その好奇心で未来のゲームを
池田博雅(いけだ ひろまさ)さん
ゲーム&アプリプログラミングコース・
LITALICOワンダー 川崎
小学生の頃からのゲーム好きもあって、ゲーム作りに没頭。Javaなど、独学でさまざまなプログラミング言語を学び始める。
絵を描くことも好き。LITALICOワンダーには週一回通っている。
漬け物好き。最近はアクション系のゲームにハマっている。
プログラムに没頭LITALICOワンダーとの出会い
「なんでそんなにみんなに優しくできるの?」彼は答えずただはにかんだ。シャイで柔和、細身で長身。池田博雅君、高校3年生。小学生の頃から夢中だったのはゲーム。友達と会えば毎日のように遊んでいた。ゲームのキャラクターを描くことも好きだった池田君の興味は、いつしか「自分でゲームを作る」ことにシフトし始める。
中学校ではパソコン部に入部。自分で作ることができるエディット系のゲームで、オリジナルのRPGゲームを作ったことをきっかけに、ものづくりの面白さに魅了された。内部の構造に興味が湧き、自らJava(プログラミング言語)の本を買っては読みあさり、見よう見まねでキーボードを叩いてみた。ただ、同時に一人で吸収できることへの限界も感じていた。
進学先の高校にパソコン部がなかったこともあり、プログラムが勉強できる場所を探していた矢先、母親に紹介されたのがLITALICOワンダーだった。池田君は体験入学での印象を「いろんな年齢の子がワイワイして、自由で楽しそうだった」と振り返る。ここから、彼の本格的なゲーム作りがはじまった。
自由な空間でアイデアを形に
池田君のゲーム作りはすべて一人。ブラウザを使って作ることができるツール「enchant.js※(エンチャント・ジェイエス)」で作られた彼のゲームは、プログラムはもちろん、背景のデザインまで、すべてが彼のお手製。学校の授業中にふと浮かぶことが多いというゲームのアイデアを、家に帰ってルーズリーフにスケッチして書き溜めている。
お互いを兄弟のようにあだ名で呼び合う先生と生徒のフランクな関係も、ものづくりには重要な要素。煮詰まったときの技術的な質問も、アイデアの相談もすぐ隣でできる。「LITALICOワンダーに来る前は、難しくてひとりではわからなかったプログラミング言語や開発環境も、もーりー(スタッフのあだ名)達は一緒に考えてくれるから少しずつできるようになりました。」と楽しげに話す。居心地がよく自由な空間で生まれる彼のゲームには、なぜか人を惹きつける華がある。その出来に感動し、ゲームの触りたさに自然と人が集まってくるほど。同じ教室でロボットを作っている小学生の生徒に「なんかいいじゃん」と言われたことが、最近純粋に嬉しかったと照れくさそうに話す。
誰ともフラットに接することのできる、池田君の柔軟なバランス感覚も彼の魅力の一つ。誰もが口を揃えて「優しい」と言う表情も、ゲーム作りでは少し違う。プログラムを書いてそれを検証し、問題が解決して実際にゲームが動いた時が楽しいと話す彼は、ただの真剣さだけでは言い表せない、好奇心に満ちた顔にも見えた。
※ © UEI Corporation / enchant.js Inc. 「enchant.js」は、株式会社UEIの登録商標です。
「ゲームの仕事がしたい」広がる可能性
小学校の卒業文集に「将来はあのゲーム会社に入る」と書いていた池田君。今もその想いは変わらない。むしろ、LITALICOワンダーに出会い、ものづくりを通じて確かなスキルと自信をともなった今となっては、想いがより太く、たくましく増幅しているようにも思えた。「いつか全部自分で担当するゲームが作りたい」と話す彼の夢は、夢では終わらないのかも知れない。
現在は専門学校への入試を目前に控えながらも、その振る舞いはこれまでと変わらずいたって自然体。「自分の可能性が広がって、とりあえずやってみようって思える場所」とLITALICOワンダーを表現する池田君の表情には、表情以上にこれからを見据える静かな力強さがあった。
未来は彼の好奇心だけが知っている。
3か月をかけて完成した天守閣のある「我が家」
全世界で2,000万人以上がプレイしている、立方体のブロックを設置して自分だけの世界を作れるエディット系ゲーム。「自分の家を作りました」と言って見せてくれたのは、そのブロックで作った精巧な城。まるで実写のような約3か月をかけた超大作は、その細部まで丁寧にブロックが積み上げられ、まさに池田君のものづくりの繊細さそのもの。