最終更新日:2023.07.18
公開日:2022.10.18
- 非認知能力
非認知能力とは?鍛える遊びや伸ばし方、習い事を解説します
非認知能力とは、興味や意欲、協調や自信など、人の内面に関する能力のことです。
テストの点数のように、はっきりとした数値では表せないものの、これからの時代を豊かに生きていくために大切な要素として、日本の教育現場でも注目されています。
一方、「そもそも非認知能力ってどういうもの?」「どうやって非認知能力を鍛えればいいの?」など、非認知能力に関する疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は非認知能力の特徴や、鍛える方法について解説していきます。
非認知能力とは?
「非認知能力とはなにか?」を一言でいうと、「人が持っている内面的なスキルのこと」です。
また、学校のテストのように点数をつけることが難しく、能力の度合いを測りにくいという点が非認知能力の特徴の一つです。
まずは、非認知能力についてより深く理解するために「認知能力と非認知能力との違い」「非認知能力の一覧」について、順番に解説していきます。
そもそも認知能力とは?非認知能力との違いは?
認知能力とは、数字で測れる能力のことで、IQ(知能指数)などが当てはまります。
IQは、子どもの能力を把握するための参考材料となる指標でもあります。
一方、非認知能力は、認知能力以外のさまざまな能力を指して使われます。
たとえば、「最後までやり抜く力」や「人とコミュニケーションをとる力」などです。
これらの能力は数字では測りにくいものの、豊かな人生を送る上では、重要となる能力と言えるでしょう。
そして、一見、反対の性質を持つように思われる認知能力と非認知能力ですが、実は関係性が深く、「非認知能力が高いと認知能力も高まる」という報告があります。
たとえば、学習に意欲的に取り組む能力(非認知能力)が高い人は、学力(認知能力)が高い傾向にある、というパターンは想像がしやすいかもしれません。
この他にも、非認知能力が認知能力に影響を与えている例は複数あると言われています。
非認知能力の一覧
非認知能力の中心となる力としては、下記の3つが挙げられます。
- 忍耐力(最後までやり遂げようとする力)
- 社会性(人とうまくコミュニケーションをとる力)
- 感情コントロール(自分の感情をコントロールする力)
また、他にも、さまざまな非認知能力が挙げられており、大きく「自分自身に関係するもの」と、「社会性に関するもの」の2つに分かれます。
非認知能力の種類をいくつかピックアップしてご紹介します。
- クリエイティビティ(0から1を生み出す力・工夫する力)
- 対応力(失敗から学びを得る力・応用する力)
- 意欲(やる気・モチベーション)
- 自己認識(自分を信じる力・自己肯定感)
- メタ認知(客観的思考力)
- 社会的能力(人と協力する力・リーダーシップ) など
非認知能力は数値化しにくい能力を幅広く差して使われる言葉であり、その種類にも明確な定義分類はありません。
非認知能力の種類を挙げると160個以上もある、という研究者もいるほどです。
非認知能力が高い人の特徴は?
非認知能力が高い人に見られる特徴の例をご紹介します。
- 自己肯定感が高い
- コミュニケーション能力が高い
- 積極的に物事に取り組める
ただし、「非認知能力のどの部分の能力が高いか」や「本人の個性」によっても見られる特徴は異なります。そのため、あくまで一例としてご覧ください。
自己肯定感が高い
「ありのままの自分を肯定し受け入れる」という自己肯定感は、非認知能力の土台にもなる感覚です。
自己肯定感の高い人は「たとえ難しい状況に直面したとしても、諦めずにチャレンジする」など、自分や他者を信じて物事をやり遂げる力を持っていることがあります。
コミュニケーション能力が高い
非認知能力のうちのコミュニケーション能力が高いと、相手の気持ちを考えながら自分の意見を伝えたり、人との情報交換をスムーズにおこなったりすることができます。
仮に、一人で解決できないことがあったときも「他の人と話し合ってみよう」「得意な人に協力を依頼してみよう」などの行動がとりやすく、より目標を達成しやすくなるでしょう。
また、コミュニケーション能力が高い人は、さまざまな立場の人との関わりを通して、多様な価値観を学べることから、精神的にも成長しやすいと考えられます。
積極的に物事に取り組める
非認知能力の「意欲」の部分が鍛えられている人には「物事に積極的に取り組める」という特徴が見られます。
また、うまくいかないことがあったときに、自分から解決策を探して、試行錯誤できるため、「やり遂げる力」が備わっていることもあるでしょう。
これは、子どもの視野を広げたり、能力を開花させたりするためにも重要な非認知能力です。
非認知能力を鍛える遊びは?
非認知能力は、遊びながら育むことができると言われています。
この項目では、非認知能力を鍛える遊びの一例として、空き箱や落ち葉などを使った「工作遊び」と、役を演じる「ごっこ遊び」をご紹介します。
非認知能力を鍛える遊び①工作遊び
トイレットペーパーの芯やティッシュペーパーの空き箱、ペットボトルなどを使って作品を作り上げる「工作遊び」を楽しむことで、非認知能力のうちの、アイデアを生み出す力や創造力(0から1を作り上げる力)、工夫する力などが身につきます。
また、友達や家族と一緒にひとつの作品作りにチャレンジする機会は、コミュニケーション能力を育むことにもつながるでしょう。
子どもの非認知能力を伸ばすために意識したいポイントは「安全な環境のなかで、子どもがのびのび創作するのを見守ること」です。
仮に、子どもが作ろうとしているものが親の想像と違っていても、やり方を押し付けず、「子どもが自分で考えて作り上げる力」を発揮できるように、完成まで見届けるようにしましょう。
非認知能力を鍛える遊び②ごっこ遊び
おままごとや、お店屋さん・先生・キャラクターなどを演じる「ごっこ遊び」にも、非認知能力を育む要素がたくさん詰まっています。
たとえば、友達と役を振り分けるときには、交渉力(話し合う力)や柔軟性(折り合いをつける力)が必要です。
また、役になりきることを通して、表現力や想像力、日頃からの観察力が身につくでしょう。
さらに、ごっこ遊びは、誰かと一緒に楽しむことが多いため、人との関わり方を学ぶ機会にもなり得ると考えられます。
非認知能力の測り方はある?
今のところ、非認知能力を正確に測る方法はありません。
とはいえ、非認知能力を測ろうとする試みは、教育機関などでも実施されてきました。
たとえば、非認知能力は「人の内面に関する能力である」ということから、パーソナリティ測定という方法が用いられることがあります。
また、学校教育においては、教員が主観的に生徒のパーソナリティを評価して、指導をおこなうこともありました。
しかし、非認知能力は定義が曖昧であるために、生徒本人の回答や、教員による評価だけでは、主観に頼りすぎてしまい、客観的なデータを取るのが難しく、正しい評価ができないという指摘もあります。
そのため、非認知能力を測るには、主観的な評価と合わせて、客観的な評価も活用していく必要があると言えるでしょう。
非認知能力を伸ばす習い事は?
非認知能力は、さまざまな習い事のなかでも伸ばすことができます。
たとえば、複数人が同じ教室で学ぶ習い事であれば、集団を通して、コミュニケーション能力やリーダーシップ性、人と協力する力などの非認知能力が養われるでしょう。
他にも、自制心(自分の心をコントロールする力)や、忍耐力(逆境や困難に耐える力)、目標を設定する力などの向上に期待できます。
ほかにも、絵画教室やロボット・プログラミング教室などのクリエイティブな習い事だと、創造力(0から1を生み出す力)や、工夫する力、表現力などが身につきます。
このように、非認知能力を育てる習い事は多々ありますが、大切なのは、子どもが進んで「やってみたい」と思えるかどうかです。
そのため、まずは体験教室や見学などの制度を利用して、子どもの反応を見てみましょう。
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