最終更新日:2023.03.10
公開日:2022.09.02
- プログラミング言語
プログラミング言語とは?種類や一覧、初心者が選ぶときのポイントを解説します
小学校からプログラミング教育が必修化したことで、さまざまな場所でプログラミング関係の言葉を耳にすることが増えてきました。
その中でプログラミング言語という言葉を聞くこともあるのではないでしょうか。
しかし、プログラミング教育にも関わる言葉だとはわかっても、「具体的にプログラミング言語ってなんだろう」「子どもに教える必要はあるだろうか」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか?
この記事では、プログラミング言語の種類や特徴、子どもでも学べるプログラム言語のポイントを紹介します。
プログラミング言語とは
プログラミング言語という言葉は聞いたことがあっても、具体的にどういったものかはわからないという方も多いのではないでしょうか。
プログラミングとは?
プログラミング言語の紹介の前に、まずプログラミングについて説明します。
プログラミングとは、コンピュータを動かす為の指示を順番に書くことを言います。
今ご覧いただいているホームページや、子どもが楽しんでいるビデオゲームなどもプログラミングによって作られています。その中で、
「ホームページのアイコンをクリックしたら別のページにつながる」
「ゲームでボタンを押したらキャラクターがジャンプする」
といったことが可能となるのがプログラミングです。
プログラミング言語とは
プログラミング言語は「コンピューターに指示を伝えるために使用する、専門の言葉」のことです。
コンピューターに指示をする際は、人間と同じ言葉では伝わりません。
先ほどの例でいうと、「ボタンを押したらキャラクターがジャンプする」という動作をしてほしい場合は、その言葉をそのまま伝えてもコンピューターには理解できません。
そこで必要になるのがプログラミング言語です。人間の言葉をコンピューターが理解できるプログラミング言語で伝えることで、目的の動作を実行させることが可能となります。
プログラミング言語によって何が違うの?
プログラミング言語について調べていると、JavaやC言語などさまざまなプログラミング言語の種類を目にすることと思います。
プログラミング言語は現在約300言語以上あると言われているほど、膨大にあります。
コンピュータに指示を出すだけで、なぜそれほど必要になるのでしょうか。
それは、つくりたいものによってプログラミング言語にも得意不得意があるためです。
ホームページを作ることに向いているプログラミング言語もあれば、ゲーム制作に向いているプログラミング言語もあります。
また、プログラミング言語自体に難易度があり、子どもや初心者にも扱いやすいものや、複雑だけど高度なプログラミングができるものなどがあります。
他にも、AI(人工知能)の制作に向いているプログラミング言語など、時代に合わせて新たなプログラミング言語が開発されていきます。
こういった理由から、数多くのプログラミング言語が存在しています。
プログラミング言語の種類は?
プログラミング言語はつくりたいものにより、種類が分かれていると紹介しましたが、その中から代表的なものを紹介していきます。
一例として以下の種類について見ていきます。
- webサイト系言語
- アプリ系言語
- ゲーム系言語
- ソフトウェア系言語
Webシステム系言語
プログラミング言語の中でも、Webサイトの作成や運用に適した言語のことです。
文章や画像などを載せたり、クリックするとリンク先につながったり、Web上で検索ができるようにしたりといった動作も、こういったWeb系プログラミング言語によって実現しています。
現在ご覧いただいているページや、さまざま企業のホームページ、各種SNSなどもこれらのプログラミング言語によって作成されています。
「HTML(エイチティーエムエル)」「CSS(シーエスエス)」「Java Script(ジャバスクリプト)」「PHP(ピーエイチピー)」「Ruby on Rails(ルビーオンレイルズ)」などが代表的です。
アプリ系言語
スマートフォンやタブレットなどの端末で機能する「アプリケーション」の開発に向いている、プログラミング言語のことです。
アプリの中でもiOSは「Swift(スウィフト)」Androidは「Kotlin」「Java」を使用することが多いなど、さらに分かれています。
ゲーム系言語
プログラミング言語の中でも、ゲーム制作に向いている言語です。
主にパソコンや家庭用ゲーム機向けのゲームに使用され、ゲーム上でキャラクターを操作させることや、イベントを発生させるなどの動作を行います。
「C++(シープラプラ)」「C#(シーシャープ)」などの言語が使われます。
ソフトウェア系言語
ソフトウェア系言語は、WindowsやMacなどのOS上で動くソフトウェアの開発に使用されるプログラミング言語のことです。
インターネットを見るためのブラウザや、Excelなどの表計算ソフト、Wordなどの文章作成ソフトも、このソフトウェア系言語を使用して作成されています。
「C言語(シー)」「C++」「C#」「Java」などが代表的な言語です。
このように、プログラミング言語によって得意な分野が異なります。といっても、得意な分野が複数あるプログラミング言語も多くあります。
こういった種類は、どのプログラミング言語を学習したらいいのかの判断にも役立ちます。
プログラミング言語ごとの特徴やできることは?
プログラミング言語について、代表的なものをいくつか紹介していきます。
子どもにも学習しやすいように、比較的難易度が低いものから見ていきましょう。
プログラミング言語の一覧
プログラミング言語の代表的なものの一覧はこちらです。
難易度などはあくまで目安ですので、ひとり一人によって異なってきます。気になったものは実際に触れてみるなどして確かめてみるといいでしょう。
テキストプログラミング言語とビジュアルプログラミング言語
プログラミング言語には「テキストプログラミング言語」と「ビジュアルプログラミング言語」という分類があり、学習の難易度が違っています。
プログラミング言語というと、キーボードを使って画面に英数字を打ち込んでいくというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
そうやってテキストでコンピューターに指示を出すプログラミング言語を、テキストプログラミング言語といいます。
基本的に私たちが現在使っているアプリやソフトウェアはこのテキストプログラミング言語で作られています。
対してビジュアルプログラミング言語とは、文字だけでなくブロックなど視覚的にわかりやすいものを使ってプログラミングをしていく言語です。
例えばScratchでは、カラフルなブロックを組み合わせるだけでコンピューターに指示を与えることができます。
ビジュアルプログラミング言語は直感的に操作できるという利点があり、そのため学習用の教材として使われることが多いです。
最近では、マウス操作でアイコンなどを組み合わせることでネットショッピングのサイトやアプリがつくれるなど、ビジュアルプログラミング言語のような形でプログラミングができるツールなども出てきていて、常に便利に進化をつづけています。
Viscuit
Viscuitは「コンピューターは粘土だ!!」というコンセプトのもと、簡単な操作で絵に動きを付けて、絵本やゲームなどを作ることができるビジュアルプログラミング言語です。
「メガネ」と呼ばれる画面上のツールを用いて、自分で描いた絵を動かしていきます。言葉を使用しないため、未就学の子どもでもプログラミングが体験できるという特徴があります。
パソコンやタブレットがあればできるため、まず子どもにプログラミングを触れさせてみたいという場合に適しているといえます。
Scratch
Scratchは直感的にゲーム制作が行える、ビジュアルプログラミング言語です。
世界中でプログラミング教材として使用されており、指示の書かれたブロックをつなげていくだけという直感的な操作で子どもにも簡単に扱うことができます。
ブロックの指示やキャラクターは用意されたものだけでなく、自分で作成することができるため、慣れてくると複雑なゲーム制作も可能となります。
Scratchは8歳から16歳の子どもを対象としたプログラミング言語です。また、さらに簡単にしたScratch Jrは5歳から7歳向けと低年齢向けに作られているため、初めてプログラミングをするという子どもにも向いているといえるでしょう。
HTML
HTMLとは、「ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ(Hyper Text Markup Language)」の略であり、主にWebサイトを作成するときに使われるプログラミング言語です。
HTMLは難易度が比較的低く、子どもや初心者でも学びやすいという特徴があります。
PHP
PHPは掲示板などのWEBシステムの作成などに使われることが多いプログラミング言語です。
こちらも世界中で使用されており、日本語での解説や書籍などもたくさんあります。
比較的難易度が低く、Webサイトを作りたいという方が始めるのにも向いているといえるでしょう。
Ruby
RubyはWebシステム開発に使用されるプログラミング言語です。
日本人によって開発されていて、日本語での解説などの情報が多くあります。
「書きやすく、読みやすい」をコンセプトにしており、シンプルな構造をしているため子どもや初心者でも扱いやすくなっています。
Python(パイソン)
PythonはAI(人工知能)開発やWebアプリケーションの作成に使われるプログラミング言語のことです。
AIが注目されるとともに、Pythonの重要度も高まっています。今後もAI技術の発展とともに需要が増えていくことが予想されています。
比較的シンプルなため、プログラミング言語を初めて使う方でも扱いやすい言語となっています。
JavaScript(ジャバスクリプト)
JavaScriptとは、Webサイトに動きを付けることができるプログラミング言語です。
Webサイトでキャラクターが動いたり、吹き出しがポッと出てきたりといったアニメーションはこのJavaScriptで作られています。
JavaScriptはHTMLに組み込んで使うなど、Web制作する上では基本的なプログラミング言語です。
C#
C#はMicrosoft社が開発したプログラミング言語で、アプリや家庭用、パソコンゲームの製作に使用されています。
「Unity」というゲームエンジンで採用されており、ゲーム開発には欠かせないプログラミング言語といえます。
Unityは個人で扱いやすいゲームエンジンのため、ゲーム制作を始めてみたいという方にも向いているプログラミング言語といえます。
Swift
SwiftはApple社が開発したプログラミング言語です。iPhoneなどのiOSや、MacなどのmacOSで動かすことのできるアプリケーションなどの制作に向いています。
iPhoneのアプリを作りたい、という場合には重要となるプログラミング言語といえます。
C言語
C言語は1972年に開発された長い歴史を持ち、ソフトウェア系を中心にさまざまなシーンで使われる、汎用性の高いプログラミング言語です。
プログラミングの実行が速いのも特徴で、プログラミング言語を学習する人の中で人気がありますが、難易度は高くなっています。
C++
C言語から派生したプログラミング言語で、家庭用ゲームやパソコンゲームの製作などに使用されます。
C言語同様プログラムの実行が速いという特徴があり、世界的なゲームエンジン(ゲーム制作のための総合環境)である「UnrealEngine」で必要となる言語です。
習得の難易度もC言語同様高くなっています。
Java
JavaはWebアプリケーションや、Androidアプリなどさまざまな分野で使用されているプログラミング言語です。
世界的にも広く使われている言語ですが、難易度が高く学習には時間がかかるという点があります。
プログラミング初心者が言語を選ぶときのポイントは?
プログラミング言語の種類を紹介してきましたが、たくさんの種類があってどれから習えばいいのか疑問に思った方もいると思います。
この章ではこれからプログラミングを始めたい、または子どもに学習させたいと考えている方へ、プログラミング初心者が言語を選ぶ際のポイントをお伝えします。
プログラミング言語の学習を始める際のポイントは2つあります。
- つくりたいものから選ぶ
- 難易度が低いものから始める
この後詳しく見ていきます。
つくりたいものから選ぶ
つくりたいものが決まっている場合は、その目的に沿ったプログラミング言語を学習していくといいでしょう。
例えばWebサイトがつくりたいのであれば、HTMLやPHPなどのWebサイト制作に向いたプログラミング言語といった具合です。
前述したようにプログラミング言語にはできることの得意不得意がありますので、作りたいものに合っていないプログラミング言語を学んでもあまり役に立ちません。
ゲームを作りたいと思っているのに、Web制作に向いたプログラミング言語を学んでも非効率になってしまいます。その場合はC#などゲーム制作に使われる言語を学ぶといいでしょう。
また、目的が明確であれば、プログラミング言語を学んでいく中で挫折しそうになってもモチベーションを保って続けることができます。
難易度が低いものから始める
つくりたいものがまだ明確にない、またはまずはプログラミング言語を学んでみたいという場合は難易度が低いものから始めるといいでしょう。
Web系のHTMLなどは比較的難易度が低く効果もすぐ確認できるため、初心者でも始めやすいといえます。
また、プログラミング自体初めてや子供に習わせたいのであれば、ビジュアルプログラミング言語であるViscuitやScratchから始めるのもいいかもしれません。
まずは難易度が低いものから始めて、プログラミング言語に慣れてきてから、高度なものにステップアップしていくという方法もあります。
LITALICOワンダーではプログラミング教室を、オンライン・オフラインで運営しています。
ViscuitやScratchをはじめとしたビジュアルプログラミング言語から始めて、慣れてきたら3Dゲームもつくれるプログラミング言語にステップアップしていくなど、子どもの個性や成長に合わせてプログラミング言語を学んでいくことができます。
無料体験も実施中です。子どもにプログラミングを触れさせてみたいと思っている方はぜひ一度お問い合わせください。
プログラミングは独学でも大丈夫?
プログラミング言語の学習は独学でもできるのでしょうか。
この章では子どもや初心者が自宅でもできるプログラミング言語の学び方を紹介します。
動画を参考にする
独学でプログラミング言語を学ぶためには、動画で学べるサイトを参考にするという方法があります。
動画で学ぶメリットは、実際の操作が目で見てわかることです。実際の操作をそのまま録画していることが多いので、動画に合わせて操作をすることで迷うことなくプログラミングが行えます。
また、動画が一つひとつはそれほど長くなく、項目ごとに区切られているため、集中力が続きやすいという点も挙げられます。
動画サイトで学びたいプログラミング言語と「学び方」などと検索すると、「初心者向け」や「子どもにもできる」といった動画が出てくるといった気軽さも利点です。
無料で学習できるサイトを利用する
プログラミングが無料で試せるサイトも、独学で学ぶ上では役に立ちます。
学びたいプログラミング言語と「学習サイト」などで検索すると出てくるでしょう。
学習サイトではそのプログラミング言語の概要や、簡単な問題集などがあり、自力で考えながら学習することができる場合が多くあります。
動画と違い自分で考えてから操作することで、成果を実感しやすい点が挙げられます。
また自分のペースで進められるというメリットもあるので、子どもの性格によって使い分けるといいでしょう。
書籍を参考にする
書籍で学ぶのも独学には有効です。
書籍の場合は上にあげた2つと違って費用がかかる場合が多いですが、その分個人ではなく会社が出版しているという信頼性があります。
また、動画やサイトと比べても必要な情報が網羅されている点もメリットとしてあります。
この1冊を購入すればこれだけのことが学べる、ということがわかりやすく、安心して学習を進めることもできるでしょう。
ただし、書籍はバージョンが古い場合もあるので、注意が必要です。
子どもがプログラミングを学べるゲームはある?
プログラミング言語を学ぶ方法を見てきましたが、ここではゲームを通して楽しみながらプログラミングを学ぶ方法をお伝えします。
教育版マインクラフト
マインクラフトとは、ブロックを使って世界を自由に作っていくゲームです。世界中のこどもに大人気なゲームですので、聞いたこともあるのではないでしょうか。
教育版マインクラフト(Minecraft: Education Edition)とは、マインクラフトを楽しみながらプログラミングを学ぶことができるようにしたゲームで、小学校低学年以降を対象としています。
文科省の定めたプログラミング教材として使用されていて、クラスメートと協同しながら、プログラミング的思考を学ぶことができる点が特徴です。
その他にプログラミングを学べるゲーム
先ほど紹介したViscuitやScratchもゲーム感覚でプログラミング言語を学ぶことができます。
この2つはビジュアルプログラミング言語と呼ばれ、画面内のブロックやメガネをマウスやタッチ操作でつなげることでプログラミングの基礎が学べるため、キーボードになれていない子どもでも扱いやすいというメリットがあります。
Springin’(スプリギン)
Springin’(スプリギン)もScratchやViscuit同様、ゲーム感覚でプログラミングを学べるビジュアルプログラミング言語です。アプリなのでスマートフォンやタブレットで手軽にできるという特徴があります。
絵や写真にボタンで条件を付けていくことで、さまざまな動作をさせ作品を作ることができます。
また、Springin’は作った作品を投稿することができ、他の人からコメントをもらえる機能があります。
コメントは定型文を送る形になっており、安全な環境でインターネット上のコミュニケーションを学ぶことができます。
子どもがプログラミングを学べる場所は?
独学やゲームを通して学ぶこともできますが、プログラミングスクールに通うという方法もあります。
プログラミングスクールでは、わからないことがあったときに専門の知識を持ったスタッフがレクチャーをしてくれるという利点があります。
また、スクールに通う場合は同じ年代の子どもが通っていることも多く、情報交換や切磋琢磨しながらプログラミングのスキルを高めていくこともできます。
オンラインスクールの場合は、自宅に居ながら専門的なスキルが学べるというメリットもあります。
子どもの年齢や性格に合わせて、適したプログラミングスクールを選んでいくといいでしょう。LITALICOワンダーではオンライン・オフラインでプログラミング教室を展開しています。
LITALICOワンダーは全員同じカリキュラムではなく、子どもの個性や興味関心に合わせて、一人ひとり異なったカリキュラムを組んでいます。
スタッフがサポートしながら子どもが「楽しい!」「もっとやりたい!」など自発的に学習できる環境を整えていますので、気になった方はぜひ一度お問い合わせください。
プログラミング言語のまとめ
プログラミング言語とは、コンピューターに指示を出すための専門の言葉で、Webサイトやアプリ、ゲームなど日常のさまざまな場面で使われている身近なものです。
プログラミング教育が必修化されたことで、子どもにプログラミング言語を学んでみたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
プログラミング言語にも多くの種類があり、目的や難易度が異なっています。
子どもの年齢や興味などによって最適なプログラミング言語を見つけていくことが大事になります。
LITALICOワンダーでは、オンライン、オフライン両方でプログラミングスクールを運営しています。
ひとり一人のスキルや学びたいことに合わせてカリキュラムを作っていくため、子どもの自主性や個性も育てることができます。
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