公開日:2023.02.06
- 音楽プログラミング
音楽はプログラミングで作れる?小学校での授業内容やおすすめの教材・言語も紹介
今や、ピアノなどの楽器が手元になくても、プログラミングで音楽を作ることができる時代になりました。
実際に、小学校などの教育現場でも、プログラミングを活用した音楽の授業がおこなわれています。
一方で「具体的にどうやってプログラミングで音楽を作るの?」や「小学校ではどんな授業をしているの?」など、疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、プログラミングを活用した音楽作りの方法や、小学校での授業内容、音楽を作成できるおすすめのプログラミング教材について解説していきます。
音楽はプログラミングで作れる?
結論からお伝えすると、音楽はプログラミングで作ることが可能です。
音楽作りと聞くと「ギターやピアノなどの楽器を鳴らしながら、音の組み合わせを考える」というイメージが強いかもしれません。
しかし、大人はもちろん子どもであっても、プログラミング教材を使えば、簡単に音楽作りを楽しむことができます。
プログラミングで音楽を作る方法
プログラミングで音楽を作るには、タブレットやパソコンを使い、音楽制作ができるプログラミング教材や専用ソフトなどを操作していきます。
例えば、以下の要素をひとつずつ設定します。
- 楽器の種類
- テンポの速さ
- 音の長さ
- 音を休む長さ
- 音階(ドレミファソラシド) など
また、音楽制作ソフトによっては、歌詞を入力すると、その通りに歌ってくれるものもあります。
これらを自由に組み合わせることで、すでにある曲を演奏したり、オリジナルの音楽を作ったりすることができます。
音楽作りをプログラミングでおこなうメリット
子どもがプログラミングで音楽を作るメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
楽器がなくても音楽を作りながら発想力を養える
音楽作りでは、音の組み合わせを考えたり、頭のなかにある曲のイメージを形にしたりするため、自然と発想力が養われます。
とはいえ、楽器を使う場合、子どもによっては使いこなすまでが大変だったり、なかなか「作る」というステージまで到達できない可能性があります。
しかし、プログラミングを活用すれば、ピアノやギターなどの楽器が演奏できなくても音楽が作れるため、子どもたちは気軽に楽しみながら、発想力を高めることができます。
試行錯誤する力が身につく
プログラミングを活用した音楽作りの特徴は、作った曲をその場ですぐに鳴らして聴けることです。
音階の組み合わせや音の長さなどを決めた後、「実際に聴いてみて、気になる箇所を調整する」という行動を繰り返しやすいため、自然と試行錯誤する力が身につくでしょう。
音楽をより深く理解できる
プログラミングを活用すると、音を聞くための「聴覚」だけでなく、目で見るための「視覚」も使いながら、音楽と触れ合うことができます。
出典:「音楽,図画工作,美術,工芸,書道の指導におけるICTの活用について」(文部科学省)(2023年2月6日に利用)
例えば、専用のソフトウェアを使うと、画像のように音を見える形にすることができます。
この可視化を利用して「お手本の歌い方と自分たちの歌い方の違い」を音と画面の両方で比べ、表現方法を工夫する内容の授業などもおこなわれています。
上記は一例ではありますが、プログラミングを活用して音楽を作ることは、体のさまざまな感覚を働かせることにつながるため、音楽への理解をより深められるでしょう。
音楽の授業でプログラミングを扱うことも
実際に、プログラミングを使った音楽の授業をおこなっている小学校があります。
どのような授業内容なのか、実例を見ていきましょう。
実例(1) くりかえしをつかってリズムをつくろう
出典:小学校を中心としたプログラミング教育ポータル(文部科学省)(2023年2月6日に利用)
小学校2年生の「くりかえしをつかってリズムをつくろう」という授業では、リズムカードと、プログラミング教材「Scratch(スクラッチ)」を活用しておこないます。
子どもたちは、リズムカードに描かれているさまざまなリズムを手で打ち、どのような音か確認しながら、カードの組み合わせを考えていきます。
この過程でプログラミング教材のスクラッチを利用することで、組み合わせた音を実際に鳴らして聴くことができます。
そして「より面白い組み合わせにするにはどうすればいいのか」を試行錯誤してもらいつつ、音楽へ興味や関心を持つことを促します。
また、スクラッチのくりかえし機能(同じカードを繰り返す)を活用することで、音楽の仕組みである「反復」への理解を深めることにもつなげられます。
実例(2) 動物が楽しく踊るリズムループをつくろう
出典:小学校を中心としたプログラミング教育ポータル(文部科学省)(2023年2月6日に利用)
小学校3年生の「動物が楽しく踊るリズムループをつくろう」という授業では「LOOPIMAL(ルーピマル)」というプログラミング教材を使っておこない、子どもたちがリズムのパターンを楽しく考えながら「まとまりのあるリズム」の特徴(反復・変化)に気付くよう促していきます。
また、この授業では、同じグループの人と協力しながら、音楽を作り「まとまりのある音楽を工夫して表現するための能力」を伸ばしていくことも重視しています。
音楽作りができるプログラミング教材とは?
子どもが音楽作りを通して、楽しくプログラミングが学べる教材をご紹介します。
Scratch(スクラッチ)
スクラッチは「楽器を〇〇にする」や「テンポを〇にする」などが書かれたブロックを組み合わせるだけで、音楽を作ることができる無料のプログラミング学習ツールです。
ドラムやトランペット、ギターやベルなど、鳴らせる楽器の種類は幅広くあります。
どの音を何拍鳴らして、何拍休むのか、組み合わせながら、好きな楽器を演奏したり、オリジナルの音楽を作ることができます。
embot(エムボット)
embot(エムボット)は、ダンボール素材のロボットを楽しく組み立てて、プログラミングできる教材です。
プログラミングはタブレットなどに専用のアプリをダウンロードしておこないます。
例えば「くりかえし」などの機能を使い、三三七拍子のリズムを作って、その通りに動かすことができます。
他にも、ひらめき次第でさまざまな動きの組み合わせが作れるため、音楽だけでなく、ロボットプログラミングに興味のある方にもおすすめです。
LOOPIMAL(ルーピマル)
LOOPIMAL(ルーピマル)は、画面上のブロックを並べて、好きなリズムが作れるアプリです。
作ったリズムに合わせて、トリやパンダなどの動物たちがダンスをする楽しい仕掛けが魅力的なポイントです。
直感的に操作できる仕様なので、誰でも楽しく遊べるでしょう。
また、小学校によっては、LOOPIMALをプログラミング教材としても活用しています。
子どもの頃からプログラミングに触れておくメリットとは?
子どものうちから、プログラミングに触れておくメリットを3つ見ていきましょう。
学校授業や大学入試に備えられる
プログラミングは、すでに2020年から小学校で必修化されています。
また、2021年からは中学校のプログラミングに関する授業内容が充実したことからも、教育現場において、プログラミングが重要視されていることがわかります。
さらに、2025年1月からは、大学入試共通テストでも、これまでの「国語」「数学」「英語」「理科」「社会」に加え、プログラミングが含まれる「情報」が登場する予定です。
つまり、子どものうちからプログラミングに慣れておくことは、学校の授業や、大学入試の対策にもつながると考えられます。
将来の選択肢が広がる
プログラミングは、企業のシステムや産業用ロボット、アプリやゲームなど、さまざまなものを開発するときに必要不可欠なスキルです。
そのため、今後もIT人材の需要はますます高まっていくでしょう。
しかし、経済産業省は、将来的に、40~80万人の規模でIT人材の不足が生じるのではないかと考えています。
このように「需要はあるのに人が不足している現状」なので、プログラミングスキルを持っているだけで、将来的な仕事選びにおいても、選択肢が広がる可能性があります。
これからの時代に必要な創造力が身につく
将来的に、テクノロジーはますます進化し、今まで以上にロボットやAIが人に代わり、仕事をするようになると言われています。
しかし、ロボットやAIは、なんでもできるわけではありません。
苦手なことのひとつが「0ゼロから1を生み出す力」、つまり創造力です。
そのため、ものの価値を生み出すための創造力は、これからも人間に求められると考えられます。
そして、プログラミング学習を通して、さまざまなアイデアを考えたり、イメージを形にしたものを作ったりすることは、創造力を身につけることにもつながるでしょう。
子どものプログラミングならLITALICOワンダー
ロボット作りやゲーム制作ができるLITALICOワンダーのプログラミング教室では、子ども一人ひとりの興味や関心に合わせて、プログラミングが学べる環境を整えています。
また、プログラミング学習を通して、子どもたちがわくわくしながら創造力や試行錯誤する力、チャレンジする力などを身につけられるようサポートしています。
教室は東京・神奈川・埼玉・千葉にあり、全国どこからでも受講できるオンライン授業もおこなっています。
無料の体験教室も実施しているため、気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。
音楽とプログラミングについてまとめ
今の時代、ギターなどの楽器が演奏できなくても、プログラミングを活用すれば音楽を作ることが可能です。
実際に、小学校でもプログラミングを活用したリズム作りを通して、音楽へ興味を抱くことを促したり、より理解を深めたりする授業などがおこなわれています。
また、子ども向けのScratch(スクラッチ)やembot(エムボット)などのプログラミング教材を利用すれば、自宅でも音楽を作りつつ、プログラミングを学ぶことができます。
もし音楽作りだけでなく、ロボット作りやゲーム作りなどを通して、本格的にプログラミングを学ばせたいと思ったら、プログラミング教室の活用も視野に入れてみるのはいかがでしょうか。