最終更新日:2021.04.19
公開日:2020.07.03
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小学生のプログラミング教育は保護者の協力が不可欠!自宅学習で覚えておきたい5つのポイント
小学校でのプログラミング教育が2020年度より必修化されました。仕事や生活でパソコンに触れる機会は多くても「プログラミングは触れたことがない…」という保護者さまが多いのではないでしょうか。
今回は、プログラミングに詳しくない人でも、上手に子どものプログラミング学習のサポートができる方法を紹介します。子どもと一緒にプログラミングの楽しさや奥深さを体感してみましょう。
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小学校におけるプログラミング教育とは
はじめに、プログラミング教育でそもそも何を学習するのかをおさらいしておきましょう。
誤解されがちなことですが、小学校におけるプログラミング教育は、プログラミング言語の習得そのものが主たる目的ではありません。
第1の狙いは「プログラミング的思考」を育成することです。
「プログラミング的思考」とは、「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つひとつの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」とされています。
簡単にいえば、パソコンや機械を使って「何をどうすると実現したいことが形になるか」を論理的に考える力のことです。
小学校でのプログラミング教育は算数や理科、社会などの授業や総合的な学習の中に取り入れられています。
プログラミング教育の授業例
一例として、文部科学省などが運営する小学校を中心としたプログラミング教育ポータルにある「私たちの生活を豊かにする未来の宅配便」という事例をみてみましょう。
この授業の中では、「embot」(エムボット)というプログラミング教育用ロボットを宅配車に見立て、住民の要望に沿うように宅配するためには、どのような方法で走らせればいいかを考えています。
はじめに「住民の要望に沿うように宅配する」という目的があり、次に「目的のために、どのようにロボット(宅配車)を動かせばいいのか」「ロボットを適切に動かすにはどうプログラムを組めばいいのか」を考える、ということです。
これらの問いに、明確な正解があるわけではありません。知識を身につけることを重視するこれまでの教育とはまったく違うものであることがお分かりいただけると思います。
正解がない未知の問いに対して試行錯誤する力を育むことが、プログラミング教育の目的とも言えるでしょう。
保護者も子どものサポートができるの?
とはいえ、これまで「知識を得たり、身につけた知識を正確に再現したりすることを重視する教育」を受けてきた大人世代としては、自宅で子どものプログラミング学習をサポートする方法に迷ってしまうことでしょう。
そこで、次に自宅で子どもとプログラミング学習を行うときの関わり方について紹介します。
一緒にプログラミング!保護者が子どもの学習に関わる際の5つのポイント
未就学児から小学生~高校生の子どもにプログラミング指導を行ってきた、LITALICOワンダー(リタリコワンダー)が実践している「プログラミング学習を進める5つのポイント」を紹介します。
【1】はじめは「どんなものが好き?」「何がつくりたい?」をきっかけに
プログラミングの題材には、簡単なものから難しいものまでさまざまありますが、まずは興味を惹かれるものや、つくりたいものからはじめてみましょう。
子どもが「面白そうなツールを使ってみたい」「好きなキャラクターを動かしてみたい」など、楽しんで取り組むことができるのであればきっかけは何でも大丈夫です。
ただし、お子さんのレベルからかけ離れたことを言い出すケースもあります。その場合は、子どもの意向に沿いながらゴールの難易度を下げる声掛けをしましょう。
【2】うまくいっていないように見えても、ちょっと待って!
「どうプログラムを組めばいいのか分からない」「思うような動きを実現できない」など、はじめてのことに挑戦する中では、うまくいかないことがあって当たり前です。
つい答えを教えたくなってしまいがちですが、子どもの様子を見て少しだけ待つか、答えに近づくことのできるヒントのみを伝えてあげてください。
たとえヒントを貰ったとしても、うまくいかない場面で「自分で手を動かして試行錯誤すること」そして「最終的に自分でゴールに辿り着くこと」が、子どものプログラミング学習の成長や達成感に繋がるのです。
【3】子どもに教える<子ども自身が見つける
ロボットに取りつけられた光センサーや音声装置など、仕組みや使い方を教えたくなることもあるでしょう。
しかし、大人が子どもにプログラミングやセンサーなどの機能を教えるよりも、子ども自身が自ら触れたり動かしたりすることで、その意味を自分自身で発見・理解する体験が大切です。
自分で発見し理解する体験を重ねることで、新しいことに臆することなく、楽しみながら取り組む力を育むことができます。
【4】投げ出しそうになったら、一旦立ち止まって一緒に考える
子どもがプログラミングをする過程で躓き、めげそうになったときは一旦立ち止まり「どんなことを実現したかったか」を子どもと一緒に考えて対応方法を見つけましょう。
誰かと協働しながら問題に取り組む力や「今、何に困っているか」を言葉や絵など、さまざまな手段で伝える力は、プログラミング以外の場面でもとても役立つことでしょう。
また、自分がどうしたいかを改めて誰かに伝えることで、子ども自身も考えが整理できたり解決策が見えてきたりすることもあります。
【5】失敗はあって当たり前
プログラミングの過程では、アイデアや手法を自分で考え出し、形にするための試行錯誤を繰り返します。そのため「たくさん失敗した」ということは「たくさん試行錯誤した」ということでもあるのです。
分からないことやできないことへの対処方法を自分なりに探す経験が、自分で答えをつくり出す力となります。たとえ失敗しても、子どもの頑張りや取り組みの過程を褒めて、また挑戦しようという気持ちが持てるような関わりを心がけましょう。
自宅でのプログラミング教育におすすめのツールは?
関わり方次第で子どもがプログラミング学習をする際のサポートができることが分かりましたが、実際に自宅で学ぶ場合、何を使って学習するといいのでしょうか?
子ども自身が興味を示し「これならできそう!」と感じるものから挑戦することが重要です。
そこで、自宅で子どもがプログラミング学習をする際におすすめの「Scratch(スクラッチ)」と「レゴ®WeDo2.0」を紹介します。
「Scratch(スクラッチ)」8歳~の小学生におすすめ
はじめて自宅でプログラミングに触れる子どもには「ビジュアルプログラミング言語」を用いた「Scratch」がおすすめです。
ビジュアルプログラミング言語とは、文字や記号を複雑に組み合わせた文字列をタイピングするのではなく、基本的に視覚的な操作のみでプログラミングを行うことができる言語です。
簡単な操作でありながらシンプルなものから高度なものまで、さまざまな作品づくりに挑戦することができます。
また、解説書も多く出版されているため、ステップアップを目指す子どもが自宅で取り組みやすいことも特徴の1つです。
「レゴ®WeDo2.0」7歳~の小学生におすすめ
ブロック遊びが好きな子どもには「レゴ®WeDo2.0」がおすすめです。
「レゴ®ブロック」が人気な理由の1つに、子どもから大人まで幅広い年齢で楽しさを味わうことができる点があります。創造力を働かせて組み立てるブロック遊びは、大人でも十分楽しむことができるほどの奥深さがあります。
このようなレゴ®にモーターやセンサーといった部品がセットになっているツールが「レゴ®WeDo2.0」です。専用のソフトウェアを使って、自分が組み立てたレゴ®をプログラミングし、動かすことができます。
普段は組み立てて遊ぶだけのレゴ®が、自分の指示(プログラム)で動く経験により、子どもたちはより創造の世界へと熱中していくことでしょう。
オンラインサービスも選択肢のひとつ
子どものプログラミング学習サポート方法やツールは分かったけれど、子どもに有意義で楽しいプログラミング学習を継続的に経験させる自信がないという保護者さんも多いことでしょう。
そもそも、プログラミング学習が一般的でなかった時代に小学生だった人が、自力で子どもに学習させることは難しくて当たり前なのです。しかし、今はプログラミング学習を小学生が行うことがスタンダードになりつつあります。そのため、保護者がサポートせずとも自宅で子どもがプログラミング学習に取り組むことができる「オンライン受講型のプログラミング教室」を利用する方法がおすすめです。
保護者も慣れない中で自宅学習するよりも、効率よくプログラミング学習に取り組むことができるでしょう。
オンラインでのプログラミング学習方法3選
小学生が利用できるオンラインプログラミング学習は、大きく分けて下記の3種類が存在します。
①予めマニュアルや教材が揃っていて、決められた通りに自分で学習を進めていく
②いくつかの項目に対して動画が用意されており、その動画を見て学ぶ
③ビデオ通話を使用し、リアルタイムでプログラミングを教えてもらう
子どもの躓きにすぐ対応できることや、子どもは決まりきったことが苦手な場合が多いため、おすすめの学習方法は③です。
オンライン授業の特徴
オンライン授業では、自宅で環境さえ整えれば最も本人が集中できる環境で授業に取り組むことができ、人が集まるために騒がしくなりがちな教室での授業と比べて、子どもが集中しやすいというメリットがあります。
また、オンライン授業ではパソコンとインターネット環境が必須な場合がほとんどなため、これを機にパソコン操作やさまざまなツールに子どもが主体となって触れることで、パソコンに苦手意識を持ちづらくなることでしょう。
特に、子どものインターネット利用における主流ツールがスマートフォンになっている昨今において、子どものうちからパソコン操作を身につけておくことは必ず社会に出た際に役立つでしょう。
プログラミング教室によって教材や学習方法など特徴がさまざまなため、子どもが学びやすい環境を用意することができる教室を事前に調べ、体験授業などに参加してみましょう。
LITALICOワンダー(リタリコワンダー)では、教室だけでなく、自宅からのオンライン受講でもプログラミングを学ぶことができます。「Scratch」を使った「ゲーム&アプリプログラミングコース」、「レゴ®WeDo2.0」を使った「ロボットクリエイトコース」などが自宅にいながら受講可能です。
LITALICOワンダーでは、無料で授業を体験することができます。スマホやパソコンから気軽に体験申し込みができるため、まずは実際に授業を体験してみてはいかがでしょうか。
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監修LITALICOワンダー サービス開発グループ 和田 沙央里(わだ さおり)
監修
LITALICOワンダー サービス開発グループ 和田 沙央里(わだ さおり)2014年3月株式会社LITALICOに入社。5歳〜高校生の子どもたちが通うIT×ものづくり教室「LITALICOワンダー」の立ち上げで渋谷教室の開設当初から約3年間、300名以上の通塾生徒にプログラミングの指導を続けた。2016年度は総務省「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」事業のプロジェクト責任者を務めた。現在はカリキュラム・教材開発に携わる。大学では発達心理学・教育心理学を専攻し、卒業後は都内の大手IT企業で金融系基幹システムの開発に従事、現職に至る。
著 :『使って遊べる!Scratchおもしろプログラミングレシピ』翔泳社
監修:『スラスラ読める UnityふりがなKidsプログラミング ゲームを作りながら楽しく学ぼう! 』インプレス社
監修:『子どもから大人までスラスラ読める JavaScriptふりがなKidsプログラミング ゲームを作りながら楽しく学ぼう! 』インプレス社