最終更新日:2023.05.24
公開日:2021.05.24
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マインクラフトでプログラミング学習はできる?学べる言語やおすすめの理由も
「マインクラフト」略して「マイクラ」は、世界中で人気のゲームソフトです。子どもだけでなく大人も楽しめるゲームなので、YouTubeなどで目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
このマインクラフトが今、子どものプログラミング学習にも適していると注目を集めています。
そこで今回は人気のソフト、マインクラフトを子どものプログラミング学習におすすめする理由や、マインクラフトで育むことができる力などについて解説します。
子ども向けのプログラミングに興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
マインクラフトでプログラミング学習はできる?
出典:マインクラフト
世界中で人気のゲーム「マインクラフト」。子どもが熱中しているという保護者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、そのマインクラフトを使ってプログラミング学習をしていく方法を紹介していきます。
マインクラフトで遊んでいると、目的のためにブロックを組み合わせていくという操作を繰り返すことがあります。この操作がプログラミングと共通する部分が多く、マインクラフトでプログラミング学習ができるといわれています。
実際に学校などの教育の現場でも「教育版マインクラフト」を使用したプログラミング学習がおこなわれています。
プログラミング学習とはキーボードでプログラミング言語を入力していくことではなく、プログラミングに必要な考え方を学んでいくという意味も含んだ言葉として使用しています。
そもそもマインクラフトとは?
出典:マインクラフト
マインクラフトとは、Microsoft社が運営するデジタル版のブロックゲームです。
マインクラフトの世界では木や石、生き物などすべてのものがブロックでできています。
そのブロックを使って家やお城などさまざまな建築物を作ったり、モンスター討伐の冒険をしたり、ダイヤモンドの採掘をしたりと、プレイヤー自身が遊び方を自由に決めることができます。
マインクラフトはパソコンやスマホアプリ、家庭用ゲーム機など多くの電子機器で遊べ、子どもから大人まで幅広い年齢の人に人気があります。
マインクラフトは一人で遊ぶだけでなく、「マルチプレイ」といってインターネットを通じて、友達とも協力して巨大な建築物を作ったり、恐ろしいモンスターを倒すといった楽しみ方ができることも人気の理由となっています。
マインクラフトはブロックの置き方によって建築物だけでなく、自動ドアやジェットコースターなどさまざまな装置をつくることができます。
こういった建築物や装置をつくるには、まず完成系をイメージしそこから逆算して材料集めやブロックの組み合わせを工夫していくという段取りが必要になります。自分のアイデアを試行錯誤しながら形にしていく過程もマインクラフトの醍醐味のひとつといえるでしょう。
マインクラフトでプログラミングの学習方法
出典:マインクラフト
ここではマインクラフトでプログラミング学習をおこなう方法を紹介します。
プログラミングを学ぶ方法としては大きく分けて2つあります。
- マインクラフト自体でプログラミング学習をおこなう
- マインクラフトを題材としたプログラミング学習サイトを利用する
次に、この2つのプログラミング学習について、それぞれのやり方を紹介します。
マインクラフト自体でプログラミング学習をおこなう
マインクラフトで遊びながら、自然とプログラミング学習ができるといわれています。
マインクラフトの世界はブロックでできていて、何か建築物を作りたいと思った時にはそのブロックを組み合わせて作っていくことになります。
例えば自分の家を作りたいと思ったときに、
- 完成系をイメージする
- そのために必要な材料を集める
- 実際に組み合わせていく
という手順を踏んでいく必要があります。
また、次にもっと大きな家を作りたいと思ったときや、複雑な装置を作ろうと思ったときは、先ほどより効率よくブロックを組み合わせていくことも重要になります。
このように、目的を達成するために筋道を立てて論理的に考えていく力が、プログラミングの考え方と共通しているため、子どもは楽しみながら自然とプログラミング学習ができるとされています。
マインクラフトを題材としたプログラミング学習サイトを利用する
もう一つはマインクラフトのキャラクターや世界観を題材とした、プログラミング学習サイトを利用する方法です。
マインクラフトは世界中で人気があり、YouTubeの動画も多く配信されていることから、キャラクターや世界観に馴染みがある子どもも多くいます。
大人でも、マインクラフトはプレイしたことがなくても、ゲーム画面や四角いキャラクターは見たことがある、という方も多いのではないでしょうか。
そのキャラクターたちを題材とすることで、プログラミングという難しいイメージがある学習も親しみを持って学んでいくことができるというメリットがあります。
その一つとして、Hour of Code(アワーオブコード)を紹介します。
Hour of Code(アワーオブコード)
アワーオブコードとは、一つの講座を1時間で学ぶことができるというのが特徴の子ども向けのプログラミング学習サイトです。さまざまなゲームやアニメが題材になっており、その中にマインクラフトもあります。
マインクラフトのキャラクターをプログラミングで操作して、目的の場所に導くといった課題を通してプログラミングを学んでいきます。
プログラミング自体は指示の書かれたブロックを組み合わせることでおこなえるため、キーボード操作や英語に慣れていない子どもにも向いているといえます。
ブラウザ上で無料で利用できるため、インターネットの環境があれば試してみるといいでしょう。
マインクラフトで無料でプログラミングが学べる?
マインクラフトのプログラミング学習で身につく力
マインクラフトを利用したプログラミング学習は、論理的思考力や発想力、創造力が育ちます。
また、問題解決能力やチャレンジ精神、達成感などの力が身につくのもメリットです。以下で詳しく解説します。
論理的思考力
論理的思考力とは、1つのことを分解し順序立てて整理する考え方です。
マインクラフトでは、この論理的思考力を養うことができます。
なぜなら、マインクラフトで何らかの装置をつくるためには、どのアイテムをどの位置にどのように配置するか、順序立てて考える必要があるからです。
たとえば、自動ドアをつくりたいと思った場合、人を感知する→ドアが開く→ドアが閉まるなど、自動ドアに必要な動きを1つずつ分解して考えなくてはなりません。
マインクラフトにおける、このような考え方こそが論理的思考力をはぐくみます。
発想力や創造力
マインクラフトには「レバー」や「ボタン」などの入力装置と、「ディスペンサー(発射装置)」や「粘着ピストン」などの出力装置があります。
これらを動力となる「レッドストーン」につなげることによって、エレベーターやジェットコースターなどさまざまな装置の作成が可能です。
サバイバルモードでは、つくった装置をワールド内に配置することでゲームをスムーズに進めることができます。
どのような装置をつくれば狙い通りの結果になるのかを考える必要があるため、子どもの豊かな発想力や創造力が育ちます。
これはマインクラフトの自由度の高さゆえのメリットといえるでしょう。
問題解決能力
先述した通り、マインクラフトではアイテムを正しく置くことでさまざまな装置をつくることができます。
しかし他のプログラミングと同じように、間違った配置ではうまく作動しません。
そのため、子どもはどのアイテムをどう配置したらうまく動くのか、トライ&エラーを繰り返して作業を行います。
考える力や問題を解決する力は、このような試行錯誤を重ねる過程で身につくのです。
チャレンジ精神や達成感
自分の思い描いた世界や既存の建物などを、ブロックで自由につくれるのもマインクラフトの魅力です。
なかには、歴史的建造物や観光名所などの大作をYouTubeやSNSなどにアップしている人も少なくありません。
そのような作品に刺激を受けて、「自分もつくりたい」とチャレンジする子どもも増えています。
また、自分でつくった建築物や装置が完成したときには「頑張ればできる!」という達成感を得られるメリットもあります。
マインクラフトのプログラミング学習がおすすめな理由
マインクラフトが子どものプログラミング学習に適しているといわれる理由は以下の通りです。1つずつ詳しく解説します。
プログラミングの基本的な考え方を学べる
プログラムは、主に「順次」と「繰り返し」、「条件分岐」の3つで構成されています。
1つ目の順次は、プログラミングで最も多く使われる、物事を順番に実行する基本の処理方法です。
2つ目の繰り返しは指定された動きを繰り返すようにする処理方法、3つ目の条件分岐は設定した条件で行動を変更する処理方法です。
マインクラフトなら、これらのプログラミングの基本的な考え方を学ぶことができます。
楽しみながら学ぶことができる
マインクラフトは、ブロックでさまざまな装置をつくりながら冒険をすることができるゲームです。
ワールド内には愛らしいうさぎや豚、羊なども存在するため、ゲームで遊びながらプログラミングを学ぶことができます。
関連書籍が出版されていたり、いろいろな動画がアップされていたりするため子どもが真似しやすいのもポイントです。
遊びの延長でプログラミングを学べるため、飽きずに続けやすいメリットもあります。
親子で一緒に楽しめる
マインクラフトは、子どもだけでなく大人にも人気のソフトです。
そのため、親子でプログラミングに触れることができるメリットがあります。
一緒にゲームをプレイすることによって、わが子がどのような考え方をもっているのか、どのくらいプログラミングを習得しているのかを把握できます。
また、親子の共通の話題になるため、会話も増え親子関係も良好になるでしょう。
保護者が子どもと一緒に楽しみながらサポートすることで、飽きっぽい子どもも継続しやすくなります。
自由度が高い
マインクラフトが人気である理由のひとつに、自由度の高さが挙げられます。
直感的に理解でき、難しいルールは一切ありません。
初めてマインクラフトをプレイする子どもでも、触っていくうちに使い方を覚えられるシンプルな操作性も魅力の1つです。
「こうしたらどうなるだろう?」「とりあえずやってみよう」と、子ども自身が考えながら自分の好きなように遊ぶことができます。
スマホやタブレットなどさまざまな端末で利用できる
プログラミングというとパソコンで行うイメージをもつ人もいるのではないでしょうか。
マインクラフトはパソコンだけでなく、タブレットやスマートフォン、家庭用ゲーム機など、さまざまな端末でプレイできます。
マウス操作が苦手な子どもは家庭用ゲーム機やタブレットで、ゲーム機がないご家庭ならパソコンで、など遊び方を選択できるのも嬉しいポイントです。
学習環境が整っている
マインクラフトは大人気ゲームなので、関連書籍も数多く販売されています。
マインクラフトの基礎を学ぶことができる本から、おもしろ装置のつくり方を集めた本、マインクラフトでプログラミング的思考を身につける本までいろいろあるため、子どもの興味に合わせた本を購入し学習できます。また、YouTubeなどで他ユーザーの作品を見る機会も多いため、動画でつくり方を学ぶことができるのもポイントです。
さらに、マインクラフトを教材として利用している子ども向けのプログラミング教室も珍しくありません。
このようにマインクラフトは学習環境が整っているため、プログラミングに興味をもったらすぐにはじめることができます。
マインクラフトで学べるプログラミング言語は?
マインクラフトはアイテムを利用した簡易的なプログラミング以外にも、エンジニアが使用するような「Java(ジャバ)」をはじめ、「Python(パイソン)」や「Ruby(ルビー)」、「Lua(ルア)」などのプログラミング言語も学べます。以下で、それぞれの言語について詳しく解説します。
Java(ジャバ)
Javaとは、応用力がある言語として世界中で使われるプログラミング言語です。
2019年の「TIOBE INDEX」によって、200種類以上ある言語の中でシェア1位を獲得していることがわかっています。そのことからも人気の高さがうかがえます。
Javaは、OSに依存しないのでどのような環境でもプログラムが組めたり、ほかの言語に比べて処理速度が早かったりする特長があります。
業務をモデル化するオブジェクト指向で、マインクラフトの主言語にも使われている言語です。
Python(パイソン)
Pythonとは、ソフトウェアやWebサイト、人工知能の開発のほか、データ解析など幅広い分野で使われているプログラミング言語です。
膨大な情報をスピーディーに処理できる特長があります。日本だけでなく世界中に人気の言語なので、Pythonを必修にしている大学も珍しくありません。
シンプルでわかりやすく、子どものためのプログラミング教育にも使用されています。
1991年にリリースされた比較的古い言語ですが、人気が衰えないプログラミング言語です。
Ruby(ルビー)
Rubyとは、日本人が1995年にリリースした人気のプログラミング言語です。
「すべてがオブジェクト」との思考のもと開発されたRubyでは、プログラミングを1つ1つのブロックのつながりだと考えています。
そのためRubyには自由度の高さに加え、プログラムが組みやすく修正しやすい特長があります。
現在では、Webやスマートフォンアプリの開発などに広く使われている言語です。
Lua(ルア)
Luaとは、1993年にリリースされた処理速度に定評のあるプログラミング言語です。主に、ゲーム業界で利用されています。
Luaは単独での活用より、C言語に組み込んで使うことを想定して開発されたプログラミング言語です。ゲームエンジンとの相性もよいため、ゲームづくりをする人に人気があります。
マインクラフトが好きな子どもにはScratch(スクラッチ)もおすすめ!
マインクラフトと同じくらい子どもに人気があるプログラミング学習ツールに「Scratch(スクラッチ)」があります。
Scratchは、「MIT(マサチューセッツ工科大学)メディア・ラボ」で8歳から16歳くらいまでの子どものためにつくられたプログラミングツールです。
難しいコードを覚えたり、キーボードでコードを打つような作業したりする必要がないため、マインクラフトと同じように直感的に操作することができます。
またScratchは、マインクラフト同様パソコンだけでなくスマホやタブレットなど、さまざまな端末で利用できるツールです。無料で利用できるためプログラミング学習に導入しやすく、ブラウザで操作できるのもメリットといえるでしょう。
Scratchを教材に用いるプログラミング教室や関連書籍も多く、学習環境が整っている点もマインクラフトと重なるポイントです。
つまりマインクラフトとScratchは、どちらも子どものプログラミング学習の導入におすすめのツールといえます。
LITALICOワンダーのプログラミング教室でScratchが学べる!
LITALICOワンダーはScrachを教材として使用しているプログラミング教室です。
プログラミングに精通したスタッフが指導するので、パソコンやプログラミングの経験のない子どもにもScrachを使って楽しみながら簡単なゲーム制作を通してプログラミングを学んでいくことができます。
LITALICOワンダーの教室は東京・神奈川・千葉・埼玉にあるほか、オンラインで全国どこからでも授業を受けることも可能です。
マインクラフトのプログラミングについてまとめ
マインクラフトやScratchは、子ども向けのプログラミング学習にぴったりのツールです。
これらのツールを利用すれば、プログラミングに興味をもちはじめた子どもが遊びの延長でプログラミングを学ぶことができます。
プログラミングは論理的思考力や想像力、問題解決能力など子どものさまざまな力をはぐくみ、無限大の可能性を広げます。
まずは、遊びの延長でプログラミングが習得できる、マインクラフトやScratchからはじめてみてはいかがでしょうか。
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監修 LITALICOワンダー編集部(りたりこわんだー へんしゅうぶ)
監修
LITALICOワンダー編集部(りたりこわんだー へんしゅうぶ)LITALICOワンダー編集部では、ITやものづくり、子どもの教育などに関するさまざまな記事を発信します。LITALICOワンダーは、新年長さん〜高校生のお子さんを対象にしたIT×ものづくり教室です。