最終更新日:2023.11.14
公開日:2019.06.23
- プログラミング教育必修化
小学校のプログラミング教育必修化が開始!何年生から学ぶの?
2020年度から小学校のプログラミング教育が必修化され、プログラミング学習の注目度や認知度も高まってきています。しかし、何年生からどのようなことを学ぶのかといった、具体的なことについては保護者の方々にも子どもたちにも、あまり浸透していないのが現状です。
そこで、今回は必修化された小学校でのプログラミング教育の内容、何年生からどのように学習するのかについてご紹介します。さらに、家庭やプログラミング教室でプログラミングを学ぶ際には、何年生からスタートするのが良いかについても解説します。
小学校では2020年度から、中学校では2021年度からプログラミング教育が必修化
平成29年に告示された新学習指導要領において、小学校では2020年度から、中学校では2021年度からプログラミング教育が必修化されることが公表されています。
中学校ではすでに「技術・家庭」の技術分野の授業でプログラミングが導入されていますが、新学習指導要領では2021年以降「計測・制御システムの仕組みを理解し,安全・適切なプログラムの制作,動作の確認及びデバッグ等ができる」ことなど、従来よりも踏み込んだ内容が記載されています。
しかし、誤解されがちなことですが、小学校・中学校のいずれにおいても「プログラミング」という科目が新設されるわけではありません。
そして、新学習指導要領やその他の資料に、何年生でどのようなプログラミングを学ぶのかという具体的な内容が明記されているわけでもありません。
学習内容の具体案は新学習指導要領に基づいて、各市町村の教育委員会や各教育現場で詳細が定められていきます。
なお一部の地域では、必修化に先駆けてプログラミング教育を実施してきた自治体もあります。
その他、各小学校ですでにプログラミング教育がはじまっており、文部科学省が運営するサイトなどで学習事例を見ることができます。
「小学校プログラミング教育の手引き」などで紹介されている学習事例
では、実際のプログラミング教育の事例を見ていきましょう。文部科学省が公表している「小学校プログラミング教育の手引き」や同省が運用している「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」では、こういった事例が紹介されています。
たとえば、「小学校プログラミング教育の手引き」では、以下の学習内容が紹介されています。
- 4年生(音楽)・・・様々なリズムやパターンを組み合わせた音楽づくりを、プログラミングを通して学習
- 4年生(社会)・・・都道府県の特徴を組み合わせて、名称と位置を学習
- 5年生(算数)・・・プログラミングを通して正多角形の意味を把握し、その理解に基づき正多角形を描く学習
- 6年生(理科)・・・身の回りに電気の性質を利用した道具があること等を、プログラミングを通して学習
また、これらの学習の他に、総合的な学習におけるプログラミング学習指導例が掲載されています。
さらに「未来の学びコンソーシアム」には低学年での学習も紹介されています。
- 2年生(国語)・・・主語と述語を組み合わせる学習
- 3年生(音楽)・・・まとまりのあるリズムやリズムループを作る学習
学校の中だけに留まらず、外部の民間企業などと協力し、自分たちの生活とプログラミングの関係を学ぶ取り組みも行われています。
「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」では、香川県の小学校の例が取り上げられています。この小学校では、自動車メーカーが保有する地元の研修施設と連携しプログラミング教育を実施。まず施設で衝突軽減ブレーキの実演を見学した後、プログラミング教育用ロボット「embot(エムボット)」を使って、「ロボットカーが目的の場所に行って帰ってくる」、「衝突防止プログラミングをつくる」といった課題に取り組みました。
他にもIT企業からゲストティーチャーを招くといった例も登場し、官民が協力してプログラミング教育が進められています。
「プログラミング教育=プログラマー養成ではない」
小学校や中学校でおこなわれているプログラミング教育は、プログラマー養成を目的としているわけではありません。
ですので、いつからプログラミング学習をスタートすべきかという問題を考える際にも、将来の職業などを強く意識する必要はありません。
プログラミングを学ぶメリットは多数ありますが、小・中学校の教育で最も重視しているのは「プログラミング的思考」を身につけることや、身近な生活でコンピューターの仕組みが利用されていることを知ることです。
プログラミング的思考とは、自分が意図する動きをコンピューターにさせるにはどんな命令をどんな順序でおこなえば良いのかを論理的に考える力のことを指します。
物事を論理的に考える力は、将来どのような職業に就く場合でも必要とされる力です。
小学生からプログラミングを学べるか否かを不安視されている保護者の方は、以下のポイントを押さえておくといいでしょう。
- 小・中学校でのプログラミング学習は専門的なコードの記述や難しいPC操作を必要とする学習ではないこと
- PCにあまり触れたことのない小学校低学年の子どもにも、ビジュアルプログラミング言語やプログラミング学習ツールを使い、マウス操作で視覚的にプログラミングが学習できること
- 多くのプログラミング教室では、幼児や小学校の低学年からでも通えること
したがって、「プログラマーになるためには何年生から学ぶべき」「プログラミング学習は低学年の子どもにはまだ早い」などということは、意識する必要はないのです。
プログラミング教育は本人のやる気次第でいつからでもスタートできる
結論を言えば、プログラミング教育は子ども本人のやる気次第で、何年生からでもスタートできます。
日本に先駆けてプログラミング学習を取り入れている国々においても、プログラミングを通して身につけられる論理的なものの考え方は、読み書きや計算のように子どものうちに身に付けるべき基礎的な学力という位置づけとしてとらえられています。
そして、上述の通り日本の教育も同様の考えに基づいて行われようとしています。
小学生がコンピューターでプログラミングを学ぶというと違和感を持たれるかもしれませんが、文章の読み書きや計算と同じように、子どものうちに身につけるべき基礎的な学力という位置づけです。
低学年・低年齢からプログラミング学習をするにはプログラミング教室がおすすめ
幼児や小学校低学年の子どもがプログラミング学習をするには、家庭でプログラミング学習ツールを利用して学ぶか、プログラミング教室に通うかのいずれかの方法が考えられます。
家庭教育はコストを抑えられますし、子どもが自分のペースで学習を進められるというメリットがあります。
最近は、オンラインで学べるツールも充実しています。しかし、興味関心やスキルに合うツールが見つからなかったり、教えてくれる人が身近にいなくて長続きしなかったりする場合があるでしょう。
プログラミング教室に通えば、スキルや興味に合わせて効果的な学習を行うことができます。
また、様々なツールの中から子どものレベルややりたいことに合ったものを選ぶことができる教室も存在します。
スケジュールや費用の都合がつけば、プログラミング教室に通われることをおすすめします。
プログラミング教育の必修化のまとめ
プログラミング教育の必修化は、小学校では2020年度から開始されました。
また中学校では2021年度からこれまでよりも踏み込んだ内容へと、プログラミング教育が強化されています。
先駆けて導入している海外の国々と同様、日本の教育におけるプログラミング学習では、プログラマーの養成ではなくプログラミング的思考、いわば論理的なものの考え方という基礎的な学力の習得に重きが置かれています。
そのため、プログラミング学習は、低学年・低年齢からスタートできる学習であるといえます。
東京・神奈川・千葉・埼玉にプログラミング教室を展開しているLITALICOワンダーでは、5歳から受講できる「ロボットクリエイトコース」や、小学1年生から受講できる「ゲーム&アプリプログラミングコース」・「デジタルファブリケーションコース」などがあります。
それぞれ無料体験もおこなっていますので、まずは一度お気軽にお問い合わせください。
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監修LITALICOワンダー サービス開発グループ 和田 沙央里(わだ さおり)
監修
LITALICOワンダー サービス開発グループ 和田 沙央里(わだ さおり)2014年3月株式会社LITALICOに入社。5歳〜高校生の子どもたちが通うIT×ものづくり教室「LITALICOワンダー」の立ち上げで渋谷教室の開設当初から約3年間、300名以上の通塾生徒にプログラミングの指導を続けた。2016年度は総務省「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」事業のプロジェクト責任者を務めた。現在はカリキュラム・教材開発に携わる。大学では発達心理学・教育心理学を専攻し、卒業後は都内の大手IT企業で金融系基幹システムの開発に従事、現職に至る。
著 :『使って遊べる!Scratchおもしろプログラミングレシピ』翔泳社
監修:『スラスラ読める UnityふりがなKidsプログラミング ゲームを作りながら楽しく学ぼう! 』インプレス社
監修:『子どもから大人までスラスラ読める JavaScriptふりがなKidsプログラミング ゲームを作りながら楽しく学ぼう! 』インプレス社