最終更新日:2022.12.05
公開日:2022.11.30
- 学校
- タブレット
学校のタブレットでできることは?ケースや保険はどうする?トラブルや注意点も解説します
小学校でプログラミング教育が必修化し、パソコンを使用した学習もおこなわれるようになりました。
そのため子どもが学校から「タブレット」を配布されることになった、というご家庭もあると思います。
しかし、「破損や紛失したらどうしたらいいのだろう」「子どもがトラブルに巻き込まれないか」「タブレットを使った宿題や家庭学習に対応できるか」といった疑問や不安がある方もいるのではないでしょうか?
この記事ではタブレットを使った授業の例、加入する保険、トラブルや注意点などについて紹介します。
学校のタブレットによる授業でできること
ここではタブレットを使った授業でできることをお伝えしていきます。
タブレットとは?
タブレット(tablet)とはもともとは石板などを意味する言葉でしたが、現在では「板状のデジタル端末」といった意味で使われています。
タブレットはスマホと同様にインターネットにつないだり、アプリをダウンロードすることでさまざまな機能を使うことができます。
また、画面のサイズはスマホより大きく、縦20~30cm、横10~20cm程度のものが多くなっています。
文部科学省はGIGAスクール構想において「児童生徒1人1台コンピュータの実現」を掲げており、その端末としてタブレットが生徒に貸与されるようになりました。
タブレットを教育で導入するメリットとしては
- パソコンより軽く、持ち運びに便利
- スマホより画面が大きく、読み書きしやすい
- 指で操作ができ、低学年の子どもにも扱いやすい
といったことが挙げられます。
タブレットによる授業でできること
タブレットを使用することで、どのような授業が可能になるか見ていきます。
興味関心を引く教材が使える
タブレットはカラフルな写真やイラスト、それに動画を映すことが可能なため、生徒の興味を引く学習がしやすくなります。
ほかにも、問題に正解したらアニメーションが表示されるなど目や耳で楽しみながら学べるような教材もあります。
一人ひとりにあった学習ができる
タブレットを一人一台持つことで、同じ教室にいても別々の課題に取り組むといったこともしやすくなりました。
また、先生がタブレットを通じて、生徒一人ひとりの学習の進み具合を把握できるため、生徒の学習のスピードに合わせた課題に取り組むといったことが可能になりました。
家庭学習に活用できる
タブレットを家庭に持ち帰って、動画やデジタル教科書などの教材を使用して、宿題や授業の予習復習などがおこなえます。
また、インターネット環境があれば新たな教材をタブレットに追加できるため、入院などで学校に行けない子どもの学習にも活用されています。
多様な表現ができる
タブレットには写真、イラスト、音声、動画など多様な表現を取り入れた資料や作品を作ることもできます。
こういった作品はインターネットを通じて共有することができるため、他の人の作品を見て刺激を受けたり、意見交換や交流をおこなうことも可能です。
共同制作ができる
タブレットを使用することで、個人個人がまとめたものを手軽に共有できるようになります。
例えば調べもの学習の中で、歴史を調べる、写真を撮影する、近所の人に話を聞きに行くといった役割分担をし、インターネットを通じてほかの人とデータを共有し、発表資料にまとめるといったこともやりやすくなります。
他にも、北海道の学校と沖縄の学校の生徒たちが、各自で調べたことを、インターネットでつないでリアルタイムで互いに発表しあう、といった距離に縛られない交流がこれまでより容易にできるようになります。
タブレットのケースは自分で用意する?
タブレットは落としたときの破損などのリスクがあるため、ケースをつけて使用する方が多いです。
学校から貸与されるタブレットには、ほとんどの場合充電器などの付属品がついてきます。
その中にタブレットのケースも付属するかどうかは、学校や自治体によって異なります。
ケースが付属しない場合は家庭で用意する必要がありますが、学校から推奨とされるケースを提示されることもありますので、まずは学校に確認してみるといいでしょう。
ケースが付属する場合でも「より頑丈なものが欲しい」といった場合は、家庭で買い替えることも可能です。
しかし、学校によって何かしら基準が決まっていることもありますので、こちらもまずは学校に確認するようにしましょう。
学校のタブレットは保険に入った方がいい?
学校からタブレットを貸与された際に、子どもが壊したり紛失した場合を考えて保険加入を検討している方もいると思います。
破損や紛失に対して明確なルールが定められているわけではなく、基本的に学校や自治体を通じて保険に加入している場合が多いようです。
学校などで加入している保険によって破損や紛失した場合に家庭で負担するかしないかなどが決まってきます。
例えば、横浜市立のある中学校ではパソコンを破損した場合などは状況によって、
「1.弁済対象となる場合(ご家庭等で負担いただく場合)」と「2.弁済対象とならない場合(ご家庭等の負担とならない場合)」に分かれています。
状況によって適用範囲が異なり、「故意に破損させた場合」や「生徒以外(生徒本人以外の人やペット)が破損させた場合」「改造した場合」などは家庭で負担する必要があるとされています。
それに対して、「盗難された場合」や「学校の授業での破損」は家庭での負担は必要ないとされています。
学校から配布される資料に保険の適用範囲、手続き方法などが記載されていると思います。よく確認したうえで、子どもと一緒に使用上のルールを決めていくようにしましょう。
学校などの保険のほかに、家庭で加入できる保険もあります。
家庭でも加入を検討している場合は以下の要素を考慮して検討するといいでしょう。
- 充電器など周辺機器が対象になっているか
- 学校外での使用による紛失や故障に対応しているか
- タブレット本体の傷や破損だけでなく、内部の電子機器の不具合にも対応しているか
学校のタブレットのトラブルや注意点は?
ここでは破損や紛失の他にも、タブレットを使うことで起こり得るトラブルやその注意点を紹介します。
アカウントの管理
基本的にタブレットとともに生徒ごとに個人アカウントが与えられます。
アカウントには生徒の氏名や住所、それに学習履歴などの情報が保存されているため、パスワードが漏れるなどほかの人がアクセスできるような状態になると、悪用される危険性もあります。
学習と関係ないWebサイトへのアクセス
タブレットでインターネットを使ってさまざまな調べ物をしているときに、学習と関係のないサイトへアクセスするということもありえます。
サイトの中には子どもにとって有害なものがありますし、アカウントの登録、商品の購入など個人情報や金銭が関わるものもあります。
アプリやサイトなどへの課金
タブレットで使用するアプリやサイトの中には、課金ができるものもあります。
金銭感覚が身についていない子どもが、つい課金をしてしまうという可能性もあります。
プライバシーの侵害
タブレットはカメラ機能も付いているため、何気なくクラスメイトや学校の授業の様子を撮影してSNSなどインターネット上に投稿してしまうと、プライバシーの侵害に当たる可能性もあります。
SNSでのトラブル
ほかにもSNSでの書き込みによって、生徒自身やクラスメイトの個人情報が特定されてしまったり、行き違いでトラブルに発展するなど、さまざまな問題が起こりうることが考えられます。
トラブルへの対策
こういったトラブルを未然に防ぐためにも、さまざまな対策が必要です。
学校や自治体によってはタブレット利用時のルールや、タブレット自体の機能制限をしていることもありますが、家庭でも注意をしておくことが大事です。
ルールを決める
トラブルへの対策として、あらかじめパスワードの管理方法やタブレットを使用する時間などのルールを決めておくことが大事です。
学校から配られるタブレット利用の資料の中に、タブレットを使用していい時間(朝7時~夜の9時までなど)が定められている場合がありますので、まずはそのルールをしっかり確認しましょう。
また、その上でご家庭でも「○時になったらタブレットは引き出しにしまう」「タブレットの使用は1日○時間まで」「アカウントとパスワードは人に教えない」などのルールを決めておくといいでしょう。
アクセス制限をつける
アクセスできるサイトやタブレットの機能を制限することができます。
フィルタリングといって、アクセスできるサイトを制限する機能があります。
こちらも貸与されたタブレットにはすでに設定されている可能性がありますので、ご家庭でも確認しておくといいでしょう。
また、課金ができないようにクレジットカードの情報を登録しない、保護者のクレジットカードの番号を子どもに教えないといった方法もあります。
タブレットでのプログラミング学習でおすすめの教材は?
ここではタブレットでプログラミング学習ができる教材を紹介します。
プログラミングというと、キーボードを使って英数字を打つというイメージを持つ方もいると思います。
それは「テキストプログラミング言語」と呼ばれるもので、本格的にプログラミングをおこなう際は必要となるものです。
しかし、子どもがプログラミングの基礎を学ぶには、タッチ操作でブロックを組み合わせることでプログラミングができる「ビジュアルプログラミング言語」から始めていくといいでしょう。
タブレットとの相性もいいため、子どもが遊び感覚でプログラミングに親しむことが可能です。
今回はビジュアルプログラミング言語の中から、プログラミング学習ができるものをいくつか紹介します。
Viscuit(ビスケット)
出典:Viscuit
Viscuit(ビスケット)は合同会社デジタルポケットが運営している、4歳からを対象としたプログラミング教材です。
「メガネ」という機能を使って、タブレットに指で描いた絵を動かしたり、簡単なゲームや紙芝居のようなものを作ることができます。
文字やキーボードは使わずにプログラミングの仕組みを学ぶことができる点が特徴です。
Scratch(スクラッチ)
出典:Scratch
Scratch(スクラッチ)はマサチューセッツ工科大学のメディアラボが運営しているプログラミング教材です。8歳~16歳までを対象としています。
あらかじめ指示の書かれたブロックをタッチ操作で組み合わせることで、「画面の中のキャラクターを動かす」「効果音を鳴らす」「画面を切り替える」などのプログラミングをおこなうことができます。
指示の文字表記は漢字とひらがなを切り替えることができ、小学生低学年の子どもにも扱いやすくなっています。
MakeCode(メイクコード)
出典:MakeCode
MakeCode(メイクコード)はMicrosoft社が運営しているプログラミング学習サイトで、全ての年齢の方が対象となっています。
MakeCodeでも指示の書かれたブロックを組み合わせることで、プログラミングをおこなうことができます。
ここではタブレットで利用できるプログラミング教材を紹介しました。
学校から貸与されているタブレットから利用する場合は、許可されているサイトなのか規約の確認や学校に相談してからはじめるようにしてください。
LITALICOワンダーのプログラミング無料体験をご利用ください
タブレットでプログラミングに興味を持った子どもには、プログラミング教室で学ぶという方法もあります。
LITALICOワンダーのプログラミング教室では、生徒一人ひとりの興味関心やスキルに合わせて、オーダーメイドでカリキュラムを作成しています。
タブレットだけでなく、パソコンを使ってプログラミングを学んでいくことも可能です。
無料の体験も実施していますので、子どもがタブレットで触れたあとに「さらにプログラミングを学びたい」「ゲームやアプリを作ってみたい」という方は、ぜひ一度お問い合わせください。
学校のタブレットのまとめ
学校教育で本格的にパソコンが導入されるようになり、タブレットを貸与された家庭もあるでしょう。
タブレットを使用することで、「動画を使うなど興味を引く教材」「一人ひとりに合った学習」など学習方法も広がりを見せています。
同時に、タブレットを持つことでイラストを描いたり、動画を作ったり、プログラミングに触れたりといった、子どもの可能性を広げることにも活用が期待されています。
タブレットを使うことでできることが増える反面、リスクも増えていくため「課金しない」「個人情報を書き込まない」など家庭でもルールを決めて使っていくことが大事です。