最終更新日:2023.03.30
公開日:2022.12.21
- 問題解決能力
問題解決能力とは?高い人の特徴や身につけ方などを解説します
仕事において「問題解決能力」という言葉を聞いたことはないでしょうか?
なんとなく重要だとは思っていても、「問題解決能力ってどういうものだろう」「どうやって身につけたらいいのだろう」と疑問を持つ方もいると思います。
この記事では問題解決能力の説明や、問題解決能力が高い人の特徴、身につけ方などを紹介します。
問題解決能力とは?
問題解決能力とは明確な定義があるわけではありませんが、「問題を見つけ、解決の方法を考え、実際に行動する」ことを意味して使われることが多い言葉です。
仕事をしていて「問題解決能力が大事」と聞くことがあると思いますが、それは問題解決能力が単に問題を解決するだけでなく、解決のためのプロセスも含まれているためといえます。
プロセスが重要なのは、次に同様な問題が起こったときにも、前回のプロセスを踏まえてより早く、効率的に解決することにつながるためです。
問題解決能力の重要性
問題解決能力が重要とされるポイントとして、「筋道を立てて問題を解決できる」ことと「適切な振り返りができる」ことがあります。
そのことを具体例をもとに説明していきます。
筋道を立てて問題を解決できる
例えば仕事で「いつも納期を守れない」という問題があったとします。
その問題に対して「納期の直前は残業時間を増やす」という方法を取れば、一時的に解決するかもしれません。
しかし、仕事を続けていく中で納期のたびに「残業時間を増やす」という方法をとっていては心身ともに疲れてしまったり、仕事のクオリティが下がることが考えられます。
そこで、問題解決能力が大切になります。
問題解決能力が高い場合、「なぜ納期を守れないのか」という原因を分析し、それに対する計画を立て、実行できるようになります。
今回の例でいうと、
- 問題点の分析:仕事の工程一つ一つにかかる時間が把握できておらず、納期前に慌てて取り掛かっている
- 計画:工程一つ一つにかかる時間を計算し、工程ごとに締め切りを設定する
- 実行:工程ごとの締め切りに対して、遅れがないように工程をこなしていく
というように、問題が起こったときに場当たり的に対応するのではなく、筋道を立てて解決に向かって行動することができるようになります。
適切な振り返りができる
問題を解決することももちろん大事ですが、もう一つ重要なのが「適切に振り返りができる」ことです。
たとえ失敗に終わったとしても、プロセスがしっかりしていると「分析が間違っていたのか」「計画は適切だったか」「実行する際の課題は」と適切に振り返ることができます。
そうすることで、次に似た問題が起きたときによりよい対策を打つことにつながります。
このように問題解決能力が高いと、目の前の問題を解決することも、長い目で見て安定して成果を出していくことにもつながっていきます。
問題解決能力が高い人の特徴とは?
ここでは問題解決能力が高い人にはどのような特徴があるか一例を紹介します。
問題解決能力が高い人の特徴の例
- 問題点を見極められる
- 適切な計画を立てられる
- 主体的に行動できる
- 柔軟な対応ができる など
といったことが挙げられます。それぞれを見ていきましょう。
1.問題点を見極められる
問題解決能力が高い人の特徴として、問題点を見つけるのが上手ということが挙げられます。
問題点を見つけるためには、原因の洗い出し、分析、特定といった作業が必要になります。
先ほどの例でいうと、「納期が守れない」原因として、「工程一つ一つの時間がわからない」「納期自体が短すぎる」など洗い出していきます。
そして洗い出した原因を分析し、一番適切と思えるものを特定していきます。
問題解決能力が高い人は、こういった作業を速く正確におこなうことができるという特徴があるといえるでしょう。
2.適切な計画を立てられる
解決のための適切な計画を立てることができるのも、問題解決能力が高い人の特徴の一つといえます。
計画を立てるにはさまざまな背景を考慮して、その時に適切な方法を検討することが必要です。
先程の例でいうと、「自分の能力」「仕事でいくつの工程があるか」などを考慮して、「工程一つ一つにかかる時間を計算し、工程ごとに締め切りを設定する」という計画を立てていきました。
3.主体的に行動できる
問題解決能力が高い人は主体的に行動できるという点も特徴として挙げられます。
問題点を分析し、計画を立てていくには、問題を自分ごととして捉えることが大事になってきます。
先程の例でいうと、「これまで残業でやってきたから、それを続ければいいか」と思って放置しておくと、問題解決能力は育ちづらくなります。
問題を自分ごとと捉えて取り組んできた人は、新たな問題が起こったときも主体的に関わることができる人といえるでしょう。
4.柔軟な対応ができる
問題解決能力が高い人は、柔軟な対応ができるという特徴もあります。
ここまで挙げてきたように問題点を見つけ、計画を立てて動いていくことができるため、問題解決能力が高い人は予期せぬ出来事があっても慌てることなく、その情報に合わせて臨機応変な対応をしていくことができる傾向があるといえます。
問題解決能力の身につけ方とは?
ここでは問題解決能力を身につけるための方法を紹介します。
問題解決能力を身につけていくには、問題解決のプロセスを意識した取り組みを繰り返していくことが大事です。
といっても具体的にどうしていいのかわからない場合もあると思います。
ここでは国立教育政策研究所が発表している「PISA2012 年問題解決能力調査」に、そのプロセスの詳細が載っていますので紹介していきます。
問題解決までのプロセス
まず問題点を見極めるために、なにか問題が起こったときに、すぐに解決方法を探すのではなく、「どうしてその問題が起こったのか」「多くの要因の中で一番影響が大きいものは」などを考えていきます。
また、それを頭のなかだけでなく、数字や表、グラフなど可視化していくことで、客観的に問題点を把握することができます。
次に計画の立て方ですが、まずは「どうなったら解決か」という最終的な目標を明確にします。
大きな目標を決めたあとは、それを小さな目標にわけて一つずつ取り組んでいきます。
複雑な問題でも、すぐに解決可能な小さな目標に分けることで、取り組みやすくすることができます。
最後にそのプロセスの振り返りをします。
最終的な目標と小さな目標に対して、それぞれ「別の方法はなかったか」と批判的な目で評価していきます。
そうすることで、現状に満足せず、今後に向けてよりよい方法を探していくことができます。
こういったプロセスを意識した取り組みを繰り返していくことで、問題解決能力が身についていくとされています。
仕事においても、「会議の準備が間に合わない」「メールの返信に時間がかかる」といった日頃の悩みから、問題解決を試していくといいかもしれません。
すぐに仕事で実践するのが難しい場合は、「家計の見直しをする」「毎年行っている旅行先を変えてみる」といった身近な問題を設定して試していくという方法もあります。
問題解決能力を子どものときからはぐくむ重要性
仕事の例を挙げてきましたが、子どものときから問題解決能力を身につけることもできます。
問題解決能力は子どものころから身につけておくことで、学校の勉強や受験、将来就活や仕事をする中でも役に立ちます。
しかし、先ほど紹介した問題解決のプロセスを、小さな子どもが自ら意識することは難しいでしょう。
そこで、子どもが問題解決能力を身につける方法の一つに「プログラミング教室」に通うことが挙げられます。
プログラミング教室とは、アプリやゲーム制作や、ロボットプログラミングといった取り組みを通してプログラミングを学んでいく習いごとです。
子どもの問題解決能力を高めるメリットとは?
問題解決能力は仕事に活用するイメージがあるかもしれませんが、子どもにとってもメリットがあります。
実際に文部科学省も「問題発見・解決能力」という言葉で、各教科の勉強で身につけた知識などを活用するために重要な能力と位置づけています。
普段の勉強だけでなく、今後受験や就職活動、働いたあとと「困難」や「問題」といえる場面に出くわすことは多くあるでしょう。
そういったときに問題解決能力が身についていると、子ども自身が自主的に考えて、困難を乗り越えていけるというメリットもあります。
問題解決能力についてまとめ
問題解決能力は単に答えを見つけるだけでなく、「問題を見つけ、解決の方法を考え、実際に行動する」というプロセスも含めた能力といわれています。
なにか問題が起こったときに自分で考えながら対応し、振り返りをおこなっていくことが問題解決能力を高めることにつながっていきます。
問題解決能力は大人が仕事で活用するだけでなく、子どものうちに身につけておくことで学校や受験、将来の仕事にも活かしていくことができます。
年齢に関わらず大切になる能力ですので、身近なことから問題解決のプロセスを意識して取り組んでいくといいでしょう。