最終更新日:2023.03.09
公開日:2019.08.30
プログラミング検定とは?試験の難易度や小学生・中学生が資格を取得するメリットも解説します
プログラミング教育が必修化され、子どもにプログラミングを学ばせたいと考えている方も多いと思います。
ただ、子どもがプログラミングの勉強をしていても「成果って上がっているのかな?」「うちの子は今どの段階なのだろう?」と感じることはありませんか?
プログラミングには、受験や就職にも生かせる検定がいくつかあります。中には小学生や中学生向けのものもあるので、習い事をしながら検定合格を目指す子どもも少なくありません。
この記事では、小学生や中学生がプログラミングの検定を受けるメリットや、実際の検定の種類・難易度について紹介します。
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プログラミング検定とは?
まずはプログラミング検定の概要からお伝えします。
プログラミング検定といってもあまり馴染みがなく、イメージがわかないかもしれません。
プログラミング検定とは、筆記や実技などの試験を通してプログラミングのスキルを測り、合格不合格などを決めることです。
プログラミング検定に合格することで、客観的にスキルを証明することができます。
プログラミング検定には多くの種類があり、中には初心者向けの「ジュニア・プログラミング検定」などもあります。
試験のレベルや難易度・内容は?
プログラミング検定は数多くの種類があり、難易度もさまざまです。
小学生から受けられる検定もあれば、仕事でプログラミングの経験がある方向けの検定もあります。
プログラミングを始めたばかりであまり難しい検定を受けると、試験勉強につまずきモチベーションが下がることもあるので、最初に確認しておきましょう。
プログラミング検定の試験内容としては、プログラミングの知識問題の他に、試験時間内にプログラミングをおこなってスキルを測る、といった形式があります。
先ほど紹介した「ジュニア・プログラミング検定」では、Scratch(スクラッチ)というプログラミング教材を使用して、試験時間内に簡単なゲームをつくるという問題が出題されています。
試験会場もさまざまで、小学生や中学生向けのプログラミング検定だと、プログラミング教室や小学校中学校などで実施している場合もあります。
小学生や中学生が検定を受けるメリット
検定と聞くと、大人が受けるものというイメージがあるかもしれませんが、小学生・中学生が受けることにもメリットがあります。
プログラミング検定を受けるメリットとして 代表的なものとしては、
- プログラミング学習のモチベーション要因になる
- プログラミングスキルの現時点での立ち位置が確認できる
という2つが挙げられます。それぞれを簡単に見ていきましょう。
プログラミング学習のモチベーションになる
習い事に通っていても、モチベーションを保つのは難しい時があります。
続けていくうちに目標を見失って、なんとなく通わなくなってしまう、ということもよく聞く話です。
そういったときは、プログラミング検定を一つの目標にすることで、学習の意欲を高められるというメリットがあります。
また、今後定期テストや受験勉強する上で計画を立てて勉強するという経験にもなるでしょう。
現時点でのプログラミングスキルの確認できる
プログラミングの習い事をしていても、テストなど客観的にスキルを計る機会はあまりなく、「自分にどのくらいスキルがあるのだろう」と疑問に思う子どももいると思います。
プログラミング検定を受けることで、合格不合格や「●級」など自分のスキルが明確になります。
自分の立ち位置が確認できることで、自分に足りていない箇所や今後伸ばしていくスキルもわかり、学習が進めやすくなるというメリットがあります。
また、検定で証明されたスキルは今後の受験や就職にも活用できるメリットもあります。
こうした状況やメリットを踏まえて、この後は難易度別にプログラミング検定を紹介します。
小学生・中学生におすすめのプログラミング検定や試験
先ほども紹介したようにプログラミング検定は数多くの種類があります。
ここでは、その中で小学生や中学生におすすめのプログラミング検定を紹介します。
プログラミング能力検定
プログラミング能力検定とは、プログラミング能力検定協会が実施している検定のことで、「プログラミングの基礎となる知識を測る」ことを目的としています。
試験は難易度別に6段階に分かれていて、プログラミングの学習を始めたばかりの方から受けることが可能です。
試験内容は、動画を見ながら正解の選択肢を選んでいくといったものになっています。
高校の「情報」の授業や2024年から導入される大学入試の範囲もカバーするなど、学校の勉強や受験対策としての活用も想定されています。
名 称: プログラミング能力検定
受験資格: なし
受験会場: 全国のプログラミング教室、学習塾、学校など
日 程: 基本的に毎月実施。公式HPで確認できます。
ジュニア・プログラミング検定
ジュニア・プログラミング検定は、ビジネス能力や技能に関する認定試験を主催している株式会社サーティファイ主催の、子ども向けプログラミング検定です。
「プログラミング的思考を定着させ、その知識を土台とした創造の可能性を広げる」という目的で実施されています。
ビジュアルプログラミング言語のScratch(スクラッチ)を使って、問題文で与えられた条件を満たしたプログラミングをおこなうという出題形式です。
試験受講の際に一つのゲームや物語を作成するので、プログラミングを学習されている子どもにとっては、日ごろの学習の延長としてスキルを確かなものにすることができます。
Entry(4級)~Gold(1級)まで4つのレベルが設けられており、公式テキストも販売されています。
名 称: ジュニア・プログラミング検定
受験資格: なし(想定受験対象は小学生)
受験会場: 全国のプログラミング教室、学習塾、小学校など
日 程: 実施会場ごとに設定されています。公式HPで確認できます。
日商プログラミング検定
日商プログラミング検定は、IT人材育成のためのプログラミングのスキル・知識の体系的な学習のために創設された検定です。ENTRY、BASIC、STANDARD、EXPERTの4つのレベルが設定されていて、初級者から社会人、主婦の方まで幅広い層の方を受験対象としています。
特に「ENTRY」は、Scratch(スクラッチ)を使ったプログラミング的思考ができるか否かを問う問題が出題されるので、小学生や中学生が取り組みやすい検定試験です。
名 称: 日商プログラミング検定
受験資格: なし
受験会場: 全国のプログラミング教室、パソコン教室、商工会議所など
日 程: 実施会場ごとに設定されています。公式HPで確認できます。
高校生・大学生におすすめのプログラミング検定や試験
Java™プログラミング能力認定試験
Java™(ジャバ)プログラミング能力検定試験は、株式会社サーティファイ主催のJava™(ジャバ)に関する知識やコーディングスキルを問う検定試験です。
3級から1級までのレベル設定があり、3級はJava™(ジャバ)をこれから学習する初級者を対象としています。
レベルとしては、高校生以上が挑戦するレベルです。
Java™(ジャバ)プログラミング能力検定の2級と3級は「基本情報技術者試験」の出題形式も意識して作成されているので、基本情報技術者試験の受験につなげられるというメリットもあります。
また、サーティファイ主催のプログラミング検定は、Java™(ジャバ)の他に、C言語などの資格試験も開催されているので、Java™(ジャバ)以外の興味のある言語や普段使用している言語で受験するのもおすすめです。
名 称: Java™(ジャバ)プログラミング能力検定試験
受験資格: なし
受験会場: 公開試験会場
日 程: 全国一斉。級ごとに指定あり
基本情報技術者試験
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門資格とされています。
2019年5月の試験では、史上最年少の9歳の合格者が生まれ、話題になりましたが、合格率22%ほどの実務者向け難関資格です。
ITの知能・技能に関する評価指標ということで、ITエンジニアとしての技術の土台となる知識を幅広く身につけることができます。
また、現段階ではIT系の会社に新卒で入社を希望する場合には一定の評価が得られる資格です。
名 称: 基本情報技術者試験
受験資格: なし(想定対象者は社会人、理系の学生、文系の学生)
受験会場: 全国の指定会場
日 程: 会場ごとに設定
ちなみに、情報処理技術者試験のなかの「ITパスポート試験」というものもあります。
こちらは社会人やこれから社会人となる人が備えておくべきITに関する知識が問われる国家資格で、合格するとITに関する幅広い知識が身に付くだけでなく、就職活動や大学入試で評価されるというメリットもあります。
合格率は平成30年で51.7%なので、基本情報技術者試験よりも易しいと言えます。2017年には2名の小学生(9歳)が合格しています。
情報検定(J検)
情報検定(J検)は、文部科学省が後援し一般財団法人職業教育・キャリア教育財団検定試験センターが実施している検定試験です。
情報検定の中には3種類の試験がありますが、そのうち「情報システム試験」がプログラミングに関する検定試験です。
受験者層は、高校生や大学生、専門学校生が中心ですが、年齢制限などはないので知識さえ身に付ければ小学生や中学生も受験できます。
J検に合格すると、100以上の大学で入学試験の際に優遇されます。
名 称: 情報検定(J検)
受験資格: なし(受験者層の中心は高校生、大学生、社会人など)
受験会場: 全国の指定会場
日 程: (団体受験)全国一斉/(個人受験)公開会場にて指定日に実施
小学生・中学生がプログラミングの資格を取得するメリットは?
結論から言えば、小学生や中学生が取得しやすいプログラミング資格はあります。
また、2020年の小学校プログラミング教育必修化やITエンジニアが将来的に不足するという予測(2030年には79万人のITエンジニアが不足するとの予測もあります)などから、プログラミングを学ぶ子どもが増えており、プログラミング資格に挑戦する子どもの人数も増えています。
そのような状況の中で、小学生・中学生がプログラミング資格を取得する主なメリットは以下の2点です。
- プログラミング学習のモチベーション要因になること
- プログラミングスキルの現時点での立ち位置が確認できること
プログラミングの資格の取得を目指すときの注意点
プログラミング関連の資格取得を第一に考えないほうが良い場合もあります。
プログラミングの資格はあくまで目安
ビジネスの現場では、資格よりもスキルや制作物が重視される傾向があります。
資格は目安になりますが、プログラミングを使ってどんなことができるか、プログラミング的な考え方を理解しているか否か、という点がより重要です。
資格取得のための学習に傾くと子どもが飽きてしまう可能性も
資格取得のためにテキストを使って学習を続けていると、子供が飽きてしまう可能性があります。
大会に向けて難易度の高い制作物を作ったり、プログラミング教室で新たな課題にチャレンジしたりする方が、子どもの主体的な学びやスキルの習得につながりやすいこともあります。
したがって、資格はあくまでモチベーションを高めたり、客観的にプログラミングスキルを確認したりするための一つの方法として考える程度で問題ありません。
プログラミングを楽しく学ぶならLITALICOワンダー
プログラミングを学ぶ方法として、「プログラミング教室」があります。
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プログラミング検定についてのまとめ
全国的にプログラミング学習の熱が高まっていることもあり、小学生や中学生でも受験できるプログラミング資格が増えています。
プログラミング資格の取得を目指すことで、学習意欲を高めたり、子どものスキルを客観的に確認したりすることができます。
他に、モチベーションを高める方法としては、ロボット大会やプログラミングの発表会に参加する方法もあります。
特に、小学生・中学生の場合には、資格取得以上に大会や発表会のほうが大きくスキルやモチベーションを高めてくれることも珍しくありません。
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監修LITALICOワンダー サービス開発グループ 和田 沙央里(わだ さおり)
監修
LITALICOワンダー サービス開発グループ 和田 沙央里(わだ さおり)2014年3月株式会社LITALICOに入社。5歳〜高校生の子どもたちが通うIT×ものづくり教室「LITALICOワンダー」の立ち上げで渋谷教室の開設当初から約3年間、300名以上の通塾生徒にプログラミングの指導を続けた。2016年度は総務省「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」事業のプロジェクト責任者を務めた。現在はカリキュラム・教材開発に携わる。大学では発達心理学・教育心理学を専攻し、卒業後は都内の大手IT企業で金融系基幹システムの開発に従事、現職に至る。
著 :『使って遊べる!Scratchおもしろプログラミングレシピ』翔泳社
監修:『スラスラ読める UnityふりがなKidsプログラミング ゲームを作りながら楽しく学ぼう! 』インプレス社
監修:『子どもから大人までスラスラ読める JavaScriptふりがなKidsプログラミング ゲームを作りながら楽しく学ぼう! 』インプレス社