最終更新日:2023.07.18
公開日:2022.09.02
- IT
ITとは?IT企業とは?ICTとの違いやIT用語を解説します
今や当たり前になっている「IT」という言葉。何気なく使っているものの、具体的にはどのようなものを指す言葉なのでしょうか。
これからの社会にはかかせないものとして、2020年には小学校でもプログラミング教育を開始しました。
ゲームなどからITに興味を持ち、「将来はIT系の仕事に就きたい」と考える子どもも増えています。
この記事では、ITという言葉が意味するものや、IT業界・IT系の仕事の将来性、また「ICT」などのよく使われるIT用語も紹介しますので、子どもの将来を考える情報収集の役に立ちます。
ITとは?
パソコンやスマートフォン、メール、インターネット、キャッシュレス決済、交通系ICカード、ネット通販など、「普段から使っている」というものはどれくらいあるでしょうか。これらはすべて、ITに含まれます。
ITとは「Information Technology(インフォメーション・テクノロジー)」の略です。日本語では「情報技術」と訳します。
IT(情報技術)とは、コンピューターやインターネットなどを使った技術のことで、今では私たちの生活にかかせない技術・産業です。
IT業界とは?
IT業界は、そんなIT(情報技術)を活用して、さまざまなサービスや仕組みを作っている業界です。防災・医療・交通・エンターテイメントとさまざまな面で活躍を期待されており、実は日本の産業において大きな割合を占めています。
総務省「令和2年 情報通信白書」によると、2018年の国内生産額は99.1兆円で、全体の10%近くを占めています。
日本のGDP成長率に対する寄与率は40%以上と、日本経済の成長の大半を、IT業界が貢献していることがわかります。
今後もさらなる成長が見込まれているIT業界ですが、その急速な発展にともなって、ある問題が出てきています。
IT業界は人材不足?
ITは各分野での活躍を期待され、拡大し、新しい技術がどんどんと生まれています。その結果、「大幅な人材不足になる」と言われていますが、どれほどの不足になるのでしょうか。
経済産業省によると、2030年には最大80万人近くの不足になると言われています。
この不足を回避するためには、子どもや若者にITを身近に感じてもらう必要があります。その方法のひとつがプログラミング教育です。
ITスキルは子どもに必要?
2020年、小学校でのプログラミング教育が必修化されました。その狙いは、家電など身近なコンピューターの成り立ちをより理解し活用できるようになること、創造力や実行力を身に付けることなどがあります。
また、文部科学省は「コンピューターを理解し上手に活用していく力」を「将来どのような職業に就くとしても、極めて重要」としています。
プログラミング教育必修化の狙いやメリットが気になる方は、下記の記事もあわせて読んでみてください。
ITの基礎知識とスキルを持ち、ITを活用することは今後の社会ではより重要なものとなっていきます。それではIT業界で活躍をする場合には、どのような企業・仕事内容があるでしょうか。
IT企業とは?
IT企業と言われたら、どのような会社をイメージするでしょうか。有名なIT企業の一例として「GAFA(ガーファ)」が挙げられます。
GAFAとは、ネット検索の「Google(グーグル)」、iPhoneなどの製品を扱う「Apple(アップル)」、世界最大規模のSNSを運営する「Facebook(フェイスブック)」、ネット通販の「Amazon(アマゾン)」の頭文字から来ています。いずれも慣れ親しんでいる、使ったことがあるという方は多いと思います。
この4社を「世界を創り変えた4社」と評した『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界(東洋経済新報社)』は世界的ベストセラーとなり、「GAFA」は2018年の新語・流行語大賞にもノミネートされました。
この4社はいずれもIT企業です。インターネットツールを作る会社、スマートフォンやタブレットの機械をデザインする会社、SNSやネット通販を運営する会社。この4社をみても、IT企業には様々な分野があることがわかります。
他にも私たちに身近なところでは、動画・音楽配信サービスを運営する会社、家電製品を作る会社、電話やネットの通信を扱う会社もIT企業です。
それでは、そこで働く人たちはどのような仕事をしているのでしょうか。
IT企業の仕事内容の例
厚生労働省が提供する「職業情報提供サイト」では、ITの仕事やIT分野の主な職種に関する情報がまとめて紹介されています。
以下の図を見ると、様々な役割が、細分化されていることがわかります。
私たちが普段当たり前のように使っているサービスのシステムを一つ作るだけでも、多くの人が関わります。
作る前には調査・分析し、どのようなシステムを作るのか話し合い、設計します。
次にスケジュールや人員を調整し、多いときには数千人がかりで開発することもあります。
作る際には目的に合った機能の開発はもちろん、セキュリティやビジュアル、使いやすさにもそれぞれ担当者がいます。作ったあともミスが無いかチェックしたり、監視や運用、修理するなど、さまざまな役割が存在します。
これらの工程それぞれに、専門性を持った「エンジニア」と呼ばれる人たちがいます。
代表的なのは「システムエンジニア」「プログラマ」と呼ばれる実際にシステムを作る人たちです。どのような作り方をすべきか考えたり、実際にコンピューターに命令式を打ち込む業務を担います。
ITエンジニアの年収は?
子どもの将来を見据えたとき、IT業界の仕事の収入も気になるところです。
独立行政法人 情報処理推進機構「IT人材白書2020」によれば、先端の技術を用いたITの仕事をしている人の年収は、「1,000~1,499万円」が最も多いことがわかりました。
また、先端ではないITの仕事をしている人の65.8%も「年収は400万円以上」と回答しています。(年収1,000万円以上の人も含む)
厚生労働省によればこの調査と同じ2019年の平均賃金は307万円です。
IT業界の仕事はさまざまなため一概には言えませんが、年収は決して低い水準ではない、むしろ先端の仕事であればあるほど、将来性のある仕事と言えるでしょう。
ITとICTの違いは?
近頃は学校でも「ICT教育」という言葉を聞くことがあるかもしれません。ITと似たICTとは、どのような意味の言葉なのでしょうか。
ICTは「インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー(Information and Communication Technology)」の略で、日本語では「情報通信技術」と訳します。
ITは「インフォメーション・テクノロジー(Information Technology)」なので、コミュニケーションのCが加わった言葉です。ITとICTは、ほぼ同じ意味で、世界的にも大きく区別されていません。
ただ、ICTには「ITを活用する」といったニュアンスが含まれることが多くあります。
「ICT教育」においても文部科学省は学校でタブレットなどを用い、その子どもに合った個別学習や、子ども同士で学び合う協同学習といった、より進歩した教育現場の在り方を掲げています。
よく使われるIT用語は?
学校でプログラミング教育やICT教育が始まり、日常で耳にするIT用語も増えてきました。ここでは、子どもの将来を見据える上で、おさえておきたい5つのIT用語をご紹介します。
プログラミング言語
システムを作る際、コンピューターに命令を出すための言語です。Python(パイソン)、Java(ジャバ)、PHP(ピーエイチピー)など、さまざまな種類があります。
私たちが日本語や英語を使うように、システムにも相性の良い言語があり、開発するシステムによって使い分けます。時代によって新しい言語が出たりトレンドがあるため、プロのエンジニアは学び続けています。
アプリケーション
スマートフォンやパソコン上で特定の目的に応じて使うプログラムです。例えば、スマートフォンやパソコンの多くにはあらかじめタイマーや電卓機能がついていますが、それらもアプリケーションです。「アプリ」と略されることもありますが、その場合は主にスマートフォンアプリを指します。
世の中のほとんどの職種には、その職種専用のアプリケーションがいくつもあります。銀行、飲食店、区役所、営業会社など、多種多様な現場のために専用のアプリケーションが開発されています。
OS(オーエス)
「オペレーション・システム(Operating System)」の略です。iPhoneのOSは「iOS」、AndroidタブレットのOSは「Android」、パソコンで有名なOSは「Windows」です。
その端末のメインシステムで、OSがあることでエンジニアではない人もコンピューターを簡単に操作することができます。
AI(エーアイ)
「artificial intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の略で、「人工知能」と訳します。
人間が行うような知的作業を、機械が模してできるようにしたプログラムのことです。
将棋で名人に勝ったことでも有名ですが、車の自動運転や画像認証などあらゆる分野でも活躍しています。今後さらなる成長を期待され、IT分野の鍵ともいえる存在です。
ビッグデータ
人間では把握できないほど大量、かつさまざまなデータのことです。データとは、画像・音声・動画・文字情報だけではありません。
例えば交通系ICカードを持っている人の利用履歴を追えば、多くの人々がどの時間帯に、どこからどこへ移動し、どのような買い物をしているのかがわかります。あまりにも膨大なデータですが、人間よりも計算やデータ処理が圧倒的に早いAIと合わせることで、新たな知見を生み、産業を発展させると期待されています。
ITのまとめ
ITとは「インフォメーション・テクノロジー」の略で、「情報技術」と訳します。パソコン、スマートフォン、メール、インターネットなどはすべてITです。
IT業界の進歩はめざましく、日本のGDP成長率に対してもIT業界の寄与率は40%以上と、日本経済の成長に大きく貢献していることがわかります。
世界でもGoogle(グーグル)、Apple(アップル)、Facebook(フェイスブック)、Amazon(アマゾン)という4つの大きなIT企業は世界を創り変えたと評されています。
これらIT企業の仕事・分野は多岐にわたり、職種も多種多様です。
このような急速な成長にともない、IT業界では2030年には最大80万人近い人材不足になると言われています。
今後、社会のIT化を発展させていくためにも、人材育成は重要な課題です。「プログラミング教育」や「ICT教育」が学校で始まったことには、このような背景があります。
IT業界で働く・働かないにかかわらず、ほとんどの仕事・生活ではITツールが使われ、ITを扱うスキルが求められます。
生きるためだけのスキルではありません。子どもたちの多くがコンピューターゲームを楽しんでいるように、ITは私たちに考える・工夫する・創造する・コミュニケーションをするといった機会を与えてくれます。
子どものうちからITスキルを身に付けることで、将来の仕事の可能性だけではなく、創造性やコミュニケーションの機会が広がることもあります。
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