公開日:2023.04.20
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高校のプログラミング教育とは?いつから必修化?授業内容も
2022年から、高校ではプログラミング教育が必修化され、全員がプログラミングの内容を含む「情報Ⅰ」を学ぶことになりました。
一方で「そもそもプログラミング教育とはどのようなもの?」「高校から学ぶメリットはあるの?」といった疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回は高校においてのプログラミング教育の目的や授業内容、高校生のうちからプログラミングを学ぶメリットについて解説していきます。
高校でのプログラミング教育が必修に
2022年から、ついに高校でもプログラミング教育が必修化されました。
まずは、プログラミング教育の目的や、高校でプログラミング教育が必修化されるまでの経緯について見ていきましょう。
そもそもプログラミング教育とは?
プログラミング教育とは、プログラミングに必要な論理的思考力(物事を順序立てて考える力)や、プログラミングの知識や技術を学習するための教育のことです。
成長段階(小学校・中学校・高校)によって、学習内容やねらいは異なります。
高校のプログラミング教育
高校では、全員が履修する科目である「情報Ⅰ」でプログラミングを学びます。
文部科学省の資料「教育の情報化の手引き-追補版-(令和2年6月)第3章」によると、生徒全員がプログラミングだけでなく、情報セキュリティを含むネットワークやデータベースの基礎などについて学習すると記載があります。
また、コンピューターをより良い人生や社会作りに生かそうとする態度を養うことも重視されています。
高校のプログラミングの授業内容については、後の項目でご紹介します。
高校でのプログラミング必修化の経緯
もともと高校の情報科においては、生徒が「社会と情報」もしくは「情報の科学」のうち、一つを選択して学習するという形でした。
プログラミングに関する内容が含まれるのは「情報の科学」であったため「社会と情報」を選択した生徒は、高校でプログラミングを学ばずに卒業していました。
今回の教育指導要領の改訂により、情報科において共通必履修科目「情報Ⅰ」が新設され、高校生全員が、プログラミングについて学ぶこととなりました。
必修化までのスケジュールは以下の通りです。
- 周知・徹底:2018年度
- 移行期間:2019年~2021年度
- 全面実施:2022年度~
高校でのプログラミング必修化はいつから?
高校では、2022年度から「情報Ⅰ」、2023年度からは選択科目の「情報Ⅱ」が始まっており、すでにプログラミングが必修化されています。
なお、小学校では2020年度からプログラミング教育が必修化され、中学校では2021年度からプログラミングに関して学ぶ内容がより充実したものへと変更されました。
今後のことに触れると、2025年1月からは、大学入試共通テストにプログラミングの内容を含む「情報」が追加されることも決まっています。
高校のプログラミングの授業内容は?
高校では「情報Ⅰ」や「情報Ⅱ」の中で、プログラミングを学びます。
それぞれの科目の授業内容についてチェックしていきましょう。
情報Ⅰ
文部科学省の「高等学校学習指導要綱」によると、情報Ⅰの内容は以下の4つにわかれています。
- 情報社会の問題解決
- コミュニケーションと情報デザイン
- コンピューターとプログラミング
- 情報通信ネットワークとデータの活用
一つずつ、簡単にまとめて解説します。
より詳しく知りたい方は、高等学校学習指導要領の「第10節 情報」のページをご覧ください。
情報社会の問題解決
情報社会の問題を発見・解決する活動を通して、情報に関する制度や情報セキュリティの重要性、情報技術が社会に果たす役割や及ぼす影響などについて学習します。
コミュニケーションと情報デザイン
目的や状況に合わせ、受け手にとってわかりやすく情報を伝える活動を通して「情報デザイン(※)が社会に果たしている役割」や「効果的なコミュニケーションをおこなうための情報デザインの考え方」などについて学びます。
※情報デザイン:必要な情報が、相手に効果的に伝わるように、情報をわかりやすく整理すること
コンピューターとプログラミング
コンピューターの特徴や仕組みについて学習します。
また、プログラミングによってコンピューターを活用する方法や、社会や自然において発生する現象をモデル化する方法なども学びます。
情報通信ネットワークとデータの活用
情報ネットワーク(※)の仕組みや、情報セキュリティを確保するための方法を学習します。
また、データの収集や整理、分析および、結果の表現の方法を選択し、実行するための方法についてなども学びます。
※情報ネットワーク:複数のコンピューターの、情報のやりとりを可能にしてくれるネットワークのこと
情報Ⅱ
情報Ⅱは、選択科目であるため、高校生全員が受ける科目ではありません。
情報Ⅰで学習した内容を基礎として、より発展的に学ぶ内容です。
- 情報社会の進展と情報技術
- コミュニケーションとコンテンツ
- 情報とデータサイエンス
- 情報システムとプログラミング
- 情報と情報技術を活用した問題発見・解決の探究
こちらも、授業で学ぶ内容を簡単にまとめて解説します。
情報社会の進展と情報技術
情報技術がどのように発展してきたのかを歴史的に捉え、情報社会の進展について理解します。
また、情報技術の発展によるコミュニケーションの多様化や、将来の情報技術と情報社会の在り方などについても考えたり、学んだりします。
コミュニケーションとコンテンツ
目的や状況に合わせ、情報デザインに配慮し、文字・音声・動画などを組み合わせたコンテンツを協働して制作・発信する活動をおこないます。
この活動を通して「多様なコミュニケーションの形態とメディアの特性との関係」を理解したり、コンテンツを制作する技術を身につけたりします。
また、コンテンツをさまざまな手段で、効果的に社会へ届ける方法についても学習します。
情報とデータサイエンス
多様かつ大量のデータを活用する有効性や、データサイエンス(※)が社会に果たす役割について学びます。
また、実際に、授業の中でデータに基づく現象のモデル化や、データ処理をおこない、解釈・表現する技術などについても学習します。
※データサイエンス:数学や統計学、プログラミングなどのさまざまな分野の知識を活用して、大量のデータの分析・解析をおこない、社会に有益な知見を導き出す学問
情報システムとプログラミング
情報システムの在り方や社会に及ぼす影響などに着目し、協働して情報システムを開発する活動を通して、情報システムにおける情報の流れ・仕組みを学んだり、情報システムを構成するプログラムの制作方法を理解し、技術を身につけたりします。
情報と情報技術を活用した問題発見・解決の探究
情報Ⅰと情報Ⅱで学習した能力を総合的に活用し、情報や情報技術を使い、問題を発見・解決する活動をおこないます。
新たな価値の創造を目指して、情報や情報技術を適切かつ効果的に活用できる能力を高めていきます。
高校でプログラミングを学ぶメリットとは?
高校生のうちからプログラミングを学ぶメリットとしては「問題解決能力などが身につきやすい」や「将来の選択肢を増やせる」が挙げられます。
問題解決能力などが身につきやすい
高校生のうちからプログラミングを学習すると、大人になってから学ぶパターンに比べて、より時間をかけて知識や技術を身につけることができます。
プログラミングを通して育める能力の例は以下の通りです。
- 問題解決能力(課題を発見して解決する力)
- 論理的思考力(物事を順序立てて考える力)
- 創造力(0から1を生み出す力) など
どれも社会の中だけでなく、日常生活の中でも役立つスキルです。
また、知識や考え方だけでなく、実践的なプログラミング方法も経験を積みながら養うことができます。
将来の選択肢を増やせる
高校生のうちからプログラミングスキルを身につけることは、大学受験に備えたり、将来、就職活動をするときの選択肢を広げたりすることにも繋がります。
経済産業省のデータによると「日本では、将来的に40~80万人の規模でIT人材が不足するのではないかと懸念されている」とのことです。
プログラミングなどのITスキルの需要は高まる一方で人が足りないということは、プログラミングの知識や技術があるだけで、選べる就職先の数が増える可能性に期待できます。
高校のプログラミングについてまとめ
高校ではプログラミングの内容を含む「情報Ⅰ」がすでに必修化されています。
2025年1月からは、大学入試共通テストに「情報」が追加されると決まっていることからも、国がプログラミング教育にかなり力を入れていることがわかります。
また、プログラミングスキルがあると、将来的に仕事の選択肢が広がる可能性にも期待できます。
このことからも、高校生のうちからプログラミングを学ぶ価値は十分にあるといえるでしょう。
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