務に関わりたい方は注目しておきたい資格と言えます。
難易度の高い順に1級~3級までがありますが、就職活動や転職活動に資格を活かしてデジタルクリエイターになりたい方は、2級以上を目指しましょう。
アドビ認定プロフェッショナル
アドビ認定プロフェッショナルは、グラフィックデザインや動画編集、Webデザインなどができる「Adobe Creative Cloud」を活用するスキルを評価する資格です。
デジタルクリエイターがよく活用しているIllustratorやPhotoshopなどのAdobeの主力商品に基づいた試験なので、取得する価値は十分にあると言えるでしょう。
なお、試験には種類があり、各ツール別に内容は異なっています。
色彩検定
色彩検定は、色についての知識や技能レベルを証明するものです。
文部科学省が後援していて、知名度も高いため、名称を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
一方、「ファッション業界やインテリア業界を目指す方が受ける」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし色彩検定は、作品制作時にさまざまな色を活用するWebデザイナーやグラフィックデザイナーなどのデジタルクリエイターにとっても身近な検定です。
とくに受験資格もないため、まずは初心者向けの色彩検定3級に挑戦してみましょう。
グラフィックソフトを扱えるスキル
デジタルクリエイターは、さまざまなツールを活用して作品を作り上げます。
例えば、以下のツールが挙げられます。
- Illustrator(テキスト&画像を組み合わせたレイアウト・デザイン・イラストを作成できる)
- Photoshop(写真や画像の編集ができる)
- Cinema4D(3DのCG制作ができる)
- CLIP STUDIO PAINT(イラストやマンガを制作できる)
- Sketch3(UIデザイン作成ができる)など
実務経験はなくても、このようなツールを使ったことがあれば、デジタルクリエイター職に就くための就職活動時にアピールできるでしょう。
中には「体験版」が設定されているものもあります。気になるツールがあれば、まずは試しに使ってみるのもよいでしょう。
デジタルクリエイターについてまとめ
ITを駆使して活躍するデジタルクリエイターは、映像やWebサイトなどのデジタルコンテンツ作りにおいて欠かせない存在です。
実際には、映像編集やCGクリエイターなど、おこなう業務によってさらに職種が細分化されています。そのため、デジタルクリエイターに興味のある方は、まず「自分はどの分野に携わりたいのか」を明確にすることをおすすめします。
その後、必要な知識やスキルを理解したうえで、独学したり、スクールに通ったりして、デジタルクリエイターになるための一歩を踏み出しましょう。