最終更新日:2023.02.11
公開日:2022.08.17
- ゲームクリエイター
ゲームクリエイターとは?なるにはどうする?年収や仕事内容、やりがいも解説
ゲームクリエイターは、「高校生のなりたい職業ランキング」にランクインしたり、一部の大学が新たに専門のコースを開設したりと、近年注目されている職業です。
とはいえ、まだまだ「具体的にどんな業務をするの?」や「なるためにはどうすればいいの?」など、疑問のある方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回はゲームクリエイターの仕事内容ややりがい、年収について解説していきます。
また、子どもでも簡単なゲームを作ることができるプログラミングツールもご紹介します。
ゲームクリエイターとは
ゲームクリエイターとは、ゲームを作ることに携わっている人の総称です。
基本的に、一部の個人制作ゲームを除き、コンピューターゲームやアプリゲームが完成するまでの過程には、多くの人が関わっています。
例えば、ゲームのシナリオやストーリーを考える人、キャラクターを考える人、音楽を作る人。
その他にも、チーム全体を指揮するプロデューサーや、プレーヤーが操作した通りに画面が動くようプログラミングを組むプログラマーもゲーム制作には必要不可欠です。
このように、ゲームを作るにはさまざまな専門スキルを持った人が、それぞれの担当に分かれて、協力しながら一つのゲームを作っていきます。
クリエイターとは
クリエイターとは、クリエイティブ(何かを創造する)な仕事に携わっている人の総称です。
ゲーム業界だけでなく、世の中のさまざまな業界に存在しています。
例えば、色々なもののデザインをするデザイナー、映像を制作する動画クリエイター、ホームページ制作に関わるWebデザイナー、その他にもアニメクリエイターなどが挙げられます。
そして、そのうちの一つがゲームクリエイターです。
つまり、「クリエイター」という大枠の中に「ゲームクリエイター」があるようなイメージです。
そして、さらに「ゲームクリエイター」の中にも複数の職種があります。
ゲームクリエイターの種類
ゲームクリエイターの主な種類は下記の通りです。
- ゲームプロデューサー
- ゲームディレクター
- ゲームプランナー
- シナリオライター
- グラフィックデザイナー(ゲームCGデザイナー)
- サウンドクリエイター
- ゲームプログラマー など
求人サイトの募集要項を見ていても、「ゲームクリエイター募集」と記載されているだけでなく、上記のような職種の名称や、具体的な業務内容が書かれています。
各職種がどのような仕事を担当するのかについては、次の項目で解説していきます。
ゲームクリエイターの仕事内容
ゲームクリエイターの仕事内容を職種別にご紹介します。
※同じ職種でも、会社やチーム(一緒に働く人)・個人のスキルによって、実際にやる仕事内容は異なることがあります。
ここでは一般的な仕事内容を紹介します。
ゲームプロデューサー
プロデューサーの仕事は、ゲーム開発のプロジェクト全体をまとめることです。
例えば、スケジュールや予算の管理、スタッフの編成などを考えます。
ゲームを作る作業そのものをおこなうというよりは、チームを指揮して、動かすことが多い職種です。
プロジェクトの規模によっては、数十人~数百人もの人をまとめることもあります。
仕事量が多く、また、チームの責任を負う立場にありますが、その分とてもやりがいのある仕事と言えるでしょう。
基本的に、新人がいきなりゲームプロデューサーになることはなく、現場でキャリアを積んだ方が抜擢されて担当するポジションになります。
ゲームディレクター
ディレクターは、ゲーム開発の現場をまとめるリーダーです。
プロデューサーと共に、「どのようなゲームを作るのか」企画するところから、完成までの一連の流れに関わります。
また、ゲーム制作がスムーズに進むように、デザイナーやシナリオライターなどへ、指示や伝達をおこないます。
さらに、制作物のクオリティの管理や、現場でのトラブル対応もおこないます。
ゲームプランナー
ゲームプランナーの仕事は、ゲームの企画を生み出すことです。
「ユーザーが求めているゲームはどのようなものか」分析しつつ、世界観やキャラクター、シナリオなどを考えていきます。
企画が出来たら、社内にてプレゼンテーションをおこないます。
企画が通った後は、ゲームの設計図とも言える仕様書を作成したり、各パートからのゲームに関する質問に答えたりします。
企画力の他、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力が求められるポジションと言えるでしょう。
シナリオライター
シナリオライターは、ゲームのストーリー作りを担当します。
ストーリーの構成を組んだり、キャラクター同士の会話を書いたりするなど、物語を展開する上で欠かせない存在です。
なかには、ゲームそのものというよりも、シナリオライターにファンがつくパターンもあります。
また、企業で経験を積んだ後、フリーランス※として活動する方もいます。
※会社などに所属せず、個人で仕事をしている人のことを言います。
グラフィックデザイナー(ゲームCGデザイナー)
グラフィックデザイナー(ゲームCGデザイナー)は、ゲームに登場するキャラクターや背景などのあらゆるグラフィックを制作します。
美しい風景や魅力的なキャラクターは、ゲームの世界観を伝える上でも重要な要素です。
デザイン力はもちろんのこと、デジタル系のソフトを使うスキルやプログラミングの基礎知識が求められます。
サウンドクリエイター
ゲームの中で使われてる音楽を作るのが、サウンドクリエイターの仕事です。
メインテーマの他、シーンごとのBGM、効果音に至るまで、幅広い音楽を担当しています。
各場面のイメージに合った曲を作り、スタッフと話し合いを重ね、修正して仕上げていきます。
「自分好みの音楽を作ればいいというわけではない点」が難しいポイントと言えるでしょう。
作曲スキルや発想力、ゲームサウンドへの興味や音楽知識が求められる職種です。
ゲームプログラマー
ゲームプログラマーの仕事は、画面や内部のシステムが仕様書※や設計書の通りに動くようプログラミングを組むことです。
例えば、キャラクターの動作やサウンド設定、メニュー画面の切り替えなどが正しくおこなわれるように、プログラムしていきます。
当然のことながら、プログラミングスキルが必須の職種です。
会社によっては、未経験のゲームプログラマーも募集していますが、プログラミングに関する知識や経験があった方が、就職時は有利になるでしょう。
※満たすべき条件や設定、内容などを明確にしてまとめた書類です。多くの場合、この仕様書をもとに設計書を作成して、実際にプログラミングを進めていきます。なお、仕様書や設計書の呼び方はプロジェクトごとに異なることがあります。
ゲームクリエイターの年収はどれくらい?
厚生労働省の「職業情報提供サイトjobtag」によると、ゲームクリエイターの全国的な年収平均は、584.4万円(令和3年)です。
ただし、上記は業界の平均の金額であるため、実際には300万円~600万円程と差があります。
基本的には、中小企業よりも大手のゲーム会社の方が、年収・待遇面で恵まれた環境を得られる傾向があると言われています。
下記は、年齢別の年収イメージです。
出典:CREATIVE VILLAGE「ゲームクリエイターの仕事」
国税庁が発表している給与取得者の令和2年度の平均年収が433万となっているため、ゲームクリエイターの平均年収は比較的高いと言えます。
しかし、上記で紹介したゲームクリエイターの年収は、勤務する会社の大きさや契約形態(正社員・契約社員)・働き方・スキル(経験)・役割(職種)によって、年収は大きく異なりますので、参考程度にお考えください。
ゲームクリエイターは今後ますます必要とされる人材に
今やゲームは世界中で楽しまれているエンターテイメントの一つです。
今後は、IT技術の発展により、さらに進化したゲームが登場すると予想されています。
ゲーム業界そのものがますます発展していくことで、必然的に「ゼロからゲームを生み出せるスタッフが必要」となることが想像できます。
つまり、ゲームクリエイターは将来性にも期待できる職業と言えるでしょう。
ひょっとすると、人によっては「ゲームクリエイター=あまりかっこよくない」というイメージをお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、今や、ゲームクリエイターは「高校生のなりたい職業ランキング」に名が上がることもあるくらい、子どもの憧れの職業です。
e-sports(eスポーツ。電子機器を使っておこなう競技)の大会もよく開催されているため、子どもたちの間には「ゲーム=かっこいい」というイメージが浸透しつつあるのかもしれません。
また、ゲームクリエイターは、人を楽しませたり、感動させたりして、社会に貢献できる魅力的な仕事です。
「世の中の役に立つ」という面も持ち合わせているため、ゲーム作りに興味がある方は、将来の選択肢の一つとして持っておくと良いでしょう。
ゲームクリエイターになるには?資格は必要?
ゲームクリエイターになるには、どのような準備が必要なのか解説していきます。
資格は必要ないことが多い
結論からお伝えすると、特別な資格がなくてもゲームクリエイターになることはできます。
それこそ、資格よりも「実績やスキル(経験)」「クリエイティブな思考」「ゲームやゲーム会社への想い」などが重視されることもあります。
では、どのようにゲームクリエイターについて学べばよいか、また、実績やスキルを身につけるにはどんな方法があるかを紹介していきます。
ゲームクリエイターになるために必要な知識やスキルは?
ここではゲームクリエイターになるために必要な知識やスキルを紹介します。
といっても、先ほど紹介した職種ごとに必要となる知識やスキルが変わってきますので、それぞれ職種ごとに見ていきます。
まず、ゲームプログラマーであれば、ゲームをプログラムするためにプログラミング言語についての知識やスキルが必要になってきます。
グラフィックデザイナーでは、絵やデッサンの知識やスキルが必要になるとともに、イラスト作成ソフトや3DCG作成ソフトなど、専門的なデジタル系ソフトを扱うスキルも必要になります。
サウンドクリエイターは、音楽に関する知識やスキルが重要ですが、ただ曲を作るのではなくゲームの場面に合わせた作曲をするスキルが重要になります。
また、あわせて作曲や編曲をおこなう音楽系のソフトを扱うスキルも必要になります。
ゲームプランナーには、企画を作るための創造力や発想力、それを形にするための構成力といったスキルが必要になってきます。
また、企画の魅力を他の人に伝えるためのプレゼンテーション力やコミュニケーション能力といったスキルも大事になってきます。
シナリオライターも創造力や発想力、構成力が大事になるとともに、伝えたいことを文章としてまとめるための文章力や表現力が必要になってきます。
ゲームプロデューサーやゲームディレクターは、プロジェクト全体を管理するために、各職種の知識やスキルに加えて、ゲーム制作の実経験、スケジュール管理能力、多くの人と調整をするためのコミュニケーション能力など多くのスキルが必要になってきます。
そのため、最初はプログラマーやデザイナーとして入社し、経験を積んだのちにゲームディレクターやゲームプロデューサーにつくという形も多くあります。
また、どの職種であっても世間の「新しいもの」や「面白いもの」に対する感性や、それを掘り下げていく探求心が重要なスキルと言われています。
ゲームクリエイターの学校や講座などに通うのも方法の一つ
ゲームクリエイターになりたい場合、勉強方法は独学か学校で学ぶかの二通りあります。
ゲームクリエイターになるためのスキルや知識が学べる専門学校は各地に存在しています。
また、最近はゲームに特化したプログラミングやデザインを学べる大学も増えてきました。
例えば、大阪芸術大学の「キャラクター造形学科 ゲームコース」や東京工芸大学の「ゲーム学科」、大阪成蹊大学の「ゲーム・アプリケーションコース」などが挙げられます。
ゲーム作りについて本格的に学びたい場合は、高校卒業後の進路として、このような専門学校や大学も選択肢の一つとなるでしょう。
子どもの頃からでもゲーム作り・プログラミングは学べる
子どもの頃からでも、ゲーム作りやプログラミングの基礎を楽しく学ぶ方法はたくさんあります。
例えば、ゲームやアニメーション、絵本が作れる「Viscuit(ビスケット)」と呼ばれるプログラミングシステムは、仕組みが簡単であるため、幼稚園の年中や年長から楽しく触れます。
実際に、幼稚園や小学校の中には「Viscuit(ビスケット)」を活用した取り組みをおこなっているところもあります。
また、子どもプログラミング教室・LITALICOワンダーでは、5歳から高校生までの子どもが「Viscuit(ビスケット)」や「Scratch(スクラッチ)」といったプログラミング学習ツールを使って、アニメーションやゲームを作っています。
実際に生徒が制作したゲームも掲載されているので、子どもの頃からプログラミングをさせてみたいと思う方はこちらの記事もご覧ください。
ゲームクリエイターのやりがいは?
ゲームクリエイターとして働いたときに得られるやりがいは、人によってさまざまです。
しかし、「ゼロから作品を作りだす達成感」と「多くの人に喜んでもらえる」ということは、多くのゲームクリエイターが実感しているのではないかと考えられます。
一から作品を作り出す達成感
ゲームを作るためには、世界観、キャラクター、音楽、背景、すべてを一から生み出す必要があります。
何事にも共通することですが、何もないところからものを創り上げるという作業は、決して楽なものではありません。
ゲームクリエイターたちは、「魅力的なゲームに仕上げるためにはどのようにすべきか」話し合い、まわりの人と協力しつつ、長い時間をかけてアイデアを形にしていきます。
そのため、完成後は「自分の仕事をやりきった」だけでなく「皆で協力して作り上げた」という達成感も得られるでしょう。
さらに、ゲーム制作に関わった人の名前は、ゲームクリア後に流れるエンドロールに載ることもあります。
エンドロールで自分の名前を見たときは、より大きなやりがいを感じるかもしれません。
多くの人に喜んでもらえる
ゲームクリエイターのやりがいの一つは「自分が制作に関わったゲームを多くのひとに楽しんでもらえること」です。
具体的には、お店でゲームを購入している人を見かけたときや、レビューに熱意のある感想が書かれていたときなどに、より強く「ゲームクリエイターの仕事をしていてよかった」と思えるでしょう。
もちろん、高評価ばかりではなく、マイナスな意見が出ることもあるかもしれません。
しかし、そのような声を次のゲーム制作に活かし、さらに魅力溢れる作品を生み出すことは、ゲームクリエイターにとっての仕事の面白さでもあります。
子どもにもゲームを作ることはできる?
子どもにも「Scratch(スクラッチ)」や「Unity(ユニティ)」などのツールを使うことで、迷路ゲームやクイズゲームなど幅広いゲームを制作できます。
とくに、「Scratch(スクラッチ)」はプログラミングの学習環境でもあるため、ゲームを作りながら、プログラミングの構造を理解することが可能です。
LITALICOワンダーのプログラミング教室では、幼稚園年長~高校生へ向けて「Scratch(スクラッチ)」や「Unity(ユニティ)」を使った授業をおこなっています。
ゲーム&アプリエキスパートコースは、将来ゲームクリエイターとして活躍するために必要なスキルを身につけたい方にぴったりです。
また、プログラミング学習で身につく問題解決能力や創造力は、さまざまな業界で役立つため、「将来ゲームクリエイターになるのか、まだはっきりと決めたわけじゃない」という方もレッスンを受ける価値は十分にあると言えるでしょう。
教室は東京・神奈川・埼玉・千葉にある他、全国どこからでも参加できるオンライン授業もあります。
無料体験授業を実施しているため、まずは試してみるのがおすすめです。
ゲームクリエイターのまとめ
ゲームクリエイターは、今後ますます求められていくであろう職業です。
しかし、ゲームクリエイターといっても、幅広い職種があるため、まずは、具体的にどのような業務に携わりたいのかを明確にすることが大切です。
そして、自分に必要なスキルや知識が何かを理解した後に、プログラミング教室の体験レッスンに参加したり、CGデザインの本を読んだりと、次の行動へ移りましょう。