最終更新日:2022.11.20
公開日:2022.11.18
- 発想力
発想力とは?鍛える方法や必要とされる理由も解説します。
発想力とは、「物事を思いつく能力」のことです。
テクノロジーがますます発展していくこれからの時代を生きる子どもたちに、発想力は重要な能力の一つですが、「うちの子は、発想力がないかも」と気になっている方もいるかもしれません。
発想力は本来、すべての人に備わっているとされており、鍛えることでさらに伸ばしていくことができると言われています。
この記事では、発想力とよく似た意味の言葉である「創造力」との違いや発想力の鍛え方、発想力や創造力を子どものうちから鍛えた方が良い理由について解説します。
発想力とは?
広辞苑では、「発想」は「思いつくこと、思いつき」あるいは「思いや考えを形に表わすこと」と定義されています。
つまり発想力とは、「物事を思いつく能力」のことであると言えます。
「発想力は、これからの時代に必要となる能力である」と言われるのを聞いたことがある方も多いでしょう。なぜ、発想力が必要なのでしょうか?
テクノロジーが発展する中、今人間が行っていることの多くが、ロボットやAI(人工知能)に代替えされるようになってきました。
このことにともない、学校教育も変化しています。
従来は知識の習得に重点を置いた「詰め込み型教育」が行われてきましたが、近年は「考える力」を養う方針へと変わってきています。
知識や情報を蓄積していくことについては、AIは人間よりもはるかに優れています。
一方、AIは「今までにないものをつくり出す作業」は不得意だとされており、発想力が必要とされる作業もその一つです。
IT(情報技術)がさらに発達していくこれからの時代には、AIにできない仕事である「人とは違う新しいことを考え出す力」つまり「発想力」に富む人が求められるようになると考えられます。
発想力と創造力の違いとは?
「発想力」と似た意味を持つ言葉に「創造力」があります。
辞書によると、創造力は「新しいものをつくりだす能力」と定義されています。
また、2006年に経済産業省が提唱した「社会人基礎力」においては、創造力は「新しい価値を生み出す力」と定義されています。
21世紀は「答えのない時代」だといわれています。
従来にはなかったような種類の問題が起きたときには、発想力を駆使して、新しい解決方法を着想することができる人が求められます。
これまで蓄積されてきたデータをもとに、自由に発想力を発揮して新しいことを考え出すとともに、その着想を形にしていく「創造力」も求められるでしょう。
このように創造力は発想力と密接な関係にあり、両者ともこれからの時代に必要なスキルであると考えられます。
発想力を鍛える方法は?
発想力は、すべての人に備わっているといわれていますが、その能力には個人差があるとされます。しかし、発想力は鍛えることができるともいわれています。
ここでは、発想力を鍛える方法を5つ紹介します。
子どもの話を肯定する
子どもが変わったことを言ったり、人とは違った発想をしたときこそ「面白いことを考えついたね」と肯定して受け止めてあげてください。
親が忙しいときに子どもから話しかけられたりすると、常に肯定するのが難しいときもあるかもしれません。
しかし大人から否定される経験が積み重なると、子どもは自由な発想ができなくなっていってしまうことがあります。
「大人は話を聞いてくれる」とわかっていれば会話も発展し、自由にのびのびと発想力を発揮できるようになっていきます。
「発想力を発揮するのは良いことだ」と感じ育っていくことで、のちに社会に出てさまざまなルールに出会っても、変わらずに豊かな発想力を持ち続けることができる大人になるでしょう。
子どもに質問する
普段の会話でも、すぐに答えを教えるのではなく「それはなぜだと思う?」と、いったん子どもに質問してみる習慣をつけましょう。
このとき、子どもの思考の流れに沿った質問を適確なタイミングで投げかけることで、子どもの発想力が刺激されます。
子どもが勘で答えを言う場合でも、「なぜかな?いろいろ考えてごらん」と、論理的思考へと導いてあげてください。
ここでの目的は、子どもが「考えること」を楽しみ、「自分で追求して、答えを得る」ことに満足感を抱くようになることです。
「なぜだろう?」と考える機会が多いほど、子どもは今まで得てきた知識を呼び起こし、結びつけて考える中で発想力が鍛えられていきます。
知識量を増やす
新たな発想は、すでに持っている情報と情報とが結びついて「ひらめき」という形でも生まれることがあります。
このため、普段から知識量を増やしておくことが豊かな発想力の土台となると言えるでしょう。
子どもが興味を持っていることをできる限り体験させたり、興味のある分野の書籍を部屋に置いておくなどして、子どもの知的好奇心を刺激しながら知識量を増やしていく工夫をしてみてください。
情報に触れていく中で子どもはまた新たな疑問を持ち、それを追求していく中でも発想力を使っていくことになります。
マインドマップ
発想力を発揮しているかどうかは、持って生まれた能力以上に、発想するための方法論である「発想法」を身につけて活用しているかどうかの方が重要であるとされています。
「発想法」とは、決められた手順で思考していくことでアイデアが生まれる方法のことです。
発想法は数多く存在しており、「マインドマップ」もその一つです。
マインドマップとは、脳と学習の研究者であるトニー・ブザン氏が開発した、思考の動きを描き出して視覚的に表現した「思考ツール」です。
新たな発想を引き出したり、目標を明確化したりするためのツールとして主にビジネスシーンで活用されていますが、近年では子どもに活用されることも増えてきました。
やり方は、無地の横長の用紙を用意し、表現したい概念のキーワードやイメージを図の中央に描きます。
そこから、関連するキーワードや連想するイメージなどを、放射状につなげながら描いていきます。
さまざまな概念の関連付けを視覚化することで、理解や発想がしやすくなり、新たな創造にも結びつきやすいと考えられています。
なお、「マインドマップ」は商標登録されており、正規のマインドマップの作成方法にはルールがあります。
興味のある方は、トニー・ブザン氏の著書などを参考にしてみてください。
プログラミングやロボット製作
子どもの頃からプログラミングやロボット製作に触れることも、発想力を鍛えることにつながります。
これらは「パソコンや機械が好きな一部の人だけがすることだ」と思う方もいるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
近年、子どもを対象とするプログラミング教室やロボット製作教室が増えてきており、これらの分野は子どもの習い事の一ジャンルとなりつつあります。
その背景には 、2020年度からすべての小学校においてプログラミング教育が必修化されたことなどがあります。
ロボット製作だけでなく、プログラミングも「テクノロジーを活かしたものづくり」だと言えます。
プログラミングは「ものづくりを行うためのシステムを構築する技術」だからです。
「ものづくり」は発想力と創造力を使う作業であり、子どもの興味や好奇心を刺激します。
また、デジタルデータはすぐに修正や改善ができるため、試行錯誤を通じて「自分が考えたことを形にする」という経験を積むことができます。
つまり発想力のほかにも、論理的思考力や創造力などのさまざまな力を鍛えていくことができるのです。
発想力・創造力を子どものうちから鍛えた方がいい理由
発想力は前述のように、個人差はありますが、本来すべての人に備わっているとされています。
しかし成長するにつれ、社会のルールや風習などに影響されて「人と同じでなくてはならない」という思い込みを取り入れていくにしたがい、人によっては自由に発想力を発揮することが少なくなっていくことがあります。
これからの時代に、発想力や創造力がますます必要とされると考えられていることは前に述べました。
発想力や創造力に富む大人になるためには、子どものうちから、発想力の芽をのびのびと伸ばしていくことが大切です。
前章で紹介したような子どもとの関わり方を心がけ、子どもが安心して発想力を発揮できるような環境を作ってあげてください。
またLITALICOワンダーでは、発想力や論理的思考力、創造力などを鍛えるのに役立つとされるプログラミングやロボット製作などのコースも用意しています。
オンライン・教室での両方で、無料体験授業を受けることもできます。
はじめてパソコンに触れるお子さんでもゲームやロボットなどをつくることができるので、ご興味があればぜひ参加してみてください。
発想力についてまとめ
発想力は、これからAIが発展していく時代において、ますます必要とされるスキルの一つだと言われています。
発想力は本来、すべての人に備わっているとされます。
発想力が豊かな大人になるには、持ち前の発想力を子どもの頃から自由に伸ばしていくことが重要です。
成長過程において発想力を鍛えていくには、子どもが安心して自由な発想を発揮できる環境を整え、子どもが「発想力を発揮するのは良いことだ」と思えるような関わり方を心がけてみてください。
また、子どもが楽しみながら発想力や創造力などを培うことができるプログラミングやロボット製作なども、習い事の一環として取り入れてみてはいかがでしょうか。