最終更新日:2023.07.18
公開日:2022.12.23
- 空間認識能力
空間認識能力とは?高い人の特徴や鍛える方法、おもちゃなどをご紹介!
空間認識能力とは、三次元空間における物体の状態や関係を、すばやく正確に把握する能力のことを言います。
もしかすると、「空間認識能力が高い子は、運動が得意」「転んだりせず、バランスがうまくとれる」「絵やブロック遊びが上手」など、耳にしたことがあるかもしれません。
学校教育においては、見取り図や空間図形の問題を理解できないまま卒業する子どもが少なからずおり、空間認識能力を鍛える機会や手段の少なさが課題になっています。
この記事では、空間認識能力の言葉の意味や、空間認識能力が高い人の特徴、遊びを通じて子どもの空間認識能力を鍛える方法などを具体的にご紹介します。
空間認識能力とは?
「空間認識能力」とは、小学館のデジタル大辞泉によれば「三次元空間における物体の状態や関係(位置・方向・形状・姿勢・間隔・速度など)を、すばやく正確に把握する能力」とあります。
空間認識能力の高い子どもは、一例として「転びにくい」「頭をぶつけにくい」と言われることがあります。
空間認識能力が注目される理由は?
空間認識能力が注目されるようになった理由の一つに、現代の子どもたちにとっては、空間認識能力をはぐくむ機会や手段が少ないことが挙げられます。
かつて昭和では、遊びは積み木やあやとり、公園の遊具、鬼ごっこなど、子どもたちの遊びは立体的なものばかりでした。
昭和の子どもたちは立体的な遊びを通じて、空間認識能力を培っていました。
しかし近年は、スマートフォンやタブレットを使った動画視聴やゲームなど、平面的な遊びが中心的となり、立体的な遊びをおこなうことが少なくなってきたと言われています。
学校教育においても、見取り図や空間図形の問題を理解できないまま卒業する子どもが少なからずおり、空間認識能力を鍛える機会や手段の少なさが課題になっています。
空間認識能力が高い子どもの特徴は?
身体や道具を使うにあたって大切な空間認識能力ですが、具体的には空間認識能力が高い子どもの特徴はどういったものがあるのでしょうか。
3つの項目に分けて一例をご紹介します。
身体能力が高い傾向がある
転んだりつまずいたりしにくい
自分と地面の位置関係を把握できるため、適切に地面を踏むことができます。
段差や傾斜にも臨機応変に対応ができます。
ぶつかりにくい
自分と周囲の物体の距離感覚を掴めるため、物や人にぶつからずにすみます。
人通りの多いところを物や人にぶつからずにスムーズに歩くことができます。
飛んできたボールなどをうまくキャッチできる、目的の位置にうまく投げることができる
飛んできたボールの動きから、落下位置や到達時間を予測してキャッチすることができます。
逆の動きとして、持っているボールをバスケットゴールのような指定の位置に投げることもできます。
道具をより上手く扱える
道具をうまく扱って絵や文字を書ける
自分の指と握っているペンと紙の位置を掴むことで、絵や文字を歪ませずに書くことができます。
食器をうまく扱って食事ができる
距離感覚があるからこそ、スプーンやお箸でご飯をすくい、口の中に運ぶことができます。
ペンや食器は日常的な道具ですが、ハサミや包丁といった注意が必要なものもあります。
安全に、適切に扱えることで、専門的なさまざまな道具も使いこなし、将来の可能性も広がります。
構造を理解しやすい
道に迷いにくい
郵便ポストやコンビニといった目印を見つけてその位置関係を記憶したり、地図と実際の道を繋げて理解することにも、空間認識能力を使っています。
物の組み立てを理解しやすい
靴ひもの重なりや、車であればタイヤの上に車体があることなど、構造をイメージできるようになります。
建築や機械、クリエイター関係など、さまざまな仕事にも活きる力です。
空間認識能力は、このように日常動作でも何気なく使われています。
身体能力や道具の使用、創造力や理解力にも通じるため、空間認識能力が向上することで、さまざまな可能性が広がりを見せてくれるでしょう。
空間認識能力を鍛える方法は?
空間認識能力は、人が生きていく上で大切な力です。
それでは、どのようにすれば鍛えることができるのでしょうか。
空間認識能力は、身体を使ったり、立体的なおもちゃで遊ぶことで培われます。
新鮮な刺激や感覚はそれぞれが独自の経験になるため、さまざまなタイプの遊びをしていくことがおすすめです。
遊びながらでも鍛えられる方法をご紹介します。
鬼ごっこ
相手との距離感や、互いの移動速度の理解が求められます。
相手を捕まえられそうで空振りすることもあり、距離感を掴む練習になります。
アスレチック
手や足を使って登る遊具では、どこに手と足を置けばいいのかといった感覚が鍛えられます。
特定の足場だけを跳んで移動するような遊びでは、着地ポイントとの距離感覚が養われます。
キャッチボール
ボールと自分の位置、自分と相手の位置などを把握しながら、ボールの速度や落下位置も予測します。
折り紙
重なり合う一枚の紙の構造を理解できます。
また、指で細かな作業をすることも、紙と指の位置関係がわかっているからできることです。
パズル
ピースそれぞれの形を認識し、どのようにすればうまく組み合わさるのか、イメージをする力が鍛えられます。
空間認識能力を鍛えられるおもちゃにはどんなものがある?
空間認識能力を鍛えるおもちゃには、先ほどご紹介した折り紙やパズルがあります。
他には、積み木やレゴ®ブロックも挙げられます。
たとえばレゴ®ブロックは、ブロックの凹凸を繋げることで、縦に重ねたり、横に連結することができます。
レゴ®ブロックで、大きな家をつくるとしましょう。
「高さはこのくらいで、横幅はこのくらい」と想像し、ブロックを一つ一つ重ねていきます。
構造をイメージしたり、高さや幅をつくるためには空間認識能力が必要です。
また、ブロックを連結するために、小さな凹凸をパチっとはめていきます。
この凹凸や、ブロック同士の位置を意識することも、空間認識能力を鍛える要素の一つです。
ロボット作りで空間認識能力を鍛えるのもおすすめ!
また、ロボット製作も空間認識能力を鍛える遊びとしておすすめです。
ロボット教室でのロボット製作は、主にレゴ®ブロックを用いて外見をつくります。
つまり、ブロックの凹凸をパチっとはめる作業や、高さ・幅・奥行を意識することが、空間認識能力を高めます。
更にロボット製作では、モーターやセンサーを取り付けることで、ブロック同士の動きが影響し合うこと、物体の動きの法則も学べます。
このような複雑な構造をイメージすることは、空間認識能力だけではなく、創造力も養う貴重な機会になるでしょう。
プログラミング力も一緒に身につく!
モーターやセンサーを取り付けたロボット製作では、プログラミングも学べます。
プログラミングとは、コンピュータを動かす為の指示を順番に書く事を言います。
プログラミングを通してモーターが動き、ロボットが動きます。
形や動きを認識するだけではなく、どのような仕組みで動いているかから理解することで、よりものづくりや物の構造に興味がわき、更にプログラミングを覚えることで、可能性はますます広がっていきます。
LITALICOワンダーのプログラミング・ロボット教室もご検討ください
LITALICOワンダーは、プログラミング・ロボット教室を運営しています。
世界に一つだけのオリジナルロボットを、楽しみながらつくることができます。
自分でどのようなロボットをつくりたいか考え、試行錯誤しながら実現していくことで、空間認識能力だけではなく創造力・粘り強さ・自己肯定感などさまざまな力が身につきます。
空間認識能力についてのまとめ
空間認識能力とは、「三次元空間における物体の状態や関係(位置・方向・形状・姿勢・間隔・速度など)を、すばやく正確に把握する能力」です。
自分の位置と、周囲の人・物体の位置をきちんと把握することで、「転びにくい」「ぶつかりにくい」「キャッチボールが上手くできる」などの身体能力の向上や、「ペンや食器をうまく扱える」などの道具の使用、「迷子になりにくい」「物の構造がわかる」などの構造理解につながります。
空間認識能力があることで、日常生活から専門的なスキルなどさまざまな助けになるにもかかわらず、現代では鬼ごっこやアスレチック、あやとりといった立体的な遊びの機会が減り、空間認識能力を鍛える機会や手段の少なさが課題になっています。
空間認識能力を鍛えるためには、立体的な遊びが有効です。
鬼ごっこやアスレチックのような全身を使う遊びから、あやとりやパズルのような手作業の遊びからも養えます。
ロボット教室のLITALICOワンダーでは、レゴ®ブロックでロボットを形づくり、それをモーターで動かすことができます。
これらのロボット製作によって、物を形づくるだけでなく、動く仕組みも学ぶことができます。
子どもの遊びには、さまざまな刺激と経験が必要です。
LITALICOワンダーのロボット教室は、オンライン教室も無料体験もあります。子どもにとっていい刺激になりそうかどうか、ぜひ一度体験してみてください。