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プログラミング教育コラム

最終更新日:2023.11.14 
公開日:2022.11.15

  • 3Dプリンター

3Dプリンターで作れるものとは?使い方やできることも解説します

3Dプリンターで作れるものとは?使い方やできることも解説します

近年、子どもを対象とする3Dプリンター教室や、3Dプリンター体験ができる施設なども登場してきたことから、子どもが3Dプリンターに興味を持っているという保護者の方も多いかもしれません。

 

しかし、実際に3Dプリンターで作れるものや、詳しい使い方などについてはまだよく知らない人もいるでしょう。

そこでこの記事では、3Dプリンターで作れるものや3Dプリンターの使い方、おすすめの家庭用3Dプリンターを紹介するほか、子どもが3Dプリンターの使い方を学ぶメリットについても解説します。

 

資料請求について

3Dプリンターで作れるものとは?

3Dプリンターの出力中の様子

 

3Dプリンターとは、紙などの平面物に文字や絵などを印刷するプリンターと違い、 樹脂などを材料として立体物をつくることができるプリンターのことです。

 

3Dプリンターの特徴は、大規模な加工設備がなくても、複雑な形の立体造形物を1つからつくることができる点です。

このため、個人の趣味の領域から工業などの分野まで、幅広く利用されています。

 

では具体的に、どのように活用されているのでしょうか。3Dプリンターで作れるものや、3Dプリンターでできることなどについて詳しく紹介します。

個人の趣味の分野や日用品

3Dプリンターを使って、自分好みの作品や日用品を作ることができます。

例えばフィギュアやアクセサリー、スマホケースやスマホスタンドといった玩具や小物などは、個人が自分でデザインしたものを3Dプリンターでつくることができます。

また本立てや小物入れ、ハンガーなどの日用品も、自分のオリジナルデザインのものをつくることができます。

食べ物、洋服、靴

チョコレートなどの食品そのものも、3Dプリンターで使える素材となります。

ペースト状の食材を3Dプリンターのノズルから押し出して層を積み重ねていくことで、複雑なデザインやユニークなデザインの食品をつくることができます。

また、野菜や魚などの素材をすりつぶし、3Dプリンターで任意の硬さで造形した介護食は、見た目が食欲をそそりながらも柔らかいため食べやすく、食感も調整できるなどの点で今後の活用が期待されています。

さらに、ナイロンやTPU(熱可塑性ポリウレタン)などを素材として、服のパーツや服そのものを造形する試みもおこなわれています。

自分の足を3Dフットスキャナーでスキャンし、靴型を3Dプリンターでつくることで、足にぴったりとフィットするオーダーメイドシューズをつくるサービスはすでに実用化されています。

フィギュアをつくるサービス

実在の人や動物などの被写体を3Dスキャナーで読み取って3Dデータを作成し、石膏や樹脂などを素材としてフィギュアをつくるサービスも登場しています。

これにより写真を撮る以外にも、立体物で思い出を残せるようになりました。

工業・建築分野

工業の分野では、部品や金型などのほか、新製品の試作品の製作などに使われています。

また建築の分野では、従来は手でつくられていた建築模型の製作に使われるほか、建設用3Dプリンターでつくったパーツを組み合わせた建築物もつくられています。

医療分野

医療の分野では、医療器具や人工臓器・人工骨、義手や義足などが3Dプリンターで製作されているほか、実際の細胞を材料として移植用の臓器などをつくる研究も進められています。

研究分野

研究の分野では、博物館や大学などにおいて、収蔵物のレプリカや展示模型もつくられています。

3Dプリンターで模型などをつくっておくと、もとの収蔵品にもし損傷が起こった場合でも、3Dデータがあれば正確な修復が可能になるという利点もあります。

3Dプリンターでできることは、趣味や嗜好の領域にとどまらず、工業・医療・研究分野など、幅広いことがわかります。

LITALICOワンダーで制作された作品

3Dプリンターはまた、教育の分野でも使われています。

ここからは、IT×ものづくり教室のLITALICOワンダーに通う子どもたちが制作した作品をご紹介します。

 

3Dプリンター作品、ロケリアン

 

作品名:ロケリアン

クリエイターネーム:ドク・ヒロマーティー(小学1年生)

 

ロケリアンとは、ロケット型のタイムマシーンのこと。作者のドク・ヒロマーティーさんが1985年にタイムトラベルして当時高校生だったお父さんに会いにいくはずが、年代設定を間違えて恐竜時代に着いてしまったシーンをイメージして作っています。

 

ロケリアンをはじめ建物や背景の山などすべて3Dデータを作成し、3Dプリンターで出力されています。

3Dプリンター作品、狙った物を、撃ち落とす。アーチェリー!!

 

作品名:狙った物を、撃ち落とす。アーチェリー!!

クリエイターネーム:伝説の男、壮桜ピカ(小学6年生)

 

単にモデリングで造形するだけでなく、身近な素材も使って、実際に使えるアーチェリーの弓をつくり上げています。

 

3Dモデリングとは、3Dプリンターでつくるものの設計図を作成したり、CGアニメーションの作成などに用いられる作業のことです。

3DCG作品、通学路

 

作品名:通学路

クリエイターネーム:ゆっくりかなや(中学3年生)

 

作者のゆっくりかなやさんが、通学路の中で特に気に入っている風景を再現した3Dモデリングの段階の作品です

 

警報機の柱も色分けされていたり、踏切の架線柱などもパーツが分かれていたりと、風景を注意深く観察して、細部までこだわって調整していることがわかります。

3Dプリンターの使い方は?

3Dプリンターとその周辺機器

 

3Dプリンターで立体物を出力するには、まず設計図となる「3Dデータ」を用意する必要があります。

 

3Dデータを用意するには、大きく分けて以下の3つの方法があります。

 

  • 自分でつくる
  • 「3Dスキャナー」で読み取る
  • インターネット上で入手する

自分でつくる

今まで存在していない、新しいものをつくる場合はこの方法を使います。

パソコンと、専用のソフトウェアが必要になり、操作方法も習得する必要があります。

「3Dスキャナー」で読み取る

すでに存在する立体物を再現する場合に使う方法です。

 

3Dスキャナーで立体物をスキャニングして、3Dデータを書き出します。

 

書き出したデータは3Dプリンターで使う前に、ソフトウェアで変換する必要があります。

インターネット上で入手する

3Dプリンターの普及とともに、インターネット上で公開されている3Dデータも増えてきました。

 

たとえば日本の国土地理院は、国内の地形の3Dデータを公開しています。このデータを3Dプリンターで出力すると、地形の立体模型をつくることができます。

そもそも3Dプリンターとは?

3Dプリンターの作動中の様子

 

立体物を出力するプリンターのことです。

3Dとは、「3次元」を意味する言葉です。

 

従来の「プリンター」は、紙に文字や絵を印刷する機械でした。

その後、立体物を出力することができる3Dプリンターが登場して、「プリンター」という言葉の概念も大きく広がりました。

 

3Dプリンターでのものづくりのように、デジタルデータを使い、デジタル工作機械でものづくりを行う技術のことを「デジタルファブリケーション」と呼びます。

3Dプリンターの仕組みと造形の種類

3Dプリンターは、平面の材料を層として積み重ねていくことで立体物を造形する仕組みになっています。

造形の方法には、主に以下の種類があります。

 

 

熱溶解積層方式

固形のプラスチックを加熱して造形します。このプラスチックは「熱可塑性(かそせい)プラスチック」と呼ばれ、3Dプリンターで使われる熱可塑性プラスチックは「フィラメント」と呼ばれます。

現在、家庭用として販売されている3Dプリンターの多くがこの方式です。

 

 

光造形方式

光を当てると硬くなる液体状のプラスチック「光硬化プラスチック」に、一層ずつ光を当てて硬くしながら造形していきます。

 

 

インクジェット方式

光硬化プラスチックを、つくりたい層の形に吹き出して造形していきます。広い面積を一気に造形できることが特徴です。

 

 

粉末焼結方式

粉末の材料にレーザー光線を当てて焼き固める方式です。材料にはプラスチックや金属、セラミックなどのさまざまな材料を使うことができ、複雑な造形にも対応できます。

 

 

石膏積層方式

石膏の粉末に、液体の接着剤を吹きつけて硬化させる方式です。素材の石膏が安価なことなどがメリットですが、造形物が壊れやすいことを踏まえてつくりたいものをデザインする必要があります。

3Dプリンターでできること

3Dプリンターの活用方法は幅広く、現在も発展している最中です。

複雑な形のものや、細かくて繊細なデザインのものなど、手づくりするのが難しいものも簡単につくることができます。

 

3Dプリンターの登場により、これまで工場でしかつくれなかったものも、いろいろな場所でつくることができるようになりました。

このため、「ものづくり」のあり方も大きく変わっていくと考えられています。

3Dプリンターのおすすめをご紹介

家庭用の小型3Dプリンター

 

従来、3Dプリンターは主に工業用として活用されてきましたが、近年は家庭用3Dプリンターも増えています。

中には、紙への印刷を行うプリンターとほぼ同程度の価格の製品も発売されています。

 

ここでは、おすすめの家庭用3Dプリンターを4つご紹介します。

 

ダヴィンチ mini w+

おすすめの3Dプリンター、ダヴィンチ mini w+

画像引用:XYZPRINTING 公式オンラインショップ

 

3Dプリンターの入門機種とも言える製品です。 最適な印刷パラメータを自動で設定してくれるので、3Dデータを読み込ませて「印刷」ボタンを押すだけで印刷できます。

  • 最大印刷サイズ:150x150x150mm(幅x奥行x高さ)
  • 45,800円

ダヴィンチ Jr. Pro X+

おすすめの3Dプリンター、ダヴィンチ Jr. Pro X+

画像引用:XYZPRINTING 公式オンラインショップ

 

操作が簡単でありながら多機能で、高いプリント精度を誇ります。オプションパーツによる機能拡張も豊富なため、初心者からプロまで幅広いニーズに応えることができます。

  • 最大印刷サイズ:175x175x175mm(幅x奥行x高さ)
  • 103,800円

ノーベル 1.0 A

おすすめの3Dプリンター、ノーベル 1.0 A

画像引用:XYZPRINTING 公式オンラインショップ

 

高解像度3Dプリント用に設計された3Dプリンターで、最高レベルのプリント精度を誇ります。

 

光造形方式を採用しており、3Dデータの細部まできれいに再現します。専用ソフトウェアにさまざまな印刷パラメータが組み込まれているため、操作も簡単です。

  • 最大印刷サイズ:128x128x200 mm(幅x奥行x高さ)
  • 228,800円

Original Prusa MINI+

おすすめの3Dプリンター、Original Prusa MINI+

 

画像引用:Amazon

 

スマートなボディにできるだけ多くの機能を搭載した、コンパクトなデスクトップ3Dプリンターです。直感的で使いやすく、デフォルトの印刷設定で十分きれいに印刷できます。

 

  • 最大印刷サイズ:180x180x180mm(幅x奥行x高さ)
  • 79,800円

3Dプリンターの注意点とは?

3Dプリンターを購入して使う場合は、ランニングコストも考慮しておく必要があります。たとえば、以下のようなものが必要となります。

 

 

フィラメント

家庭用3Dプリンターに多い熱溶解積層造形方式の3Dプリンターを使う場合は、材料である「フィラメント」が必要です。

 

フィラメントは細い糸状になっており、糸巻きのような部品に巻き付けられて販売されています。

多くの種類があり、3Dプリンターにより対応しているサイズや素材が異なりますが、1色あたりの価格は2,000円~5,000円の場合が多いようです。

 

 

プラットフォームシート

3Dプリンターは、層を下から積み上げて造形していきます。

このため、一番下の層がしっかりと定着していないと、上の層がうまく積みあがらないことがあります。

 

必須ではありませんが、1層目の定着を良くするためによく使われているのが、3Dプリンターのプラットフォームに貼って用いられる「プラットフォームシート」です。

サイズなどにより異なりますが、1枚~5枚入りのパッケージが2,000円~5,000円ほどで販売されています。

 

 

ニッパー

空洞のある立体物など、立体物の形によっては、造形の際に形を支える「サポート材」も一緒に形成される場合があります。

 

サポート材は手でも外れやすいようにできていますが、子どもが作業する場合には怪我をしてしまわないよう、ニッパーなどの道具を使って除去する方が良いでしょう。

 

ニッパーは、数百円程度で購入できます。

3Dプリンターは子どもにも扱える?

3Dプリンターでロボット作品を出力する様子

 

立体物をデザインしたり、3Dプリンターを使うには、ある程度の知識が必要となります。

 

しかし最近は、操作方法がシンプルで、子どもでも利用できる3Dプリンターやデザインツールも登場しており、親と一緒にものづくりを楽しむ子どもも増えています。

3Dプリンターを子どもが使うメリットとは?

頭の中でイメージしたものを3Dデータに置き換え、それを実際に手で触ることのできる立体物にするという体験は、子どもの創造力を大いに刺激します。

 

また3Dプリンターではさまざまなものをつくることができるため、「次は何をつくろうかな?」と発想力を発揮することにもつながるでしょう。

 

楽しみながら試行錯誤していくうちに、パソコンなどのIT機器にも親しんでいくことになります。

 

テクノロジーがいっそう発展していくこれからの時代を見据えて、子どものうちからIT機器に慣れ親しんでおくことは重要だと言えます。

3Dプリンターで楽しく学ぶならLITALICOワンダー

3Dプリンターに夢中になる子ども

 

LITALICOワンダーの「デジタルファブリケーションコース」では、3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタル工作機器を使ってものづくりをおこなっています。

教室に置いてある3Dプリンターでは、子どもたちが設計した作品を、随時スタッフや子どもが出力しています。

 

決まったカリキュラムはなく、子どもの興味にあわせて授業が設計されるため、子どもは常にワクワクしながら楽しく続けることができます。

 

3Dプリンターについての知識が深まるだけでなく、試行錯誤する中で創造力や問題解決能力も養われていくでしょう。

資料請求について

3Dプリンターについてまとめ

3Dプリンターで作品を出力する様子

 

3Dプリンターは、立体物を出力するプリンターです。

設計図である「3Dデータ」を読み込んで、平面の層を積み重ねていくことで立体物を造形します。

 

製造業や医療分野、建築業界や食品業界など、さまざまな分野ですでに活用されており、さらなる活用方法の研究も盛んに行われています。

 

LITALICOワンダーの各教室(※)には、教室に3Dプリンターが備え付けてあります。

興味がある方は、ぜひ一度体験しに来てください。(※サテライト校を除く)

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