最終更新日:2023.02.11
公開日:2022.09.30
- プログラミング
- 小学生
小学生のプログラミング学習の教材や言語をご紹介!メリットも解説
2020年に小学校でプログラミング教育が必修化されたこともあり、プログラミングは今後ますます注目されていくと予想されます。
実際に「小学生のうちから子どもにプログラミングを学ばせたい」とお考えの保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし「プログラミングはどうやって学習したらいいの?」や「プログラミング学習のメリットは?」など、疑問を抱いている方も多いかもしれません。
そこで今回は、小学生向けのおすすめのプログラミング学習教材や、無料のプログラミングゲームなどを紹介していきます。
小学生のプログラミング学習が大切な理由とは?
2020年に小学校でプログラミング教育が必修化されたこともあり、プログラミングが注目を集めています。
実際にテレビなどでも取り上げられたり、子どもから「プログラミングを学んでみたい」と言われているご家庭もあるのではないでしょうか。
しかし、プログラミングといってもなかなかイメージがわかず、なぜ小学校から学ぶのか、疑問に思う方もいるかもしれません。
プログラミングを学ぶことが大切な理由として、子どもたちが将来社会に出てから必要となる「プログラミング的思考」を身につけることができる、ということが挙げられます。
プログラミング的思考はあまり聞きなれない言葉だと思いますが、文部科学省では
「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」
としています。
簡単に言うと、何か目的があったときに達成のための方法を洗い出して、どうすれば効率よい方法になるのかを論理的に考えていく力、といった意味になります。
といってもピンとこないと思いますが、実はプログラミング的思考は日常生活でも使われています。
例えば「肉じゃが」を作りたいという目的があったときに、
- 必要な材料と調理工程を洗い出す
- スーパーで買い物をする
- 材料を切る
- 材料を鍋に入れて煮る
と解決のための工程を洗い出して、順番に実行していきます。
その中で、スーパー店内の周り方や材料を入れる順番を工夫するなど、自然と効率も意識するでしょう。
このような一連の流れにプログラミング的思考が用いられています。
学校生活や将来仕事をしたときも、目的達成や問題解決のために、こういったプログラミング的思考を活用していくことが大事になります。
そして、プログラミングを学ぶことでゲームやアプリを作れるようになるだけでなく、プログラミング的思考という問題解決の手段を身につけることができるとされています。
小学生のプログラミング教育について
では次に小学生のプログラミング教育について見ていきます。
プログラミング教育は文部科学省の「学習指導要綱」に定められており、2020年に小学校で必修化されたのをはじめ、現在では中学校、高校でも必修化されています。
プログラミング教育と聞くと「専門的なプログラミング言語を学ぶのか?」「ずっとパソコンを見ているのでは?」と思う方もいると思います。
しかし、小学校のプログラミング教育では、基本的にタブレットなどを用いて、これまでの教科にコンピュータを使った学習方法をプラスしていくといった形でおこなわれていきます。
小学校のプログラミング教育では、タブレットなどを活用した授業や、目的のための手順が必要と知る体験を通して、コンピュータやプログラミング的思考に親しむことを目指しています。
その後は、中学校では簡単なプログラミングを実践する、高校では実際にコンピュータを使って問題の解決を計っていく、と段階を踏んで学んでいきます。
小学生がプログラミング学習をおこなうメリット
小学生がプログラミング学習をおこなうメリットは先ほどのプログラミング的思考が身につくほかにも以下があります。
- コンピュータに親しむことができる
- 将来の選択肢を広げることができる
それぞれを紹介していきます。
コンピュータに親しむことができる
これからの社会では、日常生活でも仕事でもコンピュータを活用する能力が重要になるといわれています。
インターネットを使って情報を集めたり、自ら発信していくための情報活用能力とともに、情報を適切に扱うための情報モラルや情報セキュリティの意識も大切といわれています。
子どものころからプログラミング学習でコンピュータに親しむことが、この情報活用能力や情報セキュリティ能力を養うことにつながっていきます。
将来の選択肢を広げることができる
2つ目はプログラミング学習をすることで、将来の選択肢を広げることができるという点です。
ここでは、大学入試と就職について紹介します。
プログラミング教育が必修化されたことにより、2025年度から大学入学共通テストでプログラミングについても出題される「情報」の教科が追加されることになりました。
また就職においては、2030年にはコンピュータに関わる「IT人材」が大幅に不足すると経済産業省が発表し、「2030年問題」としてニュースでも取り上げられました。
もちろんどういった道を選ぶかはその子次第です。
しかし、こういった背景もあり、今のうちからプログラミングを学んでいくことが、子どもの将来の選択肢を広げていくことにつながるといえます。
小学生向けのプログラミング教材はどんなものがある?
授業の例でも紹介したように、小学生のプログラミング学習ではいきなり本格的なプログラミング言語を学ぶのではなく、まずはコンピュータに親しむことが大事です。
そのために子どもが楽しめるさまざまな教材がありますので、ここでいくつか紹介します。
- ゲーム
- アプリ
- ロボット
- 本(漫画)など
それぞれのプログラミング教材について、特徴を簡単にまとめていきます。
ビジュアルプログラミング言語
プログラミング言語には、「Swift(スウィフト)」や「Python(パイソン)」など、いくつかの種類があります。
しかし、これらは英数字のコードを理解する必要があり、小学生が学習するには難しい部分が多いため、まずは「ビジュアルプログラミング言語」から学ぶ方法がおすすめです。
ビジュアルプログラミング言語とは?
ビジュアルプログラミング言語は、目で見てわかりやすいブロックやアイコン、イラストや図形などを操作することで、プログラミングができるという特徴があります。
一般的なプログラミング言語の場合、英語のコードがずらりと並んでいるため、大人であっても、プログラミングに慣れていない方だと「よくわからない」と感じてしまいます。
しかし、ブロックや図を使うビジュアルプログラミング言語であれば、小学生でも楽しみながら、プログラミング学習をスタートできるでしょう。
ビジュアルプログラミング言語がおすすめの理由
小学生の場合、「そもそもパソコンのこともまだよくわかっていない」「タイピングに慣れていない」ことも十分に考えられます。
ビジュアルプログラミング言語の場合、キーボードをタイピングして文字を入力するのではなく、マウス操作がメインになるため、小学生を含め、誰もが使いやすい仕様になっています。
まずは、どのような言語であるのかをより深く理解するためにも、ビジュアルプログラミング言語を使った無料学習サイト、「Viscuit(ビスケット)」や「Scratch(スクラッチ)」などにアクセスして、自由に遊んでみましょう。
ゲーム
ゲーム系のプログラミング教材は、遊び感覚で楽しく学べる点が特徴です。
パソコンでWebサイトにアクセスして遊ぶゲームのほか、スマホやタブレットでアプリをダウンロードしてプレイするタイプもあります。
ブロック系や冒険ストーリー系など、ジャンルは幅広く、なかには無料で遊べるゲームもあるため、気軽に試すことができます。
アプリ
ゲームとは別に、プログラミング学習用のアプリもあります。
学習用のアプリでプログラミングを学習するメリットは、スマホ・タブレットがあれば学習可能である点です。
自宅にパソコンがなくてもよいため、プログラミング学習の一歩として、気軽に始めたい方にぴったりの学習方法と言えるでしょう。
また、ゲーム同様に完全無料もしくは一部無料で使えるアプリも存在しています。
ロボット
ロボット系のプログラミング教材の特徴は、ものづくりとプログラミングをどちらも楽しめる点です。
自分の手で作ったロボットを実際に動かせるため、わくわく感が得られます。
商品の例としては、有名なブロック「レゴ」のプログラミング教材や、ひとつで何種類ものロボットを組み立てられるロボットキットなどが挙げられます。
ブロックの難易度は各商品ごとに異なるため、子どもの年齢に合わせて選びましょう。
本(漫画)など
プログラミングについて学べる子ども向けの書籍も多数販売されています。
ふりがながふってあったり、ページがカラフルになっていたりと、小学生にも親しみやすい内容です。
子どもと一緒に「そもそもプログラミングとはどのようなものなのか?」全体像を掴みたいときにもおすすめの学習方法と言えるでしょう。
多くの本のオンラインショップでは試し読みができるため、購入前に本の雰囲気を掴んでから購入することができます。
無料でできる小学生向けのプログラミング学習サイト
小学生向けのプログラミングゲームや学習サイト(ソフト)をご紹介していきます。
紹介しているものの中には、完全無料で遊べるものや、一部のみ無料でプレイできるものをピックアップしているため、子どもと一緒に気軽に試してみましょう。
Viscuit(ビスケット)
画像引用:ビスケット
Viscuit(ビスケット)は、「めがね」と呼ばれる単純な仕組みを使って、アニメーションやゲーム、絵本などが作れる教材です。
組み合わせ次第で、さまざまなことができるため、小学生はもちろんのこと、幼稚園生から高校生まで幅広い方に親しまれています。
また、遊び方の動画は「かんたん」「ふつう」「むずかしい」の3つに分かれているため、子どもの年齢やスキルに合わせて選び、わかりやすい説明を見ることができます。
Scratch(スクラッチ)
画像引用:Scratch
Scratch(スクラッチ)は、8歳~16歳を対象年齢に設定しているため、小学生にもおすすめのプログラミング教材です。
基本的には、マウス操作のみでブロックを組み合わせてアニメーションやゲームが作れるので、キーボード操作に慣れていない小さなお子さんにも取り組みやすい教材といえるでしょう。
また、作った作品を世界中の人に見てもらえる点も大きな特徴です。
まずは、初心者向けのチュートリアル動画(説明動画)をチェックしてみましょう。
CodeMonkey(コードモンキー)
画像引用:CODEMONKEY
CodeMonkey(コードモンキー)は小学校3年生〜5年生の方におすすめのゲームです。
主人公のサル、モンタと一緒に冒険しながら、プログラミングのコードを学んでいきます。
「冒険の途中で新しい仲間と出会う」など、楽しいストーリー形式になっているため、飽きずに学習を続けやすい点が特徴です。
最初の30ステージは無料で遊ぶことができます。
Springin'(スプリンギン)
画像引用:Springin’
Springin’(スプリンギン)は、スマホやタブレットでプレイできる無料アプリです。
難しいコードがわからなくても、ボタンで絵や写真に条件をつけることでゲームや絵本を作って楽しめます。
また、作ったゲームを「マーケット」と呼ばれる場所にアップして、他の人に遊んでもらったり、反対に人の作ったゲームをプレイしたりすることも可能です。
公式コンテスト(チャレンジ企画)なども開催されているため、アプリに慣れてきたら、挑戦してみるのもおもしろいかもしれません。
プログラミングゼミ
画像引用:プログラミングゼミ
プログラミングゼミは、小学校でも活用されることのある無料のオンライン教材です。
「おおきくなる」「みぎをむく」「はんたいをむく」などの文字が書かれたブロックを組み合わせながら、キャラクターを動かして遊ぶことができます。
ブロックの文字はひらがなで書かれているため、漢字が読めなくても問題ありません。
パソコンで遊ぶブラウザ版の他、スマホやタブレットでプレイできるアプリ版もあります。
小学生がプログラミング教室に通うメリットは?
まずは、小学生がプログラミング教室に通うことで身につく能力をご紹介します。
- アイデアをゼロから生み出す力
- イメージしたことを形にして実現させる力
- 人の意見を聞く力・質問する力(コミュニケーション能力)
- 発表・発信する力(プレゼンテーション能力) など
たとえば、自分で考えたアイデアを、ロボットやゲームなどの形に仕上げていく過程を通して創造力を育むことができます。
また、「自分の力で作れた」という経験を積み、自信へと繋げることもできるでしょう。
上記の能力はすべて、学校生活だけでなく、これからの社会を生きていくうえで、重要となる要素ばかりです。
そのため、小学生のうちからプログラミング教室に通うことは、将来の選択肢を広げてくれる可能性も秘めています。
また、「小学校以外の場で友達ができる」など、能力向上以外のメリットもあります。
ものづくりが好きな子どもにはロボット教室もおすすめ!
ものづくりが好きな小学生の場合、ロボットづくりを通してプログラミングが学べるロボット教室に通う方法もおすすめです。
ロボット教室の授業では、自分で組み立てたロボットをイメージ通りに動かすために、さまざまなプログラミングをおこないます。
たとえば「ペットロボ」などのテーマで製作するとしても、使用する教材や作り方によって難易度は低いものから高いものまで幅広くあるため、年齢やスキルをふまえて一人ひとりに合った教材を選ぶことが可能です。
また、ロボット教室に通っている小学生のなかには、ロボットコンクールにチャレンジして思い出を作ったり、成果を残したりする子どももいます。
LITALICOワンダーのプログラミング教室・ロボット教室もご検討ください
LITALICOワンダーのプログラミング教室・ロボット教室は、「IT×ものづくり」をテーマにした学びの場を提供しています。
一人ひとりの「つくりたい」という気持ちを大切にし、自分の力でアイデアを生み出し、形にする力を育んでいきます。
また、ゲーム制作をメインにしたコースや、ロボットを扱うコースなどから選べるため、興味のあるジャンルでのびのびと学ぶことが可能です。
オンライン教室もあります
LITALICOワンダーのプログラミング教室は、東京・神奈川・埼玉・千葉にあります。
また、自宅の近くに教室がない方や、自宅学習を希望する方はオンライン教室が利用できます。
講師と生徒はお互いの顔を見つつ画面を共有するため、対面の授業と同じように、わからない点はすぐに質問できる環境が整っています。
さらにオンライン授業では、スタッフ1人に対して生徒1〜2人なので、コミュニケーションがしっかりとれ、楽しく授業できる点がLITALICOワンダーのオンライン教室の魅力のひとつです。
プログラミングの無料体験も可能です
LITALICOワンダーでは、プログラミングの無料体験授業を開催しています。
また、気になるコースは2コースまで無料体験できるので、「ゲーム&アプリプログラミングコース」や「ロボットクリエイトコース」どちらのコースが子どもに向いているのかわからない、といった場合も、両方参加したうえで判断できます。
もちろん、オンラインでも同様に無料体験ができます。
その他、疑問点や気になることがある方は、お気軽にお問い合わせください。
小学生のプログラミングのまとめ
小学生のプログラミング学習は、無料のオンライン教材で学んだり、ロボットなどの教材を使って自宅学習したりと、いろいろな方法があります。
しかし、学習途中でわからなくなったときに、周囲にうまくサポートしてくれる人がいないと、プログラミングに対して苦手意識を感じてしまう可能性もゼロではありません。
もしも、自宅でのプログラミング学習に限界を感じたら、小学生向けのプログラミング教室に通うことも視野に入れてみるとよいでしょう。